ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

Patch stage vol.8「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」

劇団Patchが4周年だそうです。おめでとうございます。
SPECTERからの新参ファン…と思っていたらもう1年が過ぎて、Patchさんも4周年。
ファンとしての浅さは相変わらずですが(過去公演とか観られてないし)、これからも応援させていただく所存です。
磯部が終わったと思ったら今週末はもう中之島春の文化祭だったり、個々客演があったりで忙しいでしょうが体調など気をつけていただきたいところですね。

末満さんもアフタートークやパンフレットの挨拶で言及されていますが、この磯部磯兵衛物語、「熊本さん」は登場するわ、揺れるわ燃えるわ溺れるわ死ぬわ(死なないけど)。
東日本のときは脚本の修正などをされたそうですが、今回はひとつ修正するとなるともうキリがないと。
その中で変更も自粛もすることなく無事に全日公演ができたこと、してくれたこと、本当に良かったですし、ありがたかったです。
磯部は初日と千秋楽に行かせてもらいましたが、本当に面白かったし、元気をもらうこともできました。ありがとう。


以下、ネタバレありで感想など。


末満さんが事前に散々中身などないと仰っていた通り、ほんと中身がないが褒め言葉な感じの頭カラッポで楽しめるギャグなミュージカルでした。カテコ撮影可は別の意味で笑った。
なのに音楽そのものはかっこよかったりするから侮れません。
特に母上ソロの「母上の愛」の終盤なんかガチなミュージカルの泣かせてくる曲みたいな感じ(語彙不足)で謎に悔しくすらある。
Patchのメンバーの歌はフォアコンで藤戸くんのを聞いたことがあるくらいでほぼ未知数だったのですが、聞くに堪えないレベルなんてのは全然いないし、全編ギャグなので逆に上手いのがネタになりこそすれそんなに上手くなくても気になりません。
とはいえ舞台俳優さんのことで発声ができるしイイ声のメンバーも多いので、ビブラートとかそういうテクニックがなくてもある程度いけるんですよ。
ぜひこれを機会にもっと歌を練習してまたミュージカルなりなんなりを見せてもらえたら私は嬉しい。今回だけで終わらせるのは絶対にもったいない!

ストーリー的には前半で紹介された登場人物たちが後半若干強引な流れで高尾山に集合して一度死にかけるもなんとか生還する、という感じですね。
ほぼストーリーなどない。なのに2時間ちょっとあって全部面白いんだからすごい。

・磯兵衛
消去法で選んだとか原作の磯兵衛はあの顔なのに顔が濃すぎるとか末満さんに言われたい放題。
まあ確かに原作や豆アニメの磯兵衛っぽさはほぼ欠片もないんだけど、逆に独自の面白さが出ていて好きです。「~で候~~!」の言い方が特に。
表情がコロコロ変わってコミカル。そしていちいち大げさ。ムカつくけど笑えてかわいい。
主人公なのに意外にもセンターに立って歌うような歌や目立つパートが多くないのですが、井上くんの歌自体はえらいエエ声だしわりと上手いしいいと思う。
中でも中島とかけあいの「春のひととき画になるふたり」がめちゃくちゃ好きです。今回の歌の中でわりと一二を争う。
あと千秋楽のスペシャルカテコの「母上の愛」での振る舞いが好きすぎる。

・母上
出オチかと思ったら余すことなく面白いからずるい。なんだかんだ可愛いのもずるい。
あの裏声でちょっと喉が心配だったのですが無事完走できて何よりです。
天井裏からちゃんと出てきたのはほんと思わずおおー!と声が出てしまった。
母上は存在がギャグみたいなキャラクターなのに、仕草や表情がなんだか可愛らしいんですよね。
歌もしっかり歌えてるしよしくんすごい。もっと歌をスキルアップさせたよしくんが見たい…!
なんかこう、今までガチな感じではやってなかったにしてはすごいなレベルに収まってほしくない!
あとたかしくんとか全然歌割りないのにめちゃくちゃ上手いじゃねえか!
でもPatchさんに歌をもっと歌ってくれっていうのもなんか間違っている気がしてきた、なんで歌なんか歌ったんだ!(理不尽な怒り)
日替わりドリンクコーナーでの笑い堪えられてなさは異常。

・中島
癒し系すぎる笑顔が非常にかわいい。磯ミュの中島と言えばスマイルってくらい。
どうも稽古写真を見るに完全に目を閉じて笑ってるっぽいですね。
中島自体わりとドライなところのあるキャラなんですが(でもなんだかんだ磯兵衛が大好きっていう)、それを星璃くんがやると半端ない癒し系スマイルが相まって残酷さアップ(褒め言葉)。
あと走馬灯での唐突なメンタリズムがツボ。

・高杉、あと村川くん
高杉くんは育ちのよいお坊ちゃん感が半端ではない。あとドヤ顔がかわいい。
ちょっぴり嫌味な面もあるキャラクターですが、磯ミュ高杉の溢れ出る育ちよさそう感がすごい。
よくニコニコしたり人の話に頷いたりするからでしょうか。
なにかといい子なんだろうな感がモリモリ伝わって微笑ましい。花岡くんとは仲良しニコイチ。
初日は下手側の前の方に座っていてカテコで近かったんですが、あの髪型であの落書きメイクのリーダーにもう連写することしかできませんでした。
あと千秋楽の前説のプレゼントの流れで私ちょうどその列の通路側でとても近かったんですがキャーって感じでした。ありがとうございました(ドヤ顔)
とりあえずイケメンと物理的な距離が近いと普通にテンションが上がる。ただでさえリーダーが好きなので余計に。

・ゆうほくんに目覚めそう
前説と言えばゆうほくん。都道府県が全然わからないゆうほくん。
「静岡ってどこ?東京より遠いん?」「新潟ってなんか細長いやつやろ?」状態だった初日から、
「東京は覚えたで!お江戸やろ!」「茨城…茨城?わかるで!この辺やろ!(とても広い地域をレーザーポインターグルグル)」「北海道!!!(ドヤ顔レーザーポインター)」な千秋楽まで、
ゆうほくんはほぼ一切成長せず、地図サイドが進化してゆうほくんを甘やかす案件。
最初は地図なし、2日目に手描きの白地図になったそうで、最終的に投影+レーザーポインター支給。
そして白地図は千秋楽の北海道から来たお客さんにプレゼントされましたとさ。

・藤戸祐飛のおいしさ
おいしすぎて逆になぜか心配になるレベル。そもそもサヤーテっておいしすぎるんですよね。
見に来てサヤーテを覚えずに帰るお客さんいないでしょう。ネコもおいしい。
「なんでもかんでも舞台化すればいいってもんじゃなーい!」からのサビは単体でもおいしすぎるし、メインで超キャッチーなの一曲もらってるしそもそもサヤーテの存在がおいしすぎる。
不参加の納谷くんはとりあえず置いといて、4期初参加の本公演でこの目立ち方か!
藤戸くんが演技もできて歌もうたえて度胸もあってボケられるのはわかってるんですよ。わかってるけどこの扱いにはゾクゾクせざるを得ない。
サヤーテ役で残念なところと言えば芝居というか掛け合いが少ないところなんですけど、オーデやフォアコンで触れなかったりした人などへのアピールは十分すぎるくらいだったのでは。
中之島にも藤戸くん出るみたいなので(メインっぽい?)とても楽しみです。
今一番下克上してほしい後輩メンバー。

・源内先生めっちゃ好き
三好大貴扮する平賀源内の完成度高すぎて大好き。ビジュアルがまず完成されすぎている。
服も地味めで(この作品の中では)おとなしいスタイルなのもあるだろうけど違和感がなさすぎる。
こう、あの髪型とらんくんの爬虫類系顔のマッチ度が本当にすごい…好き…。
サヤーテ、大八くらいの作ったメイクだと素顔ってそれほど関係ないと思うんですが、そういう感じでもないのにこの似合い方はすごい。私はそう思う。
あと声がいいんですよね。「キテルキテルエレキテル~!」「ヒラガヒラメイタァ!!」って叫ばせて彼以上に似合うメンバーがいるだろうか、いやいない。
歌も歌唱スキルに目立ったところはないものの声質でゴリ押せてる的な印象。
「キテル!キテル!エレキテル!」自体は低音早口でよっぽどの人がやらないとたぶん聞き取れる感じにならないと思いますけど。
原作の源内先生よりマッドサイエンティスト化してたのは演出なのからんくん故かw
決まった推しとかいないつもりだったけどこう書くと私らんくん好きだよな。オンタマも行ったし。
あまり会話の輪に入れないので自由にしてる源内先生が好きなんですが、お団子食べてて本物なんだ…と驚き。あとめきゃる辺りでみんなビビってる中、後ろで普通に笑ってたのはじわじわきた。
千秋楽で閃いた感じの電球のアレが裏返ってたのは仕様だったのだろうか。
「江戸時代にあったら便利だと思うものは?」と客に絡むところは、初回は「携帯電話」と言われて「それが何かはわからんが便利そうだな!みんなは持ってるのか?」→全員挙手→源内先生ひっくり返る、な感じでした。千秋楽はDVDに残るかな。

・武蔵とぱりんこ竹下健人
カラクリ武者宮本武蔵。武蔵もすごく似合ってました。ハゲとヒゲめっちゃ似合う。
竹下くんは普通に目が大きい上に色黒で白目がち、かつ太眉なのでただでさえ目の印象が強いんですが、武蔵やってるとそこから更にカッ開いてくるのでギョロ目っぷりがすごい。
「ウデニオボエガアルヨウダナ!!」でまず笑うんだけど、そこからの天丼とか源内先生&大八との掛け合いが面白くてそこのシーンは特にお気に入りです。千秋楽では歌まで歌って大暴走でしたね…。
武蔵の出番は後半からなので、竹下くん前半はアンサンブル。
初回ではぱりんこ一枚食べてたくらいだったかと思うんですが、千秋楽では周りに配るほか、なんかもう最後だからなのか延々食べ続けておりました。残っても困るもんね!!!
商品名がはっきりわかるものがDVDに残って大丈夫なのかな。許可とか取ってるのかな。
というかぱりんこ食ってたの竹下くんだったかな…記憶が…不安だ…

・原作からの改変
各キャラの登場エピソードはほぼ原作に忠実でしたが、後半の「高尾山地獄修行編」は武士校と母上だけだったところに大八たち、忍生、源内と武蔵をプラス。
末満さんやPatchメンバーも「処す?処す?」なんかのネタはやりたかったそうですが、将軍15人出すには人数の関係で…とのこと。次やれたらアンサンブル15人用意するとか言ってた気がする。
高尾山自体は3巻の収録ですが、半端くんは登場が遅い(5巻あたりだったか)ので、ここに突っ込んでくるのは驚きでした。面白くなってたけど。というか原作半端くんもっと活躍してほしい。
ゆうほくんの半端はなんかこう違う舞台に出てきそうだなって思いました。確かこういう髪型のキャラいるよね。ゆうほくんかわいいし出てても違和感ないんじゃないかな…。

高尾山編を軸にそれぞれのキャラクターを足し、原作の随所から小ネタを取り込み、大胆に改変しつつも原作愛や作り込みの細かさがあってとても良かったです。
武蔵は原作とほぼ違うキャラクター化してましたが、磯ミュ武蔵すごく面白かったので違うものとして好きです。おかげで殺陣も見られたし。
あと熊本さんか。原作では中の人もしばしば普通に登場し、わりとペラペラ喋りますが、磯ミュでは無言でキャストも「熊本さん」の徹底ぶり。威圧感がすごい。
今回の小道具のチープっぷりはわざとだろうけど(字がヘタクソなのが好き)、他と比べて熊本さんの金かかってそう感は異常だったのでひょっとして今後も磯部関係で使われるのでしょうか。


・客演チーム
川下大洋さん演ずる武士校の先生、原作の10倍ヨボヨボしてて笑った。
遠足に出発するところのズルズルズルズルずり落ちていくところがすごく好きです。
ちなみに今回のために公演前日だかに頭を丸められたそうな。
毛を剃ると言えばなぜかマネージャーさんの家のお風呂でよしくんとたくやくんはお互いにムダ毛処理をしたそうです。脇毛と脛毛を。
壱劇屋の竹村さん演ずる服部半蔵は、出番は少ないですがイチイチ動きをつけて喋るおかげでえらく印象に残りました。ただずっとやってるから笑うタイミングがわからないという。
母上とのやり取りが半端くんを交えることで面白さが増していて好き。
鎮西寿々歌ちゃんの団子屋の娘さんはかわいかったなあ。ようこそ団子屋へも可愛らしいナンバー。
源内先生に無茶振りされるところ、千秋楽での大暴走→普通にウケる→ハリセンツッコミのタイミングを逃した源内先生ブチギレの流れが面白すぎた。「アタ…らしい命に感謝!」は卑怯。
「アタイ…本気よ!」はギャグなんだけどかっこよかった。


末満さんは最近鬱な芝居を作る人間として認知されつつあることを気にしてらっしゃるみたいで、私も明るいだけのっていうのは見たことがなかったんですが(ギャグは好きだったけど)、全編ギャグなお芝居が想像以上に面白くて、早くDVDで観直したいという気持ちがまだ収まらないくらいです。
ぜひ磯ミュ2弾をやってほしいんですが期待してもいいんでしょうか?w
というかDVDと言えば結局NU版TRUMPはどうなってるんでしょうか…ヒロビてめえ5月って言ったのはなんだったんだよ!もう5月だぞ!!