ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「NieR:Automata Ver1.1a」第2話の感想

1話を延々と舐め回していたらいつの間にか1週間経っていたのですが、2話を見たらEDのあまりの良さとアニオリの情報量に打ちのめされてしまい、気が付いたら翌日の夕方でした。時間ってふしぎですね。

さて2話ですが、なんか8割くらい知らない話でワクワクしてしまいましたね。原作の要素を確実に使いつつオリジナルの物語が展開されるので、原作を知るファンとしての嬉しさもありつつ新鮮味もあってとても楽しいです。

 

今回も追記から箇条書きで感想です。

 

 

アバン

・人類会議からの放送。シーン自体は原作にあるものですが、各地のモブヨルハが映るのはゲームにない表現なので新鮮ですね。オアシスなんかは普通にストーリーやってても出てこないだろうロケーションなので、ファンサービス的な感じなのかも。

 

・新鮮と言えば大写しになるモブヨルハ男子ですよ。これは貴重! 本邦初! モブでも女性モデルはそこそこまともな出番がありますが、男性モデルは大きく映るということがないのでこれは嬉しい。デザイン的にはちょっと三号を思わせる黒短髪ですね。

 いかにも2Bと9Sのような二人組+原作にないロケーションでちょっと気になっちゃいます。ふたりのような関係のヨルハって他にもいるのかなー。いないとは言ってないですからね。

 

・「栄光あれ」の復唱が元気ない9S。ひとりぼっち。これ原作の時系列じゃないのだろうか?

 原作の該当シーンのムービーのタイミングは1話ラストのシーンと2話後半の「2Bさーん、聞こえますかー?」の間なのですが、アニメだと1話より前の出来事と解釈するのが自然そうです。放送、いつも同じような内容で繰り返しやってるんだろうな。

 9Sって別に人類や司令官に文句があって悪いことしてるわけじゃないし、むしろ人類への忠誠心は見た目より高く、何があっても捨て難いもの(そうプログラムされている)として描かれているので、このテンションは人類への疑問とかそういうニュアンスではないんだと思うんですが、なんでこんなに元気ないんだろう。ひとりは寂しいってことかなあ。

 

 

Aパート

・絵本「たましいのひ」。アニメの絵本、人形劇のmogeさん制作ということで、ただのイラストじゃなくて実写でいいのかな? 火山なんかは素材感がわかりやすいですね。凝ってる〜。

 こちらの絵本は短編小説「プロメテウスの火」と関連しているのですが、最後にそのものズバリな映像が。プロメテウスの火アニメ化はちょっと想像してなくてなんか笑ってしまった。ありがとうございます。

 

・文章と演出は原作ママですが(映像は見比べると細かな部分が明らかに違って楽しい)、読み手が9S役の花江さんではなく、「塔」システムサービス役の遠藤さんになっていますね。なんで〜!? マジでなんで?

 実際「絵本」の読み手がなぜ9S(の声優)なのか、絵本がどういった意味を持つものなのかってよくわからないんですよね(雑誌インタビューとかで出てたら知らん)。Bルートの演出からは何かが読み解けそうな気もしますが。九号説好きなんですよね。

 絵本の内容自体は本編に照らし合わせて理解できますが、絵本そのものがなんなのかって謎なわけで、つまり読み手が変わった意味も……わからん! 機械生命体の話をするという点で言えば、よりふさわしい存在に替わったと言えるかもしれませんが。

 

・知らん話始まった! 何!?

 諸々DLCと「命にふさわしい」MVを彷彿とさせる要素が盛りだくさんなのですが、DLCプラトン1728のいきさつとは明らかに異なったストーリーですね。「小サナ花」の要素も混ぜているのかな。というかアニメだとプラトン1728とは言ってないし、単に別個体の可能性もあるかも。原作のプラトン1728ってあんな傷ないですしね。まあなんとでも言えるか。

 

「その姿を見ました。その形を見ました。けれど、魂は見えませんでした。見ることの終わりがないことに、機械は戸惑いを覚えました。しかし、同時に知ることの喜びが、機械を満たしていきました。」

 知らん絵本! 内容的には見たまんまですね。

 

・ニイチャンニイチャン言ってる機械生命体は、工場のあの機械生命体なのかそうでもないのか。いくら油を差しても生き返らないように、枯れた花も蘇らない。けれど新しい花を育てることはできる……ってコト!?

 コミカルでかわいらしく、あたたかみのある機械生命体たちと花のダイジェストシーン。ここで明るくいい感じの雰囲気を出せば出すほどおつらい展開が残酷さを増すというわけですね。無情。シーンが切り替わった瞬間、レジスタンスに花が踏まれてしまうのが示唆的です。

 

・急な前野智昭、びっくりしすぎて声似てる別の人かと思っちゃった。OPとか見る感じ今後も出てきそうかな? レジスタンス勢では河瀬さんも好きな声優さんなので嬉しいサプライズでした。

 

レジスタンスリーダーのリリィさん。初手から舌打ちでニコニコしてしまいました。「チッ」じゃないガチ舌打ちが二次元コンテンツにあると嬉しいので……。

 リーダーらしい落ち着いた態度ですが、男性型と並ぶと少女型らしい小柄さが際立ちますね。想像より荒んだ感じでもなかったかもな印象なのですが、1.3a/コミカライズの経緯で生き残っているとしたらデイジーはどうしちゃったんだろうな、がやっぱり気になる。

 

・機械生命体が花を育てるが、大規模作戦に巻き込まれ……の大まかな展開は「小サナ花」からでしょうか。

 

 

Bパート

・原作のロード画面よ! こういうの出していきたい気持ち、すごく嬉しいですね。そういえば土足ベッドも原作ママだ(?)。起動セットアップはまさにゲームでしかできない表現なのでほぼカットもやむなしですが(話にも全然関係ないですし)、原作では9Sをいじり倒せて面白いしかわいいのでアニメ派にも原作を遊んで……ほしい〜!

 でも「2Bさーん、聞こえますかー」とか「9Sの声って〜」、恥ずかしがる9Sあたりはしっかり拾ってくれていてよかったです。アニメっぽいコミカルな動きの9S、面白かわいい。「あーれー……?」、かわいすぎるな。

 「9Sの声って……何か安心する」は原作だと声の入っていない台詞なのでこれまた嬉しい。石川さんもそのへん言及してくれていて、オタクは嬉しいことばかりです。

 

・2Bと9Sを想う司令官の感情よ。台詞、原作よりだいぶ増えていますね。でも「砂漠地帯を……」で何か言い淀んでいるのはなんでだろう? 思い当たる節が原作メインストーリーにはない感じがしますね。

 アニオリ展開か、もしかして「記憶ノ檻」「記憶ノ棘」が絡むんでしょうか? あれは二人の関係性を語るのに超重要なパーツなので、アニメでなんか拾ってくれるんだったらすごく嬉しいな。記憶ノ棘のラストの二人とか演技が聞きたすぎるし、過去の記憶がフラバする部分なんかは映像の表現と相性が良さそうなので見たすぎる〜。

 

・司令室前で話してるところ、9Sの動きが子供っぽくてかわいいですね。待機モーションの地面蹴っ飛ばすやつとかどこかで入らないかな。

 

・デボポポ。「チンタラやってんじゃねえぞ、双子が!」、明らかに「双子」が罵倒語として共有されている前提の言い回しだ。いい表現ですね。もはや双子モデルであることそのものが差別の対象なのだということがわかります。

 

・絵本「たいせつなもの」。「タカラモノの形は、みんな違いました」。原作ではタイミング的にボーヴォワールへの言及になっていると思われますが、本文のとおり機械生命体さえ超えたすべてに当てはまる話なので違和感はないですね。

 

・一生懸命「弟」たちと育てた花だろうがなんだろうが、それを他の誰も知らないし、おそらくは知っていたところで配慮する理由もない。悲しい話です。

 こんな何の変哲もなさそうな機械生命体にもその人だけの物語がある、愛し、喜び悲しむ心がある。そういうことを序盤でしっかり提示してくるのはやっぱり、周回でそれを表現する原作ゲームとは別物である上で方針が明確な感じがあっていいですね。

 

・リリィの表情、焦りや怒りと言うよりは恐怖の成分が強めに見えますね。怖がりで自信のない女の子だったリリィのおもかげ。

 

・絶望的な状況を一瞬で打開し、すべてを破壊するヨルハの武力、また無情ですよね……。ただ花を愛でていただけだったのに。瀕死のプラトンが手を伸ばした花は、彼らが育てていた品種ではなく月の涙っぽいですね。何か意味があるんでしょうか? 単に咲いている場所の問題?

 

・人類会議は救援なんて寄越さない。それをリリィは身に染みて体験しているし、おそらくその後も体験し続けています。自分たちでなんとかするしかない。そのはずだったのに。

 二号のお化け!(の概念あるんでしょうか?)は置いといても、突然現れた友軍に複雑な気持ちになる、はねつけようとする気持ちはわかる気がします。こんな突然何かがおかしいと考えるのももっともなことではあるんですよね。それはそう。

 

・治療ってそんなマジカルな感じなの!? 知らんかったすぎる。ちょっと自動回復のエフェクトっぽいですね。状況が状況とはいえ「おい」の一言で二人に命令するリリィと黙って従うデボポポ、アネモネとは違う感じがしますね。

 

・「私たちの要請に人類会議が応えてくれたんだ!」で2Bに目配せして確認する9Sと首を振る2Bの描写、こういうの好きなやつ。

 

・絵本「おやごろし」。原作ではアダムの話を聞いた後で流れるので、だいぶ先取りしたなという感じ。

 

・本を読み、「コノママジャダメ」とつぶやく機械生命体たち。前半部にも機械生命体が本を読む描写がありましたし、アダム(とイヴ)の誕生の経緯としてそれらしいものが置かれているのっていいな。なぜアダムが書物や知識を好むのかのアンサーというか。

 

・今週のサブタイトルはSエンド。デボポポに関連する内容なので、合ってると言えば合ってる?

 

 

ED

・amazarashiさんありがとうございますの気持ちしかない。「感情は持たないでください」は「心さえなかったなら」だし、「意味を捨て意志を取れ」、amazarashi流の「無意味でも願う」なんだろうな。

 

・Bメロの描写、あまりにも強くて本当にボロボロ泣いてしまった。これ見て泣かん二人のオタクおるんか?(主語デカ) 小一時間ED見ながら呆然としてしまいました。公式さんすぐノンテロップ上げてくれてありがとうございます。

 黄金色の小麦畑に佇む9Sの、その笑顔のあまりに眩しくて美しいこと、これが2Bちゃんの見ている9Sなんですね……。今まで何度も、直近のファンフェスでも、2Bにとって9Sがどれだけ大切な光であるかは描かれてきたし、それを呑み込んできたつもりだけど、「2Bから見た9S」が映像で描写されることの強さ、説得力ってすごすぎる。

 そらこんなふうに見えてるなら仕方ないわ、光の鳥飛んじゃうんだもんな……になっちゃった。9Sって単なる被害者と言い切れるような子ではなかなかなくて、こんなのがいるから2Bちゃん苦しんでんだろうが! やめとけこんな男! と思うときも多々あるんですけど、こんなふうに見えてるなら今度こそもう何も言うまい。説得されてしまいました。

 

・9Sに手が届かない、掴むことができないの、悲しい〜……。フェアウェル見て回復したい。

 

・「機械仕掛けの涙/それに震えるこの心は誰のもの」、好きすぎる。そういうふうに生み出されたからそうなのか、そうではないと思いたいということ、そういう話が好きだし、すごくこの作品のコアを掴んでいますよね。

 

 

Cパート

・EDでズベズベになってからのノンストップ人形劇に情緒が追いつかなかった。

 

・あいちけんのヨコオタロウくん、原作者がする質問じゃなくて笑った。基本的〜。地味に9Sにタメ口使われててウケますね。子供の設定なのか?

 

・前回に引き続き流れるように自殺する2Bちゃん(Tエンド)、アジに期待がかかります。しかしこういう感じで組み込めるEDってこの手のやつだけな気がしてきたんですけど、このコーナー今後どうなっていくんでしょうか?

 

 

また5,000字書いてしまった。今後が本当に心配です。