ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「There Is No Game: Wrong Dimension」の感想

f:id:hinoyui:20221230212527p:image

There Is No Game: Wrong Dimensionをプレイしました。いろいろな媒体で遊べる作品ですが、今回セールになっていたのでSwitch版を購入。プレイ時間は5時間程度でした。

システム的にはオーソドックスなポイントアンドクリックのパズルゲームですが、「There Is No Game(ここにゲームはない)」というタイトルの通り、「ゲームで遊べない」ゲームになっています。

「ゲーム」自身が登場人物として登場し、ゲームで遊ぼうとするプレイヤーをタイトル画面に鍵をかけたりプレイ開始のボタンを隠したりとあの手この手で阻止、プレイヤーはそれにあらゆる手で対抗する……というところから始まるのですが、一通りの攻防を終えたあたりで物語は思わぬ方向へ展開していきます。

 

軽い紹介を読んで面白そうだなと思っていただけだったので、プレイしてみると意外とストーリー&キャラクター重視のゲームで良い意味で驚きました。

相棒の「ゲーム」くんがなかなか情けないユーモラスなキャラクターで、ひとつひとつの台詞にクスッとできますし、口は悪いけれど一緒に行動しているうちに絆が生まれ、お互いに愛着が湧いてきます。愛おしいやつ。

ゲームくんはプレイヤーの行動や作中の展開に逐一コメントを入れてくれるのですが、そのボリュームとしっかり状況に対応した分岐の細かさがとてもよかったです。ICEYのナビゲーターのような感じですね。

サクサク進めてしまうと聞けない台詞もたくさんあるので、すぐに解けてしまった場面でもしばらく放置したり、あえて間違えてみたりするのが楽しいです。

 

f:id:hinoyui:20221230212538p:image

ゲームをテーマにしたゲームだけあって、ゲームのあるあるいじりや有名ゲーム(主にインディータイトル)のパロディが登場するのも楽しかったところでした。特にSUPERHOTのパロディが謎解きもしっかり元ネタに絡んでいて好き。

とにかくメタメタしい「非ゲーム」なのですが、プレイヤーはあくまで「ゲーム」をプレイするのではない、作品に外側から干渉するスタイルが貫かれているのがよかったです。

ストーリーもそうしたメタ要素を活かしたものになっていて、終盤には驚くよりも待ってましたと思える納得感があります。外へ外へと向かった物語が最後の最後に迎える展開もニクい。

 

個人的にICEYやパペッティアなどこの手のメタい作品、よくしゃべるナビキャラが好きなのでとても楽しめました。謎解きもほどよい難易度かつヒントモードも搭載されているので遊びやすいかなと思います。オススメ。