ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「ファイアーエムブレム風花雪月」プレイ日記⑰(金鹿⑥)

 f:id:hinoyui:20210307205632j:plain

急になんか言い出して笑ったけど途中に挟むタイミングを失ったリンハルト。

金鹿6本目にしてクリアしました。やったね。ここまでで160時間ほどプレイしているのですが、このうえ教会ルートにDLCまであるのかと思うと改めてすごいボリュームです。最後までがんばりたい。

 花冠の節①(EP19)

f:id:hinoyui:20210307204808j:plain

いよいよ帝都アンヴァルへ出撃する流れに。金鹿のみんなでこれまでを振り返るシーン、よかったですね。こういう最終戦の直前っぽい雰囲気って好き。思えばマリアンヌも一部ではこういうとき全然うまく喋れていなかったわけで、遠くへ来たものです。

みんなが鳥だとしたら先生は樹木というのは納得感があるというか、やはり先生というポジションはそうあるべきなのかなと思うのですが、クロードが導き手としてではなく背中を押す存在として語られるのが面白かったです。クロードのキャラクターからしてそれが意外だという意味ではなくて、彼のリーダーとしての素質はそういうところにあるのだなと改めて感じました。

クロードにも自身の目的や夢があって、そのためにみんなを動かしている。でも、そのやり方として、あるいは集団のリーダーとしては、先頭に立って引っ張るというよりも後ろに立って助けてあげる人なのですよね。

このあたり三級長はよく棲み分けられている気がします。エーデルガルトが先に立ってみんなを引っ張る人ならディミトリはみんなに支えてもらって立つ人だし、クロードはみんなの背中を押してあげる人、みたいな。楽しいですね。

 

f:id:hinoyui:20210307204907j:plain

月末、アンヴァルへ。エーデルガルトも市民を逃がさず犠牲にする戦法を取るんですね。レア様と一緒だ。燃やしてはいないけれども。また他ルートにおけるクロードでは市民を避難させている描写がありますし、このあたり楽しいところですね。有利を取るためにあえて犠牲を出すということをするか、不利になってでもそれを避けるか。

 

f:id:hinoyui:20210307204929j:plain

この周回、言うても全然こういうことをしていなかったなあ。ヒューベルトとフェルディナントって、デフォルトの状態ではお互いに対して感情があるわけでもないのであっさりと言えばあっさりですかね。もちろんこうなっていなければ……ということを思いもするのでしょうけど。あくまでエーデルガルトを挟んだ関係(からのスタート)だったなあと。

 

f:id:hinoyui:20210307205020j:plain

なんか情報をくれるドゥドゥー。このまま出番なしで死んでたりとか……ありそうだな……。ディミトリの死に様がアレでしたしね。話の運び的にどうこうとか考えるまでもなく、ひとりでエーデルガルトを殺すとかできそうにもないし。

でもなんというか、それを止めることはできないんですよね。必死こいて止める理由もないのでしょうが、「主従揃って変わったやつら」で終わらせるのはあっさりしすぎじゃないかと思わないでもないけれども。

とはいえクロードからしたら理解できない考えなのだろうなとも思います。クロードはとにかく命を犠牲にするやり方を好まないですし、死んで目的を叶えても仕方ないと感じる方の人なんじゃないですかね。どう考えても無謀なこともやらないだろうし。そのへん、個人的な価値観としてはクロードが一番寄り添いやすいですね。

 

f:id:hinoyui:20210307205050j:plain

「フォドラはどうなる?」でなく「フォドラをどうする?」で好感度が上がるのがよい。クロードは好感度上昇がいちいちグッとくるので好きです。「どうなる?」というのは無責任な発言であり、「どうする?」はクロード自身語るように戦勝国の人間として持つべき責任を見据えての発言なのですよね。

戦争に勝ってフォドラを手に入れたならば、その主として責任を持たなければならない。そこをしっかりと意識し、戦争の後のフォドラをどうしていくかを考えているのはクロードの好きなところですね。

 

花冠の節②(EP20)

f:id:hinoyui:20210307205127j:plain

クロードくんのこういうところが好き部。学友だから殺したくない、敵だから殺さなければならない。どちらも間違っていないので難しいですが、どちらも否定しない割り切りのよさ(と言うと矛盾めいていますが)はとても好きです。頑なにならないのは彼のいいところですね。

 

f:id:hinoyui:20210307205155j:plain

ドゥドゥー生きてた! わーい。特攻しようとして介護しないと即死みたいなやつかと思ったらめちゃくちゃ強くて笑ってしまった。キーン(NO DAMAGE)とちゃうんよ。それくらい強くないとおかしいと言えばおかしいのですが、ゲーム的にはこんなイージーでよかったんですかね?

私としては死んでもいいとか抜かしてたけど守ってやったぜドヤみたいな展開を期待していたのですが、なんか普通にほっといても死ななさそうでダメでした。とはいえドゥドゥーも放っておくと何するかわからん方の人なので死ななくて本当によかったです。死ぬ必要ないからね。

 

f:id:hinoyui:20210307205216j:plain

エーデルガルトとクロードの掛け合いがよかったですね。やはりエーデルガルトとしてもクロードには近いものを感じるし、それでもわかりあえないものがあると思うから敵になるのですよね。ふたりの見てきたものの違い、考え方や方法論の違い。

「俺たちはお前を殺したいわけじゃない」「私は殺したいわ」のやりとりが好きでした。俺たち⇔私であり、殺したいわけじゃない⇔殺したいであり。ふたりの違いを端的に表わしている台詞ですよね。目指すものに重なる部分があるとしてもこりゃわかりあえんわという感じで好きです。

ここディミトリとクロードのニュアンスの違いなんですよね。エーデルガルトに抱いている感情の差はもちろん前提としてあるんですけど、クロードはそのあたり関係なく殺す必要がないのなら殺したくないし、殺す必要があれば殺さざるを得ないと考えていると思う。「殺したいわけじゃない」んですよ。

感情と言えばべつにエーデルガルトもクロードを個人の関係上でと言うか、クロードという人物、あるいは同盟の人々を殺したいと思う理由はない(それはディミトリに対しても)はずなので、やはりこのあたりは感情とか人間関係ではなく、ただやり方の話なんですよね。そしてだからこそ譲れない、許せないものもある。

 

f:id:hinoyui:20210307205242j:plain

ヒューベルトくんの手紙、めちゃくちゃ理性と感情籠もったお手紙で素晴らしかったです。いいな、ヒューベルトくん。下手すりゃ帝国ルートより感情込めてくるのズルいですよね。ヒューベルトのエーデルガルトへの想いってやっぱりすごく好きです。

当然と言えば当然ですが、クロードが闇に蠢く者と戦わなければならないのはヒューベルトやエーデルガルトのためだけではない(もちろん彼らのことを軽んじているわけではないし、重く受け止めているけれども)のがお話的にちゃんとしているなと思います。そこはお義理でラストバトルになられても困りますしね。

 

f:id:hinoyui:20210307205315j:plain

マジもマジなクロード、よかったですね。普段態度をコントロールしている人間の「マジ」は健康にいい。このあたりに語られることは、エーデルガルトから聞いた話よりも事実に近そうかなあ。あまり作劇的に事実そのものは(ルートによっては)重要視されていないような気もしますが、そのあたりは気になってしまうのがプレイヤーですよね。

クロードの見たい景色の具体的な像をやっと教えてもらえましたが、それが大それたものでも特別なものでもなんでもないのはグッとくるところでした。なんというか、クロードがそういう人であることが好きだなあ。近くの些細なものを大切に思えばこそ、遠く大きなものを求めざるを得ないのは皮肉ですが。

 

青海の節(EP21)

f:id:hinoyui:20210307205343j:plain

地下に潜ったらこれってアサシンクリードかなんか? このゲームもこういう感じのやつだったか。いや、むしろこういうの大好きなんですけどね。まああるあるですが、急にサイバーな感じになるやつ好き。

結局タレスさんはあんまりよくわからない人だったな。レア様はさすがに死んだと思ったら生きててびっくりしました。この生命力がすごい2019。

 

翠雨の節(EP22)

f:id:hinoyui:20210307205416j:plain

レア様、普段の格好よりこれくらいシンプルなほうが好きかもしれない。どうでもいいですが。やっぱり英雄の遺産ってアレなんですね。怖い怖い。テュルソスの杖とかそのまんますぎますもんね。ここまでプレイしてきて真相にも驚きと言うほどの驚きはありませんが、ようやく気になっていたところが明らかになってスッキリかな。

 

f:id:hinoyui:20210307205448j:plain

ネメシスwith十傑をボコっていよいよフォドラの夜明けですね。やったねクロードくん! 先生とネメシスの一騎打ちなんて誰も言ってないもんねとばかりにそこそこ卑怯な勝ち方していてよかったです。それでこそ。

当初クロードが思い描いていた未来には当然こんな戦いはなかったでしょうが、帝国に勝ってフォドラを統べるだけでなく、フォドラの血塗られた歴史をも精算して超爽やかなエンディングという感じですかね。

こういうことをやらせるにはやっぱりエーデルガルトよりディミトリよりクロードだよなと納得感があるストーリー、級長のキャラ付けでよかったです。

別に帝国を倒したところで終わっていてもよかったと言えばよかったのだけど、三国の勢力争いに勝つだけでなく、フォドラに生きる人々を縛るものであるセイロス教や紋章について明らかにし精算することで、より本当の意味で既存の世界をひっくり返して新しい世界を作る、その始まりを果たせたのではないでしょうか。

ナレーション、お話自体は終わりの見えない道を歩き始めました、というところで終わっていて、そこはダグザやパルミラまで統一できました、より好みだったかな。この五年半、大変な戦いをしてきたけれども、クロードの見たい景色まで辿り着くにはもしかしたらあるいはもっと長く、あるいはもっと大変な思いをしなければならないかもしれない。不可能かもしれない。それでも歩み続ける、それくらいの方が好きですね。

 

f:id:hinoyui:20210307205529j:plain

はい。リシテアちゃんと結婚しました。あおちゃんいい演技しますよね、めちゃくちゃもらい泣きしてしまいました。ぴえんだよ。指輪渡す前の所信表明的なくだりの最後の「だから……」の泣きそうな感じでもう泣いちゃうやつ。

リシテアが自分の将来を本当の意味で諦めずに、心の底から死にたくない、いや死なないと言えたのがやっぱりよかったですよね。こういうの大好き。いつも生きたいと言え!!! の気持ちなので……。

そういう意味では実際に長生きできるかどうかはそこまで関係ないみたいなのもありはするんですけど、やっぱり後日談読んでホッとしましたね。先生と末永く幸せに暮らしました、エンディングなんてそれでええんや。

 

ペアエンドはリンハルト/マリアンヌとか面白かったですね。爵位の継承を激しく拒絶するリンハルトで草という意味で。後世に激しく拒絶したことが残ってるってどんだけ嫌がって何したんだこいつ。この文章読んだ感じ、意外とエドマンド辺境伯が面白い人っぽくてすごく気になりました。どんな人なんだろう……。

カトリーヌ/シャミアも文章がエモくてよかったです。支援会話がけっこうずっとこの先道を違えたらどうする? まあなってみないとわかんなくない? みたいな感じだったのに(それはそれで好きな話だったのですが)二人で一つとか道を違えることは二度となかったとかドキドキしてしまった。結婚したともしないままとも取れてそこも好きです。

 

ということで金鹿ルート終了ですね。王道とか一番主人公っぽいみたいな評価を聞いていた気がするのですが(ぼんやり)、謎を解き明かしたり世界を変えたり、確かにそんな感じだったかもしれないなと思います。

級長のクロードのキャラクターは、三人の中で一番私個人の価値観には合う人だったかな、という印象。したがって金鹿の学級のストーリーも個人的にこうなってほしいな~みたいなところから外れず、雰囲気も明るい感じで一番素直に楽しめたかも。

クロードの目指すところがそれなりにエーデルガルトと重なっていたりとか、生徒たちの出自がバラバラだったりとか、帝国ルートと比較してみたくなるところが多かったのですが、同じフォドラに革新をもたらすという大枠でも全然違ったストーリーになっていてよかったです。

世界がフォドラだけに終わらないことを見つめるにあたって、他ルートよりもずっと深くフォドラの歴史や真実を掘り返すことになるのは面白かったですね。このあたりはだいたい上の方で書いたことなので繰り返しはしませんが。その謎解きも含めて楽しめました。読後感が爽やかでよかったな。

 

次の教会ルートをプレイするにあたって、以前書いたとおりうっかりセーブデータを消してしまったので、そのへんはがんばって追いつく予定です。が、未プレイ部分に辿り着くまで時間がかかるかもしれませんので、心が折れないように応援してあげてください。教会ルート編につづく。