ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

2015年版「TRUMP」

よく考えたらキャラクター、俳優への感想だけはつらつら書いていて、舞台全体への感想は書き忘れておりました。アホか。というわけで行った日のことなんかも思い出しながら諸々。

やっぱりシリーズへのネタバレ注意です。

 

 

2015年12月4日、初めてサンケイホールブリーゼへ。とりあえず無事に辿り着くこともでき、パンフレットとポスターを買って着席。最端であまり良い席とは言えませんでしたが、ブリーゼ自体見やすいホールなんですね。全然ストレスはなかったです。

 開演時間まではスモークが焚かれ、風の音がエンドレスリピート。ソフィが昔話を語る荒廃したクラン跡の雰囲気なんだなあと思ってたいへんワクワクしておりました。

 老賊は今回、ステージではなく客席からの登場ですが、左端の席だったため入ってきたのがキャストだったことに最初気付かずw そして「亡霊」発言でSPECTERだ!と興奮。ソフィと老賊のダンス、Rでは途中から追加されたそうですが、その理由は秘密なんだとか。謎だ…。

 OPの輪廻夜想は本当に雰囲気がよくて格好よくて。亡霊的な雰囲気や振り付け、そしてワルツ!やっぱりTRUMPと言えばワルツ。大興奮で、かつ呑まれました。

キャラクター紹介の段ではやっぱりアレンとクラウスがお気に入り。Dステ版のキャスパレでも踊る→アレンがクラウスを置いていくという流れでしたが、今回の方が二人の関係っていうのは好きですね。Dステ版のそこからピエトロが出てくるところってクラウスの反応も含めて好きなんですけど。

 

あとは追加・カットシーンなどについてちょこちょこと。 

・グスミケとダリ以外はアンサンブルでも登場しますが、各シーン、ソフィとウルはほとんどいませんでしたね。剣術指南のシーンでソフィが出てくるのと同時にウルもサラッと混ざりますが、壁にもたれて嬉しそうに早乙女ソフィを見上げる高杉ウルが好きです。そうか大好きなソフィが強くて誇らしいかそうかそうか〜!

クラウス役はあまりアンサンブルにはいませんでしたが(人間椅子くらい?)、アレン役はずいぶんおいしかったですね。グスタフに絡まれ倒したり野次入れたり。一番袖がヒラヒラしたのを捜せばいいので助かりました。基本アレン役を見ていた…。

人間椅子はTR関係なく定位置があるみたいですが、Rで陳内くんがえらく手をウネウネしていたのが面白かったです。関係ないけどここDステ版で陳内くんと山田くんが見つめ合う形なのがシュールで好き。

 

 ・ウルと周囲との関係の描写が追加。エリンプもといエリートヴァンプっぷりをひけらかし、取り巻きを連れているのはアンジェリコ様の方ですが、デリコ家の子息とお近づきになりたいヴァンプがいないわけがない。今回で「ダンピールなんかやめといてこっちと仲良くしようよ」的な雰囲気の奴らが出てきて、ウル自身もより浮かび上がったのでは。

早乙女ウルはこういう取り巻き未満に素直にキレるんですが、高杉ウルはその辺ともそれなりに関係を保っている感。早乙女ウルはとにかくソフィが好き、高杉ウルはダンピールであることへの劣等感がすごくてエリートヴァンプとしての体面を保たなければ死んでしまう(けっこう簡単にボロが出るけど)

  

・ティーチャーグスタフ、修行の日々を語る。ヘルクランな感じなのだろうか。その割にガチャピンやプーさんと戦ったようだけれども。

  

・ソフィとウルの関係。改変が見受けられたのは地下書庫まわりでしょうか。

以前ではおそらくティーチャーからウルに伝言を頼まれたであろうソフィが地下書庫にいるウルを見つける、という流れでしたが、NU版ではそれまでにウルがソフィを地下書庫に誘うという流れが敷かれ、ソフィはミケランジェロに頼まれてウルを迎えに行く。ミケランジェロの台詞も「あなたたちいつも一緒にいるじゃない」というもの。ちょうお友達。和む。ソフィが「友達じゃない」と何度も言うのも、すべてがお友達感をアップさせている…好きだ…。

 二人のことで言えば当日の感想にもいろいろ書いたんですが、最後の取っ組み合いがTとRで違うのがいいですね。それぞれのソフィとウルの性格、関係性、そういったものがあふれていて。台詞のない、けっこう長いシーンなんですけど、台詞なんてなくても伝わるものがあまりに多い。

 

 ・人間椅子、まさかの振り付け。そしてあの衣装。演出自体は短くなっていましたが、もうあの衣装…なんなのマジで。おののいたわ。そしてキラッキラの笑顔の武田航平。ひどい。

雷でハケた椅子たちが連れ戻されるっていうのはないんだなあと思って観ていたんですが、東京Mでまさかの武田くんがやられてしまったらしいですね。見たかった…。ダリ卿、次の出番が…着替えが…ぼく次早いんですよ…?みたいな感じだったらしい。クソ見たかった…。素で動揺する武田航平…。しかしアレンならまだしもクラウス役にそれはひどい、一番着替えに時間かかりそうだし本当に次早いだろうに!鬼畜!

 

 ・ピエトロの諸々の追加。「どうしてあなたはここにいるんですか?」と聞かれるシーンなど。クラウスはピエトロの正体をわかっていた説、正直邪魔だと思った説など色々言われてますね。

TRUMPであるクラウスってひょっとして香水なんかにごまかされずにピエトロや萬里が人間なことくらいわかったりして…とも思うんだけど、後者の可能性も否定はできないかもw 前者だったらヴラド機関の努力って半分以上無意味なんじゃなかろうか。そしてピエトロや萬里があまりに哀れ。

 

・ソフィとラファエロの関係の改変。ラファエロがソフィを助けるシーンの意味するところとは、結局はラファエロのウルへの愛情だという気もしてきたんですよね。ラファエロが普段は誰でもリンチから助けてやるようなキャラクターであるにせよ、そうでないにせよ、ダンピールを差別せず助けてやったのはウルがいたからで、ソフィうんぬんとか悪は見過ごせないとかそういうことじゃないのかもなと。「ダンピールを否定することは僕を否定することになる」のと同じで、そこでダンピールを守らないことはウルを守らないこと。

 でも、何もないまま時間が過ぎていけば、もしかしたらウルはソフィに自分のことを打ち明けられたかもって思うんですよ。実はダンピールなんだと打ち明けて、残りの時間を穏やかに過ごせたかもしれない。そうしたらきっとラファエロとソフィだってもっと良い関係を築けたかもしれない。憧れの人に直接剣術ならって嬉しがるソフィとか、それを笑顔で見守るウルがいたかもしれない。

 

カットシーン的には、全体的にギャグOUT、真面目な話INという感じ。エリンプとか見たかったなあ…Dステ版ではまさかのブラを懐にしまう三津谷ウルが好きです。

しかし全体的にグスミケの出番が減っているのはちょっとつらかった。近江くんの言っていた「どんなシリアスな展開でもグスタフとミケランジェロが出てきたらいつものクラン」っていうのはまさにその通りで、好きなキャラだっただけにあまり言うことがないのがつらい。メタルさんと岡田さんの二人よかったのにな、もっと見たかったのになあ。