「DEATH’S DOOR」をプレイしました。
こちらは見下ろし型3Dアクションゲームで、シンプルな斬撃・射撃・回避の動作でプレイする王道ゼルダライク。ですが、HPはいかなる攻撃でも4回(強化によって最大6回)当たればゲームオーバーと厳しめな設定になっています。
死にやすいですが、各ダンジョンはチェックポイントから死んだ場所までアクセスしやすい構造になっており(イベント戦闘では即リトライ可能なものも)、ロードはサクサク、デスペナルティもないので、気軽に何回も死んでやり直せるつくりです。快適ノーストレス。
ひとつひとつの操作や求められる対象はごくシンプルなのですが、HPの仕様にワラワラいる雑魚だのいやらしい感じの中ボスだのが相まってかなり死ねます。それぞれは簡単なことでも、ミスなく素早く捌いていかなければいけないのが絶妙な難易度。
自分のミスも対処の仕方も基本的にわかりやすいので、こうすればできるはず、次は絶対勝つ! という気分になり、また何度かやっていれば実際にできるので、中毒性があって楽しかったです。
そうした戦闘の楽しさだけでも十分推せるゲームなのですが、他の要素もたいへんよい作品です。
主人公はリーパー協会(死神の会社のようなもの)で働く小さな社畜カラスで、ある日任務で狩った大物の魂を誰かに横取りされてしまい、それをきっかけに各地を巡る冒険に出ることに……といったストーリー。
プレイボリュームは100%クリアでも15時間程度で、物語も量的には軽めですが、生と死をめぐる物語や各キャラクターの価値観にはそのコンパクトさにおさまらないものがあり、終盤の展開にはいろいろと考えてしまいました。ローカライズの質もいい感じ。
道理として正しいのは主人公サイドであって、それに間違いはないのだろうと思うのですが、それに立ちはだかるラスボスや、その部下である人物がキャラクターとしてはとても好きです。感情としてはそっちに味方したくなってしまうくらい。
デフォルメのきいたかわいらしくユーモラスなキャラクターデザインに、あたたかく絵本のような質感でありながらどこか寂しさも漂い、アクセントにネオンカラーの効いたジオラマ調の背景グラフィックと視覚的にもとても好みでよかったです。
音楽はピアノメインのものが印象的で(管楽器からエレキギターまで編成はさまざまですが)、フィールドではおしゃれで落ち着いたものが多い一方、民族調のものがあったり、ボス戦などではしっかり勇壮でかっこいい曲もあり、どれも魅力的でした。ボス戦や一部のステージでは攻撃やギミックの効果音のタイミングが音楽に合わせてあったりします。サントラもサブスクにあってうれしい。
特に最後から二番めのボス(裏ボス除く)ではシンプルでスタイリッシュな画面とピアノ主役の切ないBGMのマッチした演出がすばらしく、今まで遊んだゲームでもトップクラスに印象的かつ好きなボス戦になりました。
手軽に遊べてムキになれ、世界観や音楽も質が高くてよいゲームですのでおすすめです。人を選ぶ要素はなく、かなり万人向け(アクション苦手すぎるとキツいかも? という意味)と思います。パッと見で好きそうだと思ったなら買ってよいのでは。