ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「ウムランギ ジェネレーション」の感想

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破滅が迫る
クソみたいな未来を
好き勝手に撮影しよう


ウムランギジェネレーションは、クソみたいな未来で写真を撮るゲームだ。

あなたはニュージーランドのタウランガ市にあるタウランガ運輸で写真配達人として働きながら、危機差し迫る日々を過ごすことになる。
頭上を戦闘機が飛び、敵が日常を侵略し、銃声が飛び交い、兵士は傷つき、巨大ロボットが出動し、人類が無駄な抵抗を繰り返す。

ただ、人々の生活は変わらない。
仕事をし、踊り、電車に乗り、金持ちを恨み、貧乏人を蔑み、政府に文句を言い、鎮圧され…
そんな人々が過ごす様々なエリアで様々な対象を撮影し、あなたはお金をもらって生きていく。
日常でも戦場でも、いつも一緒にいてくれる友人たちとそこそこ楽しく、そこそこつらい、このクソみたいな未来を生きていく。

ウムランギジェネレーション スペシャルエディション ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)より

Switchにて「ウムランギ ジェネレーション」をプレイしました。

ゲームの紹介としては上に引用した公式のものを読んでもらえればそれで、という感じの作品。終末の迫る世界で、写真配達人として求められるお題(フォトバウンティと呼称される)を撮影し、そのステージでのフォトバウンティをコンプリートすることで次のステージへ進行していきます。やること自体はごくシンプル。「フォトモードのゲーム化」なんて紹介されているみたいです。

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Switchのジャイロを利用してカメラを動かしたり傾けたりできるのが本当のカメラみたいで楽しいところ。レンズは望遠や広角など、さまざまなものが用意されており、シャッターを押した後には露出やコントラスト、色相の変化などの効果を加えて編集ができます。レンズと効果はゲームを進めたりやり込み要素をこなすことで入手できます。

加えてSwitch版では撮った写真をSwitchのアルバムに直接保存することができ、Twitterなどへのシェアも簡単にできます。これが地味ながら痒いところに手が届くシステムで非常によかった。撮った写真をさらにアルバム開いてスクショして……とかだとひと手間が面倒なんですよね。

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「ウムランギ(Umurangi)」とはマオリ語で「赤い空」の意味なんだそうで、作中に出てくる壁の落書きのことばや図柄、置いてあるアイテムなど、マオリの文化がフィーチャーされているみたいです。全く詳しくないのでわかったらもっと楽しめただろうな、という感じ。ニュージーランドのことをわかる人の感想が見てみたいですね。

世界観はサイバーで近未来で終末でニュージランドでマオリサブカルで……なごちゃ混ぜ感が楽しく、ちょっとレトロな感じのポリゴンで表現された退廃的な風景は見ているだけでワクワクしました。流血や建造物の崩壊のような表現も含まれるのですが、フォトリアルなグラフィックでないだけにドキッとするような場面も。

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ゲーム中、台詞やことばのやりとりはありませんが、新聞が落ちていたり、市民の思いが壁に落書きされていたりと、状況を窺い知ることはできます。そういう読み込みが好きな人にはよいですよね。私は英語が全然できないのでぽちぽち翻訳しながらプレイしましたが……。

ことばはなくとも、いつも一緒の4人(3人と1羽?)の友達たちには愛着が湧いてきますし、終わっていく世界での日常を見つめるのは楽しかったり切なかったりして、プレイしていて気持ちのこもるゲームです。音楽もいい感じ。

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お題には小さなオブジェクトや撮影場所・アングルの限られるものもかなり含まれており、やり込み要素としてステージ内に配置されているフィルムを探したりもするので、遊んでいると世界のすみずみまで眺めることになるのがよい設計だと思いました。画面暗めなのもあり、人によっては3D酔いしやすいようですが(私はめちゃくちゃした)。

ひととおりクリアはしたのですが、(3D酔いのあまり満足に遊びきれていない部分もあるし)もっと写真を撮りたいと思えるようなゲームでした。短めなのは短めですが、ノーマルモードの他に写真撮影に特化したモードやタイムアタックモードもあり、まだまだ遊びまくれそうです。

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気に入った写真を何枚か貼ってみましたの回でした。というか写真貼りたかっただけ。