ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「NieR:Automata Ver1.1a」第7話の感想

第7話が放送されましたね。今回は時間軸は現代に戻りまして、森の王国へと物語が進んでいきます。

やっぱり今回も原作と話が違うのですが、違うこと自体にはだいぶ慣れてきた感じがします。原作の要素をバラバラにして組み立て直すことで、同じだけど違う物語が作られているのが面白いですし、そこに少しの全く知らん要素が絡んでくるのがワクワクしますよね。

 

追記から箇条書き感想です。

 

アバン

・クソ長机のアダムとイヴ。哲学書読みながらいきなり笑い出す人ってちょっとかなり怖いかも。実存云々はこの前も読んでいたサルトルですね。このあたりのことに関してもっとなんか言いて~けどわかんね~から……やっぱりオレもサルトル読むよ! にいさん!(ホント~?)

 

・とにかくにいちゃん大好きなイヴ、けなげだ……。けなげすぎてもうアダムが帰ってこなそうな雰囲気になっていて笑っちゃった。というか遊び場ってなんだろう? 複製された街のことなんでしょうか?

 

 

Aパート

・ちょっとの水で動き続けられるヨルハに比べれば、一日にたくさんの食事を必要とする生物のなんと非効率で不便なことか。実際それはそうなのですが9Sくんは不敬だな。まあ……こういうところがかわいいんですけどね♪

 

・アダムとイヴについて連絡をよこさない司令部。ヨルハ計画に変異体が組み込まれているという話に関連しているのでしょうね。

 しかし6Oちゃんは基本的に明るいかわいいほのぼの担当でストーリーの動きに影響しないキャラクターなので、こうして司令部の意向で動いている感じを出されるとドキドキしちゃいますね。彼女もまた口元をヴェールで覆うオペレーターの一員なのだよな。

 6Oと21Oは原作ではそれぞれの担当としか会話しない(バンカーでは話しかけられるけど)ので、こうして6Oと9Sが会話していると新鮮でいいですね。

 

・9Sに余計な詮索をさせたくないという意味では司令部も2Bも同じなのですが、9Sくんって司令部には不信感をあらわにする一方で、2Bに対しては2Bらしいですね~とかそうじゃなくって~!😅で終わりなんですよね。ほんと2Bちゃんにだけはかわいこぶっててかわいいですね。

 

・ナインズ呼びは「まだいい」、じゃあいつになったらOKになるのか……はお楽しみにってやつですね。実際にナインズ呼びが出たら小説版の短編集の方もオススメです。

 

・コイ型機械生命体さん!?

 ちなみに魚型機械生命体は生態系を破壊する目的で地球に放たれましたが、その目的が達成された後は野生化しているという設定です。

 

・迷子の機械生命体のエピソードをここで挟んでくるんですね。原作では妹が迷子になるのは砂漠地帯でのことで、クエストが発生するタイミングももっと前になります。

 しかし姉とパスカルおじちゃんのチラッ……チラッ……で普通にめちゃくちゃ笑ってしまった。ギャグアニメとしてのポテンシャルがある。テンポ感が良いですよね。

 

・ポッドを小脇に抱えるふたりがかわいい。パーツを交換できたら便利なのは間違いないですが、パスカルのこだわりのなさと9Sの頑なさは見ていて面白いですね。

 アンドロイドたちは彼らにとっての神である人間を模した形をしていることについて精神的に大きな意味を持っているので、義体の乗り換えや修理におけるパーツの換装をすることはあっても人間の姿を捨てることは考えられないと思います。

 それは機械としての強みはむしろ捨ててしまっているということでもあって、そのあたり自らの姿にこだわりのない機械生命体の方がよほど合理的なんですね。

 

・態度最悪の9Sとちょっと強めにたしなめる2Bちゃん、良い。おねガキは……最高! 態度最悪の9Sはどの台詞をとってもカワイイですが、「心……じゃないでしょうか?」に対する「は?」がマジでかわいくなくて最高ですね。

 

・森の王国、アニメだとなんか廃墟都市からけっこう距離がありそうな感じに見えますね。ゲームだとオープンワールドの体裁上すべてのエリアが隣接していますが、アニメだと別につながってなくてもいいんだなあ。

 

・どこまでパーツを交換していくと自分は自分でなくなるのか。何が残れば自分は自分でいられるのか。テセウスの船的な話には原作でもサブエピソードで少し触れられるので、今回けっこう真面目に触れられていて嬉しかったです。

 自分を定義するものは物理的なパーツではなく心、というのは、2Bたちの在り方からしてもそうだと思います。彼女らを彼女らだと定義するものは義体そのものではなく自我データと記憶であり、それは「心」なので。

 逆に言えば同じ義体であっても自我データが万全でなければ意味がない、自分が失われていく……という話が少年ヨルハ(少女ヨルハ)にはありますのでオススメです! 少女ヨルハはBlu-rayが現在販売中です!

 

・森の王国をすべて滅ぼしちゃったA2お姉ちゃん、原作の百倍過激で笑ってしまった。すごい。ゲーム的な都合に関して言えば、原作では王国民に滅びられてしまっては困るので(雑魚いなくなっちゃうから)、こういう展開にできるのはアニメならではですね。

 

 

Bパート

・ゲームではアングル固定の森の城もアニメならいろいろな角度で楽しめちゃう。それもまた嬉しいですね。

 

・原作では特にこんなところにはない先代王様の屍と森の王国の成り立ち。統一されたネットワークから外れ、自ら思考し始めた機械生命体たちが寄り集まって生まれたコミュニティ……という点ではパスカル村と同様の存在です。

 

・思い出や歴史という概念を理解しないヨルハとそれを語る機械生命体。それこそ前回リリィについて、過去の記憶が現在の自分を作る、という話をしていましたし、これに関してはアンドロイド⇔機械生命体と言うよりは、ヨルハの特殊さが大きいのかも?

 そもそも歴史が非常に浅かったり(バンカー建造が11940年、前回の真珠湾が11941年)、また2話冒頭で語られたストーリー以上の詳しいルーツというものを彼女たち自身も知らないので、自分たち自身の来歴をなにかの拠り所にするということはないのだと思います。

 あと9Sに関してはすぐ死ぬので振り返れるレベルの思い出がほとんどないかも。かわいいですね。何かを懐かしく思い出すときって基本走馬灯なんでしょうね(そういうシーンは外伝媒体にめちゃくちゃある)。かわいいですね。

 

・死んでしまった王様の亡骸から作られた二代目の王様。「この子を次の王様に育てる」と言っていますが、現在も128年前から変わることなくピーピー鳴くだけの赤ちゃんです。アニメではカットされていますが、原作では間の時系列で「王様、ちっとも大きくなんねえなあ……」的なシーンが入ります。

 機械生命体が作り出す家族の絆には美しいものもありますが、そういうところは真似事の域を出ないのだというか、急にシビアな感じですよね。子供は永遠に子供のまま。パスカル村の子供達も何十年とかずっとあのままなのかも。

 

・態度最悪からの危機一髪。ここは原作だと元から橋が崩壊している箇所なので芸細な展開ですね。ちょっと間を持たせてパスカルと9Sの繋がれた手を映してくれるのがグッときます。

 あれだけゴチャゴチャゴチャゴチャ言いくさっていたのにちょっと命を助けられただけでコロッとデレてしまうのが9Sくんのかわいいところですよね。そういうんじゃないとか僕はまだ信用したわけじゃないとかグダグダ言い訳しているのもかわいい。

 実際本当に、冷たいところがあったり悪意的だったり傲慢だったりする一方で、こういう単純な優しさや良心というもの、簡単にほだされてしまうようなところも同時に9Sにはあって、彼自身その不一致に戸惑ったり苦しんだりするというのが……かわいいんですわ!

 

・家族と同じくらい大好きだからこのひととも家族になりたい結婚したい、ああそうですか良かったですね、って笑ってしまうくらい単純なんですけど、なんかいいなーと思ってしまった。

 2Bちゃんのことが大大大好きだけどこんなふうにはなれないであろう9Sくんにとっても思うところがあったんじゃないかな。かわいいですね。

 

・花を敷き詰められたまるで棺のような揺りかごが死に場所になっちゃうのって笑えなくて笑っちゃった(?)。

 

・満を持して本格登場のA2。戦闘シーン短めですがよく動いてかっこいいですね。「裏切ったのは……司令部だろう?」はヨルハ(真珠湾)未見だと意味深なんですが、アニメでは前回ご覧の通りですね。A2の剣が折れてしまう展開は原作にはないのですが、何か意味があるのでしょうか?

 ちなみに9Sばかりが戸惑っているのは単純にA2と2Bは会ったことがあるからですね。A2はポッドが解説してくれるように指名手配の身の上なので、以前にもこのように戦ったことがあります……という話が朗読劇にあります! あとノベライズ版ではこちらのシーンはA2視点です! バイナウ!

 

・前回も舞台版のキャストさんが出演されていましたが、今回は男性版「ヨルハ」からワカバ(女性版のフタバ・ヨツバにあたる)役の佐藤さんが出演されてますね。ワカバくん大好きなので嬉しかったんですが、知ってから見たところで全くわからん……加工がね……。

 

 

Cパート

・逆さに埋まったまま元気にお返事しているエミールにはもはや突っ込むまいぞ。「うわーい」とか言っていてかわいいですね。A2も脚プラプラでかわいい。

 

・11945年の地球には、一日の中で昼と夜が移り変わるということがありません。なんか過去の設定で地軸がズレていて、昼のままの地域と夜のままの地域が固定されているそうです。科学的に考えるとおかしいらしいんですが、ゲーム的な都合ありきの設定なんだと思います

 エミールが夜を知っているのは、正常に昼と夜が存在していた時代から生きているからでもありますし、現在の夜の国にも行ったことがあるのでは。

 夜の国は作品中には特に登場しませんが、「少年ヨルハ」で少し触れられていたり、ドラゴンがいるとか「竜騎兵」なるものが運用されているとかそういう設定が少しあります。

 

・エンディングの文面はZエンド。