ひっつきむし(独断と偏見による)

いろいろ好きでゴメンナサイ

映画「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」の感想

 やってきました冬映画。今年はビルド・エグゼイドに加え、オーズ・フォーゼ・鎧武・ゴーストが本人出演のもと復活です。公開からまだ間がないですが、本当に評判がいいですね。そして実際観てもめちゃくちゃ良かった。

オーズ組の舞台挨拶も観られましたし、オーズが好きでよかったです。終わってからハマったので、まさか今年になってオーズが復活して、オーズのキャストとしての二人を生で見られるなんてこの上ない幸せでした。ありがとうオーズ。

ストーリーも面白く、各キャラ・ライダーにバランスよくガッツリ見せ場があり、理由なき大量の爆発、バイクアクション、レジェンド作品のアレンジBGM、各種先行登場などなど盛りだくさんで楽しかったです。映像面でも面白いところがたくさんあって見ているだけでも楽しい。異常にCG大盛りだったように感じたんですが、いつもの春映画がどうもなさそう?なのでその分予算が振られてたりする…のか? ビルド的には今週放送の14話と来週の15話の間のストーリーなので今週観に行くのがベストマッチです。

その辺で言うと、時系列面での摺り合わせが丁寧にされていたのも印象的でした。新ライダーも含めてかなり明確にこのタイミング(もしくはここ以降)、という設定があるんですよね。正直レジェンド勢はご都合的に出されるかなと思っていたところがあったんですが、実際にはしっかりと各作品の時系列や設定を拾ってくれていたのがとても嬉しかった。良くも悪くも二次創作的な雰囲気のある映画なのですが、それだけこだわりと愛情をもって丁寧に作ってくれたんだなと感じました。こういう丁寧さを視聴者は求めてたんだよ…。

 

以下はネタバレありです。

 

 

あとで書こうと思ったら挟むタイミングが迷子になったのでまず最上について。カイザー、絶対にバイカイザーよりカイザーリバースの方がかっこいいですよね。かっこいい順でカイザーリバース>カイザー>越えられない壁>バイカイザーだと思います。アシメは正義。

最上はオーケンの味付けが面白かったですね。特に白最上がテンション高すぎて。あいつあの内装どういう趣味してんの? あとひとつ気になったのは、両方のパラレルワールドに最上が存在するということは、他のキャラもそれぞれの世界に存在することなのかという点です。いたところでその設定活かせるかとは思うんですが純粋に気になる…。

 

全体の「仮面ライダー(ヒーロー)はなぜ戦うのか」というテーマはとても好きなポイントです。もちろんメタ的に言ってヒーローは悪と戦うものと決まっていますし、そうせざるを得ない理由も設定されていたりするものですが、それぞれのライダーがいち個人である以上、壮大なようでいて実際にはとても小さな規模の問いかけなんですよね。

どうして誰にも感謝されなくても、命を張ってでも戦うのか。それぞれの(戦兎を含めた)先輩ライダーに違う理由や過去や信念がある。だから万丈の戦う理由も違っていいし、自分の命を懸けるんだから万丈自身が納得できることが大切なんです。万丈は最初「なぜ命をかけて戦うのか」と「なぜ他人を助けるのか」を同一のもののように考えていたと思うのですが、これはオーバーラップする部分はあってもまた別の問題なんですよね。別に戦うのは100%他人のためじゃなくたっていい。

特に万丈とよく絡んだ永夢や映司は性格上そもそも人助けを自然と感じ、人助けをしたいという欲求が強くあるタイプで、人のために戦うことに引っかかりがありませんでした。悩める万丈に対してわざわざ正反対の人たちをぶつけてくるのが面白いところですね。というか二人とも常人に比べるとちょっとおかしいところがあるので何に対してもあまり参考にならないと思う。

この際キャストが忙しいとかは置いておいて、たとえば今回のレジェンドでも紘汰であればもっと万丈に寄り添うかたちでアドバイスできたのでしょう。紘汰なら戦うことに心折れたり、戦いながらその意義を見つけたりしてきましたから。が、それだと万丈が自分で答えを見つけることにはならない。答えそのものよりも、よくよく考えて自分の納得いく答えを出すことこそが大切なのだというところに万丈は辿り着かなければいけなかったのかなと思います。

で、万丈は彼らのような人間に対してあまり共感できませんし、なぜ戦うのかと悩みます。これまでの万丈が戦ってきた理由というのは自分の冤罪を晴らすためで、他人のためではありませんでした。ライダーになったのもそれこそ「どさくさ」だったわけで、「仮面ライダー(ヒーロー)」として誰かのために戦いたいわけではなかったんですね。

今回そういう人たちと触れ合った結果、万丈が出した答えは「自分のため、自分を信じてくれる人のため」。今のところは手と目の届く身近な世界を守る理由ですね。とは言えやることが「敵を倒す」から「他人を助ける」になったのですから、とても大きな変化です。そしてこの先、間違いなくその対象は広がっていく。ビルドは剣やW、ドライブのような広く知られる民衆のヒーローとしての性格がありそうですし。来年の冬映画で万丈が次のライダーにその辺語ってくれたりしたらアツいなあ。

というか「人を助けたい」というのも、元を辿れば基本的には自分が嬉しいからですよね。人を助けること、喜んでもらうこと、達成感、それで満たされるからまた人助けがしたいと思う。自分のためと他人のためは違うようでいて繋がっている。万丈も今回をきっかけとして人助けの味を知っていくんでしょうね。たとえば永夢だって事故がなければ医者になっていたかはわからないわけで、経験次第とも言えますから。

あと万丈、今回後輩オーラが出すぎててめちゃくちゃ好きになったよね。映司くんと永夢くんに引率されてるときの子供感がすごかった。「なんで命張れるのか…わかんなくてぇ…」みたいな喋り方がヤバい。小学生か。急に今までと違うベクトルで愛おしく感じましたね。それだけ真剣に悩んでたってことではあるんでしょうけど、それにしてもなんだその喋り方は。しばらく引きずりそうです。あとちょっと友情のシルシをやりたがるもスルーされて手がフワフワしてしまう万丈が好き。

 

今回、主人公的な要素は万丈に振られていたので、戦兎はわりと淡々と事件の対処にあたる役回り(有能)。戦兎くんは(事態が自分自身に絡まなければ)安定していて面倒見のよいお兄さんなので、パラドとのコンビ行動もサラッとこなしていた印象です。アクション関係は良かったなあ。フェニックスロボかっこよすぎるし、やはり最終戦が。

「ラブ・アンド・ピース」については、以前も本編で語っていた通り、彼は人を助けるのが嬉しいんですよね。そしてそんな「人助けのビルド」であることがアイデンティティだから。ただそれだけかなと。他になにも持っていないから。あとは照れ隠しというか戦兎くん流のカッコつけなのかな。戦兎くんの軽口や皮肉って空っぽの自分を守るためのハッタリみたいなところがあると思うんですが、この言葉に空虚さがあるとすればそこかもしれない。

ましてや14話の直後となれば、戦兎のアイデンティティはわりとズタボロなわけです。桐生戦兎の名を、家族を、ビルドを、戦う目的を与えたマスターに裏切られてつらい感じ。今信じられるものは自分の想いと正義だけの戦兎くんです。「帰る場所があるって最高だな」なんて言っちゃう姿が痛々しい。あるよ! 戦兎くんにも帰る場所あるよ! 美空ちゃんが待ってるよ!

もう桐生戦兎=葛城巧は99%言っちゃってるようなもので、そこに気付かないのはもはやおかしい域に入ってきたのですが、わざと目を逸してるようにも思えます。自分が葛城巧であれば、まだ折れずに残っているものまでも失うことになるから。たった一つ自分のものだったはずの心さえ本当は真逆のものだったら絶望ものですね。

 

永夢くんは先輩ライダーとしての風格みたいなのが出てましたね。身内だけでも無秩序な野郎共に揉まれてどんどん老成していった永夢くんですが、忠犬パラドと悩める万丈に挟まれてすごくお兄さんだった。最初はあんなにふわふわではわわ~><って感じだったのになあ。今や後輩を導けるようにまでなりました。戦兎くんからはめちゃくちゃタメ口キミ呼ばわりなのもあってわりと対等な感じですね。というか戦兎とそこまで絡んでないか。「ビルドを信じよう」的なシーンの間のとり方がとても好きです。

パラドは2年も主(?)のためにビルドを探して彷徨うとか忠犬パラ公すぎるわ…。甲斐くんにサラッと「パラドは永夢LOVEなので」とか言われてて笑う。永夢くんと通話できたり再会したりグータッチしたり、永夢くんと絡むたびにニコニコしてしまうパラドくんがかわいかったです。「おかえり、パラド」のところのよかったね感が尋常ではない。なんていうかパラドが幸せそうだとこっちも幸福感がありますよね。おばちゃんね〜パラドくんが嬉しそうだと嬉しいわ〜お小遣いあげようね〜。二人乗りのシーンでムスッとしながら聞かれたことには答えるパラドくん(よいこ)と、なぜか寝相がすこぶるいいパラドくん(よいこ)がツボ。

他のエグゼイド勢はそこまで出てこなかったにも関わらずやりたい放題目立っていく自称神には参りますね…。御成にいいようにされてるのは面白かった。やはり自尊心がお強いので動かそうと思えばおだてるのが一番なんですよね。でも身内はみんな辛辣だからね。チョロい神だな。サブライダー勢はストーリーにはあまり絡まないながらも変身後・変身前ともに充実したアクションの見せ場があって満足度高し。レーザーの後ろ向き変身とか好きです。変身できなくても戦う、というのはヒーローとしてのひとつの境地ですよね。

 

タケルと御成は何度かエグゼイド勢と共演していただけあって合流が非常にスムーズ。アフロは気にするな。いや、スペクター見ていないのでとても気になりましたが。メタ的な都合は普通にわかるんですけどゴーストはそこまで追いかけていなくて…。そこはさておき、タケル殿は外見中身ともに大人っぽくなりましたね。身体がデカくなってて衣装がヤバかったらしいのは微笑ましい(?)。出てきたときと川で戦う時の飛沫がレンズにかかる画が特にかっこよかった。

ラストの大天空寺でのやり取りはとても好きです。今作、光と影とか境界線を意識した画がわりとあったと思うんですが(マスターを追って通りに出た戦兎のカットが印象的)、あの門の敷居を挟んでの戻ってくるこない云々もそういうことでいいのかな。ちゃんと中に戻ってこられてよかったね御成。


紘汰さんはなんか出番少なくない? 忙しかったんですかね。紘汰さん星から来るのに時間かかっちゃったのかな(棒)。生身でロケしてるのマジで一箇所だけだったので、本当に忙しかったんでしょうね。ありがとう佐野岳。しかしあの大ジャンプが自前(トランポリン)なのは驚いた。さすがですね。高岩さんにもめっちゃ褒められてるし。さりげに平行世界勝手に移動してるっぽかったりエニグマの場所とか知ってるのも素で「紘汰さんは神だからな…」と思ってしまう。あとカチドキ大好きなのでカチドキが出てくれてよかったです。

今回は鎧武勢が絡まないストーリーというのもあって、逆に紘汰さん自身のあり方みたいなものが強く示された気がします。やっぱり紘汰さんのスタンスっていうのは「誰も見捨てない」なんですね。それは知ってるやつでも知らないやつでも同じこと。たとえ知り合いが誰もいなくても、いなくなっても紘汰は「みんな」を守る。「守りたいという祈り、見捨てないという誓い、それが俺の全てだ」を貫いていると言えます。格好いいながらも寂しい決意ですね。でも紘汰さんはそれを選んだんだよなあと改めて。

 

フォーゼ勢はレジェンドでは今回最多参戦ですね。三人も出てくれて感無量。それにユウキと賢吾の名前を出してくれたのも思いがけず本当に嬉しかった。アルティメイタムの前にあたる話ですし、そうでなくても当たり前のようですが、二人の人生は続いているんですよね。なんだか終わったような気がしちゃってた。

しかしアルティメイタムで描かれたリアル5年後に弦ちゃんたちが復活するエモさは半端ではないですね。できればアルティメイタム後のエピソードが見たかったですが、フォーゼドライバーが失われているので仕方ないという。むしろそこまでして辻褄を合わせようとしてくれたことの好感度がめちゃくちゃ高いですよね。そういう都合もあってか、あまり変化というか意外性みたいなものはありませんでしたが、弦ちゃんは変わらないなと思わせてくれたのが何よりも嬉しいことでした。この現実に生きる者としてフォーゼがめちゃくちゃにエモい。そういえばなんでフォーゼだけ中間フォーム出てこなかったんだろう。

 

オーズはもう…オーズ部分の監修渡部秀をクレジットすべきなのでは? あの回想がセレクトバイ渡部秀なの面白すぎませんか。なんでシリアスなシーンなのにアンクの頭しばいてるところ入れたかな(好きだったかららしいですが)。本当に情熱を持って取り組んでくれたそうで。役者側からのリクエストが一番多かっただの脚本変えただのアンクの出演をオファーしただの、とにかくファンが喜んでくれるものを作ろうとしてくれたみたいでファン冥利に尽きます。というか一番のファンが渡部くんだよね。つよい。

オーズがとても好きなので、映司くんの登場シーンで早くも少し泣きました。落ちかけている人を手を伸ばして助けるって、火野映司の復活としてこれ以上のものがあるか、いやない(反語)。ああ本当に映司くんが帰ってきてくれたんだなあと思える登場でした。からのグリード復活で、メズールさんをガメルが担いでるのが芸コマ。メズガメはかわいい。最初はアンクの声が違うのもそうですね。タジャドルが出てくれたら思い残すことはないと思っていたのですが、バッチリ出てくれて本当にありがたかったです。片足垂直プロミネンスドロップかっこよすぎんよー。

ところで映司くんはオリジナルのメダルを所持しているはずですし、変身しようと思えばできたのでは?とは思うのですが、まあその辺は偽アンク相手に戦えなかったってことなのかな。アンクが復活できたのは偽アンクのボディとコア(の中でも核となる一枚)があったから?

しかし偽のアンクに追い詰められる映司くんの図は見ていてつらかったですね。飛び降りるシーンもそうですが、たとえ偽物でも、という感情には胸が苦しくなります。というか落ちるアンクを映司くんが助ける図、オタクが考えたオーズ続編すぎるでしょ。好き。ツイッターとか見てたらあの塔って映司とアンクを突き落とすためだけに高いんだなとか言われててめちゃくちゃ笑った。あの時、落ちるところを助けられたのは映司くんだった。落ちる映司くんはアンクの腕を掴めなかった。それがこれですよ。オタクの妄想か?(最高)

アンク復活後のやりとりも、なんかもうすごいですよね。二人の感情がすごい。映司くんの言ってることを聞いて、アンクがハァ?ってなるんだけどすぐ察するみたいなところとか。ここパラド・永夢とかぶせてるんですかね。映司くんがアンクを復活させるために歩いてきた数年はアンクにとっては一瞬の夢のようなもの。でも映司くんの言葉を聞いて様子を見て、アンクはその時間の存在や映司くんの想いを察する。それってどんな気持ちなんでしょうね。言葉にならない。

映司くんもアンクに対して全体的に感極まりがちで、こっちもたまらなくなりました。会いたかったよね。そのために何年も歩き続けてきたんですから。万丈たちといたときはオーズ先輩って感じだったのが、アンクと一緒だとただの映司くんになっていて好きです。

今回のアンクはグリードの身体なわけですし、(設定に忠実であるならば)そのことにはすぐ気づいたと思うんですよね。味覚に限らずグリードの感覚は鈍いわけですから。その上で「ちゃんと今日の分のアイスよこせ」と言ったとしたらもうヤバいよね。語彙力が失われる。映司くんだってそれをわからないはずがないけどちゃんとアイスを用意するし、アンクはそれを舐めるだけで食べない。切ないです。あとここに限らず表情芝居がやばい。

いつかの明日は今日ではなかった。だけどきっと来る。前に進んでいれば必ず辿り着く。アンクはそこで待っている。そのことを今回おそらくアンクも映司くんの言葉から理解したんですよね。そうでなくてもまた復活することを予感、あるいは期待したでしょう。あの笑顔はそのしるしだと思う派です。待ってるよっていう。永遠の別れと思って言葉を遺したあの時とは違って、再会の短さと別れは切ないけど未来への希望がある。

また映司くんにとってはきっと長い、アンクにとっては一瞬の時間が始まりますが、次こそはそれがいつかの明日に終わってくれるといいな。しかしその瞬間が永遠に形にはならないでほしい面倒なファン心理です。だが続編はほしい。新しい作品また作ってくれますように。いやマジ新コンボとか作っといて何もなしとかなしですよマジで。