ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「NieR:Automata Ver1.1a」第4話の感想

無事放送が再開されましたね! やった〜。待ちに待った4話が放送され、オタクは元気いっぱいです。嬉しいですね。大変な状況であろう中、放送再開に漕ぎ着けてくださった製作陣の皆様に感謝……(オタクは感謝の念が大事なので)。

最近はいろいろとアニメ版としてのコラボの情報などが出てきていて、さまざまな絵柄になったりそれらしい扮装をしたりしている2Bちゃんたちを見てアニメ化って「こうなる」んだ……! と新鮮な気分になっています。ソシャゲコラボなんかだとコスプレしたりはしないので、アニメならではを感じますね。

 

さて追記から箇条書き感想です。演出が面白い回だったなー。

 

 

アバン

・機械生命体たちによる「演劇」。手を握りあって見守る機械生命体親子が印象的です。劇の内容もまさにごっこ遊びという感じだし、「おいしい」「ご飯にします? お風呂にします?」とか、反応もちぐはぐなのだけれど、彼らなりに大いに楽しみ、夢中になって行なわれている催しなのだということは伝わってきますね。

 だがしかしその背景には生かさず殺さずで磔にされている無数のアンドロイドたち……という絵面。グロいよ〜! 物理的にも精神的にもグロいよ〜! けれどもその歪さやおぞましさだけが真実ではない、だからこそ複雑なんですね。

 

 

Aパート

・ところ変わってレジスタンスキャンプ。フィクションでは同じ釜の飯を食う、盃を酌み交わすといった行為が現実以上の意味をもって描かれることが多いですが、ヨルハにはそれができないのってどこか示唆的に感じますね。

 同様にこの設定に作中で触れられる「ヨルハ」では「だから本当の仲間にはなれない」と描かれているわけでは全くないんですけど、ここでは異物感、ヨルハと一般アンドロイドの間に引かれた線のようなものが強めかも。「お気持ちだけいただいておきます」のほぼほぼ心にもない感じかわいいよ。

 

・セクハラよ! 照れて顔が赤くなる的な表現ってアリなんですね。そういうところも再現されているのでしょうね。涙も流せるし。頬染めってまあ漫画的な表現ではあるので(フォトリアル寄りのCGで自然にやるのって難しそう)、アニメ化っておもしれ〜。

 しかしこれって「そーっと近づいて、ギュッとハッキング」を21Oに言ってもらう機会はない……ってコト!?

 

・「人間の真似をしているだけ」がしつこい9Sくん。たぶんここまででもう3回は言っていますね。しつこく口に出して否定するのは、現実はそれを否定できないと理解しているからだし、それでもそんなことはあってはならないと自分に言い聞かせる必要があるからです。

 人類は唯一にして至上の存在であるという認識があらかじめプログラムされ、変え難いものであるということと、実際に見て推察し理解可能な現実はそれを否定するものであることととのギャップに不安で不快になり、現実の方を認知に合わせて修正しようとするんですね。認知的不協和というやつでしょうか。かわいいですね。

 

 「そのうち人類を超える存在になるんじゃないか」と言われて9Sのお口がムッとなる(何か言いかける)演出が好きです。奥の2Bは全く無反応なのがいい味出ている。

 人類を至上のものとしてプログラムされているという点では2Bも 9Sと変わらないのではないかという気もするのですが、そこはもう一周回って単に性格の違いなのかも。地の性格という意味でもそうだし、2Bは半ば意図的に感覚を鈍麻させ何も考えないようにしている部分があったり、9Sは設計上の知能の高さ・好奇心の強さがあったりするので。アンドロイド勢の描写も併せて見ると、あるいは人生経験の差かなとも思います。

 

・「前例」はパスカルのことですね。待て次回。

 

・停戦なんてしたらこれまでの犠牲が無駄になる理論、極端。「全てを破壊し、人類のために地上を奪還する」という動かせない結論(柔軟にゴールポストを変えるなどということは許されていない)と、それを守らなければならないという感覚、人類>超えられない壁>アンドロイド>超えられない壁>機械生命体という価値観ありきでゴチャゴチャ喋っているように聞こえます。かわいいですね。

 感想を検索しているとアニメ版の9Sが原理主義的だと言われているところを何度か見たのですが、まさにアニメでは9Sのこういったヨルハのイデオロギーに忠実である/そのように作られ、心を縛られているという面が強調されていて嬉しくなっちゃいますね。一見ヨルハに忠実なのは2Bの方であり、9Sは不真面目で反抗的であるように見えて、実際のところ、本質的には逆なのです。

 

・9Sの台詞では機械生命体は「人間の真似をしているだけ」「僕ら(アンドロイド)の真似をしている」のどちらの表現も何度か出てくるのですが、咄嗟っぽいときには「人間の真似をしている」と言っているように思えますね。こういうのって咄嗟に出てくることばの方が本音なものです。かわいいですね。機械生命体が直接人間の真似をしているのだとなにか冒涜的で許せないのだと思います。

 

・司令官と人類会議の会話。「何度も伝えたように、貴君の増派要請を承認することはできない。現地レジスタンスを囮とし、任務を遂行せよ」の台詞の情報量の詰め込み方がスマートでいいですね。司令官かわいそう。こんな中間管理職イヤすぎる。上からの指令だとしても現場に実行させてオペレーターにドン引きされるのは司令官なんですよ。

 

・アダイヴやボーヴォワールがヨルハ計画の予定に組み込まれてるって真面目にどういうことなんですか!? 知らん設定なんですけど……。私が覚えてないだけかもしれないんですが、そもそものヨルハ計画の設計者にそんな機械生命体側の未来の予測は不可能なのでは? なんかもうとりあえず司令官黙らせるために言ってるだけって言われた方が納得できる気がしてきました。

 細かい設定の話はさておくと、いろいろと仕組まれた壮大な計画があるんだよということ自体はもうこのあたりから見せていく感じなんですね。原作だとBルート終盤から出てくる話かなと思うのでだいぶ早い。

 

・「必要もないのに眠るって、人類は面白いですよねー」。昼寝は科学的に効果が見込めるらしいよとかは置いておいて、必要のない行為というのは知的で自由で高尚なことです。娯楽こそ心ある知的生命体の営み。つまり花を育てたり演劇を催したりしている存在というのは、そういうことです。

 

・なぜ機械生命体は月面や宇宙の基地を攻撃しないのか、の話って結局作中だとはっきりは回収されないんですよね。アンチノミーのMVでも「お父さんやお母さんなんて本当はいなかったのかもしれない」という話がありますが、もろもろ考えて「宇宙人」自体は確実に存在しているはずなので(でないとエミールまわりが意味不明だし)、そのあたりはいくつか考えようがあると思います。宇宙人は本当に宇宙から来たが機械生命体は巨大樹と関わったことで生まれたパターンとか、そもそも宇宙人も地球産だったパターンとか。

 

・「昔はヨルハとレジスタンスは仲が悪かった」、どのへんのことを言っているのだろう。あんまりそういうイメージもないですね。舞台で描かれたような個々の出来事というよりもっと全体的な話とかなのだろうか。

 あるいは情報操作が入っているんですかね。閲覧不可らしいし。レジスタンスを囮として任務を遂行するとかやるのであれば、好感とかはないほうがいいのかも。

 

・「黙ってこなすのが一番」「仲良くするのが一番」→「ハーイ」、かわいい。

 

Bパート

・「ナインズ」のくだり、まさかのカット。ジェットコースターはともかくやりとり自体はどこにでも入れられるはずなので意味ありげですね。とか言って来週以降しれっと入れてくる可能性はありますが。ナインズ呼びは重要な部分なので面白い改変が入ってもそれはそれで嬉しい。

 

・戦闘シーンめっちゃ動く! カメラもキャラもグルグル動いてかっこいいですね。ボーヴォワールの各種ギミックやイクラもきっちり再現されていて良い。

 

・しかしゲームだとイベント戦闘から逃げられないなんて当たり前も当たり前の話ですが、アニメだとそうもいかないですよね、というか、あえてそこを強調してくるのが面白い。

 「一旦逃げようとするが逃げられない状況である」という展開や説明をわざわざ入れずに普通に戦闘継続させてしまっても正直構わなさそうなのに、いかにもゲーム的なシールド(しかも原作にない)をわざわざ張らせてしまう真面目さ。

 

・回想。Bルートのノベルパートですね。2Bにも見えているというのは大きな改変かも、というか原作ではふたりとも何も反応していないので、森の王国パートと同じでプレイヤーにだけ見えている演出だと思っていたんですが、そうでもなかったのかアニメでの改変なのか。

 流れの自然さ、受け取りやすさという意味で言えばアニメという媒体ではふたりにも見えているということにしてしまったほうが良い気はしますね。この後のハッキングのシーンにも繋げられるしついでに9S曇らせポイントも稼げてお得。

 

・コアが弱点であるという設定への言及。1話でしっかり説明しておいたのは全体的にこれでやっていきますということなんですね。

 

・「推奨:退避」に対する「ここで終わらせる!」、良い。2Bちゃんが優しいとか善人だとかそういう描写はあればあるほど良いため。

 

・ビビってる9Sくんの顔かわいすぎますね♪ ここまでの話数でもそうだったのですが、機械生命体に感情があるっぽいところを見るとすぐ破壊にかかってしまうのって本当にカワイイですね。

 理解できない、したくないものを壊したくなるのは、恐怖を感じている、そこから逃れたい、ということだと思います。カワイイ。

 とはいえ恐怖を感じている、その対象を排除したくなるというのは強制的に心を暴かれ、破壊されようとしている機械生命体も同じことなのですよね。見ないで、誰か助けてってそれはそうなのよ。

 

・言われてみれば当たり前っぽいんですけどハッキング中の9Sくんって現実世界では虚脱状態なんですよね! 天才!? サンキューお姫様抱っこ……。アニメ版、とにかくお姫様抱っこをさせるという気合いを感じてきました。本当にありがたい。おねショタお姫様抱っこはあればあるほどいいですからね。滑り込み回避がステキ。

 

・記憶を辿るハッキング空間、悪夢っぽい演出で好きですね。サルトルが非常に巨大に見えているのは示唆的ですし、言及がカットされている捕食の設定に関しても察せられるような描写になっていて楽しい。

 というかやっぱりアニメ版くんって……9Sのゴア描写を盛っていますね!? アダム戦をそのまま再現するとしてこのアニメ同じキャラを最低2回も磔にするのか(3回目があったら大爆笑だよ)。個人的にこういうのもあればあるほどいいのでアニメ版のことが好きです。食べられそうになるシチュエーションも……好きだ!(素直)

 

・2Bちゃんもハッキングってできるんですね。A2も一応できる設定なのでそれはそうなのですが新鮮。

 巨大な口(現実のボーヴォワールのドレスの下にある口と重ねて描写される)の中にいる小型短足、の仮面の下の内部骨格がハッキング攻撃の完了とともに描かれるというのは好きな演出ですね。でも心のうちのうちまで暴かれる、それによって殺されるってかなりイヤかも。

 

・「助けてくれてありがとう」、「まるで感情が……」、どちらの会話も2Bと9Sが原作から入れ替わっていますね。なんだか意味深。

 特に後者のやりとりは、原作では単純に機械生命体にも精神や心があると示す描写、そして好奇心旺盛で関わるべきでない問題に頭を突っ込んでしまいがちな9Sとそれをやめさせたい2B、という構図の一環であるように思うのですが、アニメでは機械生命体の心を認めたがらない9Sを強調するものになっていて、描写の意図が全く異なると思います。

 

 原作だと9Sは機械生命体に感情なんてないと思い込んでいたところからスタートし、現実の機械生命体たちと関わることで素直にその考えを変化させていく、という感じに描かれていると思うのですが、アニメ版だとかなり強硬になっていますね。

 命乞いをしてくる相手まで問答無用となると、パスカルとの関わり方もけっこう違ってくるのではないかという気もします。というかまさにこの後すぐ白旗を振ってくる相手と対面すると思うんですけど大丈夫?

 特に花束踏んづけちゃうのはまずいというかなんというかすぎて笑顔になってきますね。子供が憧れの役者に贈るはずだった花束なんて心であり愛であって、そういうものを踏みつけにするって主人公のやっていいことじゃないかも。がんばれ~(?)

 

 

Cパート

・バンカー組人形、平面でかわいい。このフォーマットのキャラグッズ、売ってほしいですね……。

 元気な司令官がかわいくて癒やされました。何しろ本編の司令官ときたらアニオリが足されたところで嫌な目に遭ってるだけですからねって書いてて悲しくなってきました。服を洗濯に出さない司令官を映像化してください。

 

・エンディングの文面はOエンド。なんか前回もOエンドだったような気がするんですけど、今回の方が原作のOエンドの文章そのまんまなんですよね。前回が違ったのか。