ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「NieR:Automata Ver1.1a」第5話の感想

第5話が放送されましたね! またまた情報盛りだくさんですごく楽しいです。原作と同じだけど全然違う塩梅がたまらん。

アニメで初見だという方には、そういう意味ではたぶん何の変哲もない物語だというか、原作ファンのこういう楽しみはいい意味であまりわからないような作りになっているだろうなと感じるのがまた面白いですね。

こういうのって何の情報を入れずに見ていてもあーこれは原作やらないとわからないやつ……と感じると萎えがちですし、そのあたりのバランス感覚はいいところを探ってくれているように思います。

 

追記から箇条書き感想です。

 

 

アバン

・出たわねクソ長い机。アダムとイヴの下着が原作よりも明らかなる白ブリーフで面白いですね。白ブリーフに何らかの意味を見出すとすれば、子供っぽい印象なのかもしれません。

 

・アダムの読んでいる本はサルトルの「存在と無」。実存主義というか哲学には全く詳しくないのでなんとも言えませんが、アダムの知りたいことがそうした「存在」そのものについてであるというのはそうだろうなと思います。

 創造主に与えられた存在意義を失い(あるいは自ら捨て)彷徨う存在である彼らには、何かそういうしるべのようなものが必要なのでしょう。

 

・下着にしろ食事にしろ、「人間ってそうだったっぽいから真似する」というだけのことで、意味を理解しているわけではないんですよね。子供が大人の真似をするようなこと。

 知恵の実の話を真に受けてしまっていたり、事実とフィクションの区別もついていません……というのはなんだかおかしく思えてしまうのですが、もはや滅びた自分たちとは異なる存在についての記録を見てそれらを判別できるかと言われると単純に難しいことであるような気はしますね。あるいはもっと多くの記録に目を通していけば区別をつけられるようになるのかもしれませんが。

 まだその段階で難しい哲学書なんか読んじゃうの? とも思うのですが、それもそういう区別がつかずに手当たり次第に見てみるしかない状況だからなのかもしれないですね。こういうのから読みなとか言ってくれる人なんていないわけで。読もうと思って読んでしまえるのはシンプルに知能の高さなんでしょうけど。

 

Aパート

・おつかいに文句タラッタラの9Sくん、クソガキやっていてかわいいですね。前回無慈悲にも命乞いをする相手をぶっ殺した男だとは思えませんね。こういう複雑さが魅力。

 

・「死ぬより、死なないほうがいいに決まってる」。それは~~……そう!! その真の意味を9Sが理解できないのは当然ですし、2Bも伝える気はないのですが、伝わらないのがなんとももどかしい。2Bちゃんが9Sに死なないでいてほしい気持ち、伝わっちゃえばいいのに。

 

・ナインズ云々、普通にやりましたね。まあジェットコースターのくだりってアニメでやるとあまりにもシュールなので(原作からして死ぬほどシュールだよ)、単純に移動させただけなんですかね。

 さっきまで重たそうに持っていたタンクをここでは片足立ちまでして無意味にプラプラ振り回しまくっているのがかわいいですね。むしろさっきまでがかわいこぶっていたんだよな。ロボなので。

 

・地理が明らかに原作と違う。商業施設の正面奥に直接パスカル村がある設定になっていますね。森の王国はどこから行くことになるんでしょう?

 遊園施設からパスカル村に直接進行するのではなく、その後の一度レジスタンスキャンプを経由しておつかいをする流れと一本化しているのはストーリー構成上の都合かと思いますが、地理的にも遊園施設とパスカル村がおそらく隣接しなくなっているので直接は行けないと言えるかも。

 

・商業施設は原作でも一番好きなロケーションのひとつなので、あの独特の光のやわらかさが再現されていて嬉しいですね。真っ昼間の緑に侵食された廃墟、大好き。

 原作では一棟だけの狭いマップですが、アニメだとイオンモールみたいになっていますね。広い。

 

・人類の道具に興味津々な9Sくん、声のトーンが爆高でかわいいですね。「この箱はまさか……」ってPS4だ。今回の9Sくん、テンション高めで喋っているときの仕草がやたら大げさでかわいいです。元気があるね。たしょう空元気かもしれませんが……。

 アニメ作品だと身振り手振りで感情の表現をさせる演出ってそこまで見ないので、なんというかいっぱい動かしてくれるのが嬉しいですね。これが現実の人間の演技になると逆に身振り手振りに頼りすぎるのもよくないみたいな話にもなってくるんですが、顔アップで済ませないで元気に動く推しを描いてもらえるのって……シンプルに嬉しい!

 舞台版でも目隠しがあるために普段どおりの表情の演技では伝えきれない、みたいな話を役者さんたちもしていましたし見ていても感じたのですが、アニメでもそこは同じなのかもとも思います。ちょっとした仕草にも意味をこめて演出されているのを感じるアニメなのって最高~。

 

・「2Bにお似合いのTシャツとか買ってあげます」、6年経ってもやっぱりめちゃくちゃ好きな日本語だなあ。この気楽な言い回しがベリーキュートなんですわ。「二人で買うことが楽しそうと言いますか……」のヒキの画で腕パタパタやってるのもすごくかわいいですね。このやりとり原作ですごく好きなのですが、今回かなり膨らませてあって嬉しかったです。

 

・「彼らが望んでいるのは戦いではなく平和だ」、まるでヨルハが戦いを望んでいるかのようでいいなと思います(よくはないんだけど)。戦うために生み出された者同士、けれども彼らは変化しつつある。

 

パスカルおじちゃん原作よりヌルヌル動いている気がする。動きのパターンが多くてより活き活きした印象ですね。

 「対話することでしか相互理解は得られない」、原作にもある台詞で、まさに正しいことを言っているのですが、アニメでは前回9Sがそれを拒否してしまった流れになっているので、原作とは少し違った印象を受けます。

 

・まるで人間のように寄り集まって暮らし、家族や社会、経済を形成する機械生命体たち。思えばオートマタに登場するアンドロイドたちの関係って、恋人とかはよく出てくるのですが、家族(親子、きょうだい)を名乗るひとたちって登場しないんですよね。

 パスカル村の描写、原作要素が盛りだくさんで楽しいですね。姉妹の他にもサルトルや天才発明家といったキャラクターとか、サブクエストの要素をできるだけ盛り込んでくれているのが嬉しい。

 気になるのが時系列的にはもっと後で造られるはずのすべり台がすでに存在していることですが、単なるファンサービスなのか何か設定があるのかどうなんでしょうね。

 

・「規則」と「約束」、「約束は守らなきゃダメ」、そして再会の約束。後々効いてきそうなやつですね……。

 

・知らん地下空間何!? 入り口の見た目が崩落後のあそこっぽくて驚いたのですが、場所が違いすぎるはずなのでそこは似てるだけなんだろうか?

 

 

Bパート

・商業施設のくだりでエミールがカットされたのでどうなるのかなと思ったら苔むした御神体になってるのはちょっと笑っちゃった。本当になんで木の中に埋まってるんですか?

 

・ファンフェス朗読劇でエミールってなんかそういうやつだったっけ? と思ったんですけど、何か機械的な要素ってやっぱりあるんですね。マジカルでファンタジックな存在のイメージが強かったのですが意外とメカだったのか?

 

・オタクは……エミール流されると反射で泣くぞ! と思ったら情報をワッとやられて情緒が逆に迷子になってしまいました。ゆっくり……ゆっくりして!

 しかし本当にガッツリとレプリカントのみなさんが出ましたね。カイネさんもヨナもニーアくんの後頭部もすごくかわいい……ありがたい……。当たり前だけどシロはアニメ化してもビジュアル同じだな……。

 カイネとシロのカットは普通に「エミールはエミールだ」っぽいのですが、後の人物カットはエミールが見たものとしてはありえないシチュエーションなのはちょっと気になるかも。そもそもエミールとヨナって面識からしてないですし(ある意味皆無ではないのですが)。特定の人物の視点映像だとしたらシロでしょうか?

 ほぼ与太なのですが、エミールの埋まっている木が巨大樹だとしたら、両者につながりが生まれていて、エミール本人の記憶ではないがエミールに関連するデータが引き出された……なんてことがあるかも。ないかも。

 またこの木が巨大樹であるのだとしたら、エミールはパスカルに単に呼びかけたのではなく実際にアクセスしたのかもしれないですね。

 

・読み取れたデータ、真ん中の連結エミールのインパクトがすごいですがオタクが見るべきは右ですよ(?)。アニメ絵のハルアとエミールすごい美人だ……。

 原作では知る由もなかったエミールの正体を9Sが先んじて(おそらくかなり詳細なところまで)知ることになったというのは何かこの先意味の出てくることなのか気になりますね。

 

・言われてみればそりゃそうだろうけどパスカルも量産型なんですよね。ワラワラいるのちょっと面白い。

 戦うことにも仲間を失うことにも何も感じなかった、そのことが最も恐ろしいと思った。そういう気付きの瞬間ってすごく大きな衝撃だったと思いますし、そういうのって好きだなあ。世界がひっくり返るような衝撃。

 

・「そんなの、ただのバグかエラーに決まってる」「そうですね。私はきっとおかしくなってしまったんです」、良い。パスカルの笑みを含んだ演技が好きです。

 おかしくなってしまった結果だとしても、それでもパスカルは今ここにいるし、日々を幸せに暮らしている。そのバグか何かが個性を生み出し、そのおかげで生き残ることができたと考えると生物っぽい話ですし、個人が個人であるということはすなわちバグやエラーのたぐいということなのかも。

 

・「穏ヤカナ眠リ」の流れるオルゴール、原作サブクエストで登場するものと同じ……だったらやだなあ。怖い話になってしまう。

 

・機械生命体のネットワークから切り離され、孤独な個人となったが、代わりにみんな同じでつながっている世界では得られないものを得ることができたの話、ファフナー感ある。というかファフナーサルトルなんだろうな。私ってやっぱりサルトル勉強したほうがいいんですか?

 

・アンドロイドも機械生命体も互いに殺し合い仲間を大勢失ったのは同じなのに自分たちだけ戦いをやめるなんて勝手すぎるって、そこまでわかっているなら自分たちも戦いをやめればいいだけのことなんですよね。そしたらもう誰も死ななくて済む。

 全体の状況を動かして停戦に持っていくとかいうレベルの話ではなくて、別に9S個人が勝手に戦いをやめたっていいんですよ(逃げ切れるかはさておき……)。それができないのは、9Sがヨルハ/アンドロイドという全体の一部であり、「ネットワークから切り離されていない」からです。

 

 「せっかくネットワークから離れて自由になったのに」という言い回しからもそのあたりは伺えて楽しいですね。ネットワークの、全体の一部であるということは、何も考えなくてよくて安心で安全ですが、何かを考えることが許されない、個性を持つことが許されない縛りの中にあるということです。

 そして9S自身もそのことに気がついていて、そういう意味では限りなくパスカル寄りの存在ではあるのですが、やはりヨルハのネットワークの一部ではあり続けている。そこで矛盾を起こしているから苦しいんですね。

 

 一人では生きられない、それは単純に生存の確率という意味でも正しいし、心を持つ存在としての話でもある。それぞれ違っていて孤独だからこそ他者を求めるし、寄り添い合うことに意味があるんですよね。9Sくんも2Bちゃんと一緒にいられて嬉しいと思うんだからそういうことなんですよ。かわいいですね。

 

・謎のノイズ、マジで何? 知らん……見たことない……。背景は商業施設、2Bの姿は刀の有無以外同じでしょうか? いや本当に何? 知らん現象すぎる。

 9Sって基本的に毎回新しい個体になっていて記憶の引き継ぎとかないという認識だったんですが、9S自身の記憶だとしたら実はそうでもなかったりするんでしょうか。そういうものでないなら余計なんなのか全くわかりませんけど。

 「一人では生きられない」ということばがトリガーになっているように見えるのも全くどういうことなのかわかりませんね。なにこれ!

 

・不穏さを誤魔化そうとしておどけるのはやめろ~! なんですけど、9Sくんってかわいいな……。「でも、本当にそうだったらいいな~なんて……」のかわいさを見てくださいよ。すごくかわいい。ありがとう。

 これまた9Sには知る由もない話ではありますが、2Bちゃんがいかにお前を大切で大好きで必要か…………という気持ちになってきちゃいますね。9Sなんていなければ2Bは不幸ではありませんが、9Sがいなければ幸福じゃないんですよ。

 

・「平和になったら~」のくだり、演出も演技も表情作画もすごくいいですね。ちょっと泣いてしまった。2Bちゃんにとって9Sが光であるように、9Sにとっても2Bちゃんは光なんですよね。そんなの知ってるけど泣いちゃう。何回やってもいいんですこういうのは。

 042にマップデータをアーカイブしたのはなにかの布石な気がしますね。例のシーンの現場がここになって9Sが落下天丼しなくなると予想しておきましょう。いやビルが崩落して落下はするかもな……。

 

・いじめられているのはあの喋り方が変な機械生命体なんですかね? ネタが細かい。パスカルおじちゃんは非暴力主義とはいえ子供の喧嘩の仲裁くらいもうちょっと頑張れないのか?

 

・9Sくんの優しき心の描写、助かる~。あんなに機械生命体に感情なんてと否定していても、とっさの場面では助けようとしてしまうんですよね。かわいいですね。あるいは機械生命体たちの絆に、自分が2Bを想い、必要とする気持ちを重ねるようになったんでしょうね。かわいいですね。

 邪魔が入った形になった結果とっさの行動ができず、怒りめいた感情を出してしまうのは、そんな自分の変化に追いつけないからだと思います。戸惑いが不安や不快に感じられ、怒ったりしょげてしまうんですね。かわいいですね~!

 

・アダムとイヴが持っている本、イヴはちょっと判読できないのですが(知ってたらわかりそう)、アダムはマルキ・ド・サドの「ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え」。これまた読んだことはないのですが、軽く検索した限りでは宗教や道徳に反するような内容っぽいのかな。アダムっぽい印象ではあります。

 

・「兄さん」呼び、何~!? アダムとイヴの間にも原作とは違うことが起こっちゃうんでしょうけど、これがどういう意味を持つんだろうか。全然わからん。

 

 

Cパート

・「L3+R3」で全てを察した気になっていたらtoi8先生でおったまげてしまいました。エッチな絵だ……。からのYエンドでめっちゃ笑った。アニメ勢から見たエミール、謎の存在すぎませんか?