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ひっつきむし(独断と偏見による)

いろいろ好きでゴメンナサイ

「ミュージカル『黒執事』~NOAH'S ARK CIRCUS~」を観ました

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黒執事、昔はわりとハマっていました。懐かしい。今回は一緒に原作を読んでいた友達と行ってきました。寄宿学校編の途中くらいまでは(主にPandoraHearts目当てに)Gファンタジーを買っており、わりとハマっていた時期もあったのですが、本誌を買っても読む作品が少なくなってきたのでお別れしてそのままでした。アニメは1期とサーカス編は観てましたね。ちなみにソーマ推しでした。立花慎之介はソーマで覚えた派。今ちょっと見たんですけどOPが懐かしすぎてできればこのまま包まれて終わりたい感じになりました。

で、それくらいの関わりだったので舞台版はよく知らなかったのですが、今回は好きだったサーカス編が舞台化、好きな役者さんもそれなりに多く、特にジョーカーが三浦涼介くんということで即決。元々りょんくんのことは好きだったんですけど、ただそれだけではなくて、絶対ぴったりだと思ったんですよね。だから素晴らしいものが見られるに違いないと確信してはいたんですが、本当に予想以上に最高でした…DVD買う…。

原作の魅力のひとつは豪華で凝った衣装だと思うんですが、再現度がめちゃくちゃ高くて感動ですね。ビジュアル撮影用のものなんて凄まじいんですけど(ドールのスカートとかエグい)、舞台用のものも比べてしまえば簡略化されているのはわかりますが気にならないとかいうレベルですらありませんでした。ヤバい。特にシエルのコート姿なんてシルエットが原作でしかなかったし、全体的にきらびやかで見ていて楽しかったです。

演出もプロジェクションマッピングがこう…なんかディズニーランドみたい(バカ)。セバスチャンがパッと腕を振ったら汚れた手すりが綺麗に!なシーンとかこいつはミッキーマウスなのか…!?と思った。真面目な話ではケルヴィンの回想、ラストのリボン、サーカス団が子供を攫うシーンなんかが好きです。サーカス団の登場シーンとかも本当のサーカスみたいで楽しかったなあ。音楽はなんていうのかワン・デイ・モアみたいなやつとか格好良かったしジョーカー全般好きなんですけどほんとに曲名なんていうんですかね…。

ストーリーはそうそうこういう後味悪い感じだったよね~と。シエルがジョーカーに言ったように正義なんてものは曖昧で、この世は力の強い者の支配下でしかないって話なんですよね。弱い方は踏みにじられるだけ。だからジョーカーたちは搾取され続けたし、どんなに足掻いたところで圧倒的強者であるシエルたちに彼らはなすすべもない。そしてそれを突きつけ、一切の救いも与えない。当のシエルも汚い奪う側の人間でしかなく、かつては奪われる側でもありましたが、だからこそ自覚させられてしまう。社会とは、現実とはこんなにも無情で残酷なんだという悲しさ、虚しさが残りました。

2時間40分の尺に原作3巻分の魅力を詰め込んだ素晴らしい舞台だったと思います。あと久しぶりに原作が読みたくなりました。下手したら買うしDVDは絶対買う…チクショウ踊らされてやがる。

追記からダラダラした感じの萌え語りとかです。

 

・セバスチャン(古川雄大)

燕尾服の捌き方がスタイリッシュ。上目遣いの表情がすごみがあってめっちゃ悪魔。あとさすがのお歌の上手さ。総合的に言うとすごくかっこよかったです。特にラストの歌が好き。例のえっちなシーンは声だけだったし必要最低限だった…良かった(?)

あまりセバスチャン自身から行動を起こすような展開がないので少し影が薄い、のかもしれない。ウィルとの掛け合い、デュエットなんかは面白かったですね。空中ブランコとか。しかしアグニに命令を聞かないことも執事として云々とか言われて自分も納得していたのに、こいつらみんな殺せって言われたら本当に燃やすのってひどいですよね。身体を気遣うことと心を気遣うことって別なんでしょうけど。というかセバスに心を気遣うとかできなさそうだしできてもしなさそう。

・シエル(内川蓮生)

かわいい。お衣装どれもかわいかった! スマイル衣装なんかは出番が少なくて残念でしたが。でもかわいいだけじゃなく、時には恐ろしかったり脆さも伝わったりして、シエルだなあと。パンフレット読んでたら「家族には黒執事はまだちょっと早いかなって言われてた(要約)」みたいなことが書いてあって、そんな子にシエル役をしかもこんな話でやってもらったなんて背徳感がすごいよ…。

本物の変声期前の少年が演じているところを見ると、坊っちゃんって子供なのに色々と大変だなと改めて。セバスが靴履かせたりとかお姫様抱っこしたりとかソックスガーターとか、うわ現実でこんなことあっていいのか!?と思いました。いいものを見ました。ありがとうございました。

・スネーク(玉城裕規)

ひたすら蚊帳の外のかわいそうな子。もちろん裏仕事に関わらせなかったのはジョーカーたちの気遣いなんですけど、ひとりは寂しいよと唯一自分の言葉で呟く姿を見ていると哀れでならない。この子にとってもサーカス団はようやく見つけた居場所だったわけで、わけも分からずそれを奪われたことを思うとつらいですね。

本来、というかこの後メインキャラになるためか紹介順は3番でソロ歌もあり。歌はそのものもかっこよかったし玉城くんの歌、ダンスや演出もよかったです。玉城くん雰囲気がすごくスネーク。蛇に喋らせるときの口調や声色の演じ分けが好きですね。あとはアバハンに絡まれるときの、蛇に咬ませた…と見せかけて左手ビュッてしただけのやつがツボ。お茶目か。

・ビースト(田野アサミ)

セクシーお姉さん。歌もかっこよくて素敵。タイツのプリントなのか描いてるのかはわかりませんが、球体関節がしっかり再現してあったのが嬉しいですね。

ビーストと言えばやっぱりマフラーのシーンだと思うのですが、こう、強がっているけど本来は普通の幸せを願う女の子というか、そんなところが愛おしいですよね。回想シーンなんかを見ていてもそれがわかります。そこをけしからん奴に利用されるわけですけど。「あんたも一緒に逃げるんだよ」にはもらい泣きでした。

ダガー三津谷亮

思ったより出ずっぱりで、サーカス団ではダガーが好きだった身としても嬉しかったです。デスサイズに振り回されるシーンとか、コミカルでかわいらしいシーンが多いんですけど、サッと冷酷さを覗かせたり、熱い男だったりと、いろいろな面が見られてよかった。最期とか切ない。

一輪車はものすごかったですね、さすが世界を獲った男。ひたすら目を奪われました。片足でとかくるくるターンしたりとかすごすぎてよくわからない。原作にはない一輪車装備なのはみっちゃんだからなんでしょうけど、脚のない子があんな義肢で…と思うとつらさ倍増ですよ! よくも一輪車に乗せてくれたな!

・ウィル(輝馬)

輝馬さん、2.5系の人という認識はあったんですが実際には初めて見ました。演じ方、歌い方がもうウィルそのものというか、ノリノリでいいですね。ぜひまた輝馬さんを見てみたい。なんなら彼のウィルのために過去公演とかを見たい。

ウィルのソロは演出というか照明がやたらかっこよくて好きです。あんな演出だったの絶対あのシーンだけだった気がします。急にジャンル変わってむしろちょっとウケた。

・ソーマ(陳内将

最高にかわいいオブかわいい。ソーマは三次元だったっていうかむしろアニメ。二次元の存在。じんちゃんだなあと思うかわいさと、立花さん演じるアニメのソーマに近いと感じるかわいさが同居というか融合というか本当にかわいい。そもそもソーマが元々かわいいんだけどドチャクソかわいい。ちゃんじんソーマの格好似合ってますよね。マジ王子。一番かわいいと思うキャラとかわいい演技がツボな俳優のドッキング最高です!ありがとうございます!

全体的に笑顔百点満点!花丸あげちゃう!って感じなんですけど(アホ)、カーテンを開けて出てくると見せかけて一回閉じてまた出てきたところなんて特に愛らしすぎてヤバい。あとセバスにアグニをけしかけたときの、「アグニ!(ドヤ顔)」とか。そう、ドヤ顔がマジでかわいい。あざとい。ちょいちょいっとアグニを呼んだりアグニにカーテン開けてもらったり、カテコでも特に小芝居が多くてかわいかったですね。癒やし。

・アグニ(TAKUYA)

TAKUYAさんは初めて知ったんですけど、ビジュアルのアグニ感というか似合いっぷりがいいですね。お芝居に関しても自然に受け入れられるアグニでしたし、ソーマとの噛み合い方も好き。というかじんちゃんこんな小さかったっけと思ったらTAKUYAさんが188もあるんですね。ソーマとアグニって実際かなり身長差があるので、なんかこういうのイイネ!と思う2.5初心者です。

ここの2人は闇深なストーリーとキャラクター群の中にありながらその辺と絡まない存在で(リジーもそんな感じだけど舞台版ではいないし)、唯一の光って感じでありがたいですよね。素晴らしかったのでまた生執事にじんちゃんソーマとTAKUYAアグニ出してくださいお願い偉い人!

・ドール(設楽銀河)

どちらかというとイケメン寄りのお顔なのかなと思うんですが、中性的な女の子の役にぴったりハマっているから面白いですよね。撮影用のビジュアルだと衣装の出来はエグいわめちゃくちゃにかわいいわ(睫毛のメイクがすごい)で本当に素晴らしい。

歌声がすごく良いですね。高音が綺麗で、歌い方にしてもこっちが切なくなってしまうような演技力。ジョーカーに名前をもらうシーンなんかもらい泣きするしかなかった。名前はその人の存在そのものというか、何者であるかということを明らかにし保証するものだと思ってるんですけど、それまで名無しだった彼らにとっては初めて明確な居場所が生まれた瞬間なんですよね。何よりも大切な思い出。そのあたたかさとか、全て失った絶望とかそういうのがね(語彙力)。設楽くんは急遽決まったということですが、言われていなかったらきっと全然わからなかったですね。その辺も含めてすごい実力だなと。もっと彼のお芝居を見てみたいです。

 ・ケルヴィン(小手伸也)

マジでキモい(褒め言葉)。アニメの茶風林なケルヴィンもマジでキモかったんですけど、こっちもマジでキモい。感想がだいたいすべて「キモい」に集約されるキモさ。回想シーンの語りと台詞の切り替えなんてすごかったですね。陶酔しきった動きも面白いですし、歌の語りっぷりも大好き。小手さんはコミカルなお芝居しか見たことがなかったので、そういう意味でも面白かったです。ていうかこの人なんで未だにゴドウィン役推してくるんだろう? 嬉しいんだけど気になる。

そういえば彼の回想シーン、最初の方にも書いたんですけどいいですよね。プロジェクションマッピングと幕を上手く使ってヴィンセントに隠れるシエル(たち)を演出、なんて感心してしまった。あとヴィンセントとディーデリヒ、ちゃんと声が興津さんと浜田さんなんですよね。ちょっと細かいながらもグッとくるポイント。

ジョーカー(三浦涼介

ジョーカーは三次元だったんだ…と思った。二次元のビジュアルから三次元への変換が一番うまくいっているんじゃないでしょうか。アンクとか、りょんくんは常人なら浮いてしまうような派手なスタイルが本当に馴染むなあ。髪型や衣装はバッチリ再現され、りょんくん自身ああいったスモーキーなメイクが映えるのもあって素晴らしい完成度だと思います。2.5は初めてらしいけどもっとやってくれてもいいんじゃないの…。

ジョーカーという人は道化師の仮面をかぶって本音を押し隠し、お話的にもまさにピエロ、という感じ。あんなに必死だったのに、恩人と慕うケルヴィンからは駒扱い、守りたかったものはとっくの昔に奪われていたなんて。そして絶望のうちに死ぬしかない。悲しい男ですよね。りょんくんって独特な儚くて悲しげな雰囲気を持っている・出せる人だと思うんですけど、そんな人がジョーカーを演じるんだから絶対に素晴らしいに違いないとは予想していて、でも実際見てみると言葉もないくらいで。もう語彙力が奪われているので「りょんくんジョーカーはいいぞ、めっちゃ儚い」くらいしか言えませんすみません。いやでもマジで儚すぎて消えてしまいそうだった…お願いりょんくん現世に留まって(ドアホ)

儚すぎポイントとしてはマフラーのシーンとか子供を攫うシーンとか。ここかすれたような歌い方のハイトーンが消えてしまいそうすぎるよね…。歌で言えば暗い感じのが多いんですけど、深い低音が物悲しくてたまりません。ケルヴィン邸での見世物のシーンなどなど、つらそうにされると本当に痛々しくて、こっちも見るのがつらくて苦しくなる感じなんですよね。全てを知って絶望し、倒れたケルヴィンの手を震えながらそっと握るところなんて特につらかった。あんなに酷いことばかりされたのに、愛されてなんかいないのに、それでもケルヴィンに縋るのかと。私こういう関係大好きその後の床に伏している場面なんて抜け殻状態のお顔が舞台に映り込んでいて最高に美しかった。

そう、ジョーカーは悲劇の主人公めいたところがあるんですけど、そこが本当に美しかったんですよね。儚い者の美しさ。極めつけはやっぱり最期の回想シーンでしょうか。(ひょっとしたら衣装替えなんかの都合かもしれませんがw)過去の姿のビーストたちと現在の姿のジョーカーが優しい笑顔で寄り添っているのが切なくて。彼らの死については、因果応報というわけではなくてただ弱いから負けたのだ、という理論だと思うし、「世界は誰にも優しくない」のが真理ということなのでしょうが、そんなネガティブなこと言ってないで優しい世界にしてくれよって感じだよ!!もう!!!

 

できればライビュも行きたかったんですが、普通に用事があるのでDVD発売まで耐えざるを得ません。つらいです。もう原作を買います。ありがとうございました。