ひっつきむし(独断と偏見による)

いろいろ好きでゴメンナサイ

演劇集団キャラメルボックス「彼は波の音がする」を観た

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昨日からブリーゼで公演中の「彼は波の音がする 彼女は雨の音がする」の「彼は波の音がする」の方を観ました。まだまだキャラメルボックス初心者だもんで初日のチケットがそんな割引に使えるなんて知らなかった…そしてもうチケットを取る余地がないわ。まあ全てユースチケットで取ってるので幸いにもそんなに変わらないんですが。

ブリーゼに行ったのはTRUMPぶり4回目(TRUMP3回行っただけ)。前の方のブロックだったのでどれくらい埋まってるかとかはあまり見なかったんですが、開場が早いせいなのかなんなのか物販が全く混雑しておらず、ちょっとパンフレット買うの芋りまし た。ええ。キャラメルボックスだとあからさまに劇団スタッフですって感じの方が売っておられるので、人がいないとちょっとドキドキしてしまうんですよね。人間として認識されたくないコミュ障の心。なんだろう、もっと混めよ物販。オリエンタルとかだと狭いところに人がドチャッと並んでてイライラするんですが、広いところに人がいないともう…ドキドキしちゃう。私を見ないで(CV小田さくら)。

 

「彼は波の音がする」と「彼女は雨の音がする」は二本立て公演で、一組の男女の物語をそれぞれ男側から・女側から描いたものです。ゲストに福澤朗武田航平。あらすじなどはこちら。


観終わった直後は「いい話だったな~」くらいの気持ちだったんですが、なんだか今になって人が生きるとか死ぬってどういうことなんだろう?と哲学的な思いを馳せております。以下ネタバレ。いきなりオチの話からなのでほんとに注意。

 

結局、結末としては新宮の記憶は消えて、有田として生きていくわけですよね。魂は残るから、きっと彼の演技そのものとか、芝居への情熱とか、白浜さんへの気持ちとか、そういうフワッとしたものというか、本質的な部分は残り続けるんだと思います。アルさんも「あなたが死ぬわけではない」みたいに言ってたし。

記憶が消えた新宮(有田)と串本のやりとりには泣かされたんですよね。気になるのが串本は最後、新宮と浦神と有田についてどう結論したのかなということ。新宮の話を信じて、浦神も有田も新宮であり、最終的にどういうわけかはわからないけど新宮としての記憶は消えてしまった…と真相に近いところで納得するのか、それとも全てまぼろしだったと思ってしまうのか。もう自分を思い出さない、思い出も共有できない、なのに芝居にかける部分は新宮とそっくり同じの有田。串本は彼(の演技)を見るたびに新宮を思い出し続けることになるでしょう。それを何かしらの救いのように串本は感じるかもしれないし、もしかしたらつらいと思うかもしれない。新宮はいなくなったと捉えるのか、ここに残り続けていると捉えるのか。

作中で提示されているものとしては圧倒的に後者なんですね。記憶が消えても魂は残り、有田恒彦の中で生き続ける。串本もきっとなんとなくその辺りで受け止めるのでしょう。魂がどうのこうのという話を最終的に本当だったと思わなかったとしても、新宮と有田を重ねて見ることには違いないはず。やっぱりいい話調なわけだし、そこで串本だけやたら鬱になることはないと思うのでw、あの後は有田と友達付き合いが続いていっているといいなと妄想しています。個人的な好みとしては、新宮としてではなく、ちゃんと有田として見て友達でいてほしい。

 

生きる・死ぬということで言えば、死んだ浦神の体に入った新宮は、浦神がおそらく絶対にしなかっただろうことをしますよね。そしてその行動によって、作中人物たちは大きく影響を受けるわけです。串本以外は彼を浦神として見ている=浦神は周囲から生きていると認識されている。別人なので人柄は当然大きく変わってしまったんですが、では浦神(新宮)は浦神という男ではなかったのかというと、そうではないようになっているのがうまいなと思います。

本物の浦神は、出番がギャグ調なのでアレですが、厳しく気難しい人で、しかし仁一や邦子さんを深く愛し、彼らのことを思って行動していたのが読み取れます。とはいえそれが仁一と白浜さんには伝わっておらず、おかげで殺されるわ、悪事を暴こうとされそうになるわ。そのまま時間が過ぎていけば社長を継がせることで仁一への愛、厳しくしていた意図は伝わったのかもしれませんが、実際問題殺されてしまうのでそうもいかないと。しかしそこで新宮が浦神にイン。邦子さんに再会し、白浜さんの誤解を解き、別人に殺されることになります。

浦神仁一は、「彼」の物語の中で最も救われた人物でしょう。もしも浦神が階段から落ちて死んでいたら、当然ですが義父を殺したのは彼です。恨みやわだかまりがあったとはいえ、浦神を慕っていたこと、本来善良な人物であることは病院のシーンだけでなく、ついつい撮影所へ見学に来てしまうようなところからもよくわかります。本当に自分の手で殺してしまっていたら、きっと死ぬまで苦しみ続けることになったでしょう。実際殺人未遂は犯しているんですが、未遂で終わるのと本当に殺してしまうのとでは大きく違います。結果的にやはり浦神は死んでしまいましたが、もし仁一が彼を殺してしまっていた場合なら、浦神の真意や境遇を知ってどう感じることか。

「浦神」が階段から落ちて死んでいたら、あるいは普通に生き続けていたら、きっと邦子さんと再会することもなく、浦神の彼女への愛情を知らない白浜さんも誤解したままだったことでしょう。浦神の仁一への想いも、同様に伝えられたとして彼を苦しめるものにしかならなかったはずです。本物の浦神は死んでしまいましたが、新宮が「浦神」として6日間生きたことで、彼の魂もまた同じだけ生かされたと言えるのではないでしょうか。ついでに言えばアルさんが事情を伝えることで、本物の浦神もまた救われたのでは。

「彼は波の音がする」には魂や天使というものがそういう存在として登場しますが、もっと本当のところとしては、人の生死とは肉体や記憶ではなく魂のそれであり、魂とは人の想いである、という感じなのかなと思います。浦神もそうですが、想いさえ残り続ければ、新宮弘樹の自覚をなくした新宮もその魂は生きている。彼は有田恒彦として生まれ変わったけれど、その中に、確かに新宮弘樹は今も生き続けているのだ…的な。たぶんそんな話だった。

 

 

 

 

 

 

でさーーーーーいいかなーーーー武田くん相変わらずめっちゃイケメンだったわ!!!!!!最近ずっとTRUMPのDVD見てたけどモノホンはやっぱり超絶イケメンだった~!!映像より生の方が圧倒的にオーラがある!!!好きだ!!! 結構横を向いてるシーンが多かったんですが、今更だけどもうほんとに鼻たっけぇの。私が顔を好きな男、鼻が高い率ほぼ100。真宙くんも稲葉も鼻めっちゃ好きだもん。

もうね、やっぱり武田くんの笑顔、明るくてかわいくてめちゃめちゃ好きなんですよね。こっちもニコニコしてしまうしすごい見ちゃう。OPダンスでたぶんちょっと歌ってたのかわいかった…。終演後あいさつで何に照れてるのかけっこう顔隠して笑ってたのもかわいかった。お客さんポジションだったからなのか、なんだか今まで見たのと違って(と言ってもTRUMPとメロスだけですけど)新鮮でした。

今回武田くんが見たくて行ったんですけど、すごく面白くて良かったです。やはりさすがのキャラメルボックス。武田くん演じる岩代は、「彼」だと途中からフェードアウト、最後に出てきたときにはいつの間にやら恋に敗れた男(白浜さんを応援する姿がイケメン)だったので「彼女」の方に期待ですかね。少女まんがの当て馬男大好きなのでちょっとこういう役どころで嬉しいです!!!! 立ち去ろうとする白浜さんに「……若菜!」って声をかけるところがすごく好き。岩代ってチャラ系なのかなと思っていたんですが、アッそんなことないんだ…めっちゃ好み…という。でもチャラ男ネタというか、箕島さんに自然な流れ()で「彼氏いないの?」と聞くところとか、全体的に忙しない妙に機敏な動きとか面白かったですね。

佐野の方、というか土方はチャラいけどクールなイケメンって感じで好きです。方向性にちょっとだけ紅音也みを感じた。コスチュームとか髪型もかっこよくてステキ。1シーンですが殺陣も見られて嬉しかったです。

 

福澤さんはあいさつで「ジャストミート」してくれました! ちょっと自慢できそうな経験。毎日配下の1万人の天使の前でスピーチしている喋りのうまい天使、という設定なんですが、そんな設定なくても滑舌にダメ出しすることの説得力が半端じゃない。私もちょっと滑舌棒やってみようかしら…!?とか思っちゃうやつ。アルタイルはわりとコミカルな役どころで、文句ばかりつける新宮に振り回されたり、かと思えばこっちはこっちでわりとめちゃくちゃなことを言い出したりと、よく笑わせてもらいました。

でも最後、新宮の記憶を消すあたりからはもう切なくて。新宮って結構ひどいやつなところがあるんですけど(特にアルさんに対して)、全然憎めないキャラなんですよね。アルさんも新宮のことなんだかんだ大好きだったんだなあと思うとジワッとくるというものです。「彼女」の方にはアルさんいませんけど、アルさんが喋ってるシーンとかどういう風になってるのか楽しみです。