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ひっつきむし(独断と偏見による)

いろいろ好きでゴメンナサイ

ミュージカル「手紙」に行ってきた

演劇

東野圭吾原作のミュージカル「手紙」を観てまいりました。

恥ずかしながら原作未読かつ三浦くんしか知らない(礒部さんはプリキュアのおねえちゃんという認識)状態で行ってきたのですが、内容も役者さん方も素晴らしかったです。むしろ新規開拓できた感じ。

小劇場のミュージカルというかオリジナルミュージカル自体が初めてで、東野圭吾が原作のミュージカルってどんな感じだろう? と半ば不安もありつつ、あとチケットが高めだったので合わなかったらつらいなと思いつつ、でも三浦くんが観に行きたくて。

でもほんと、行ってきて良かったです。

評価として「泣けた」という言葉はあまり使いたくないのですが、しかし泣いたな…。

あと言葉では説明しづらいのですが、舞台装置がたいへん面白かったです。

ああいう動かしたり組み替えたりするのって好き。

以下たたみます。ものすごく三浦くんに偏った感想。

私は演技の巧拙というのはあまりよくわからないのですが、ライダーを見ていて一番ピンときたうちのひとりがアンク/三浦涼介くんなんですね。

たぶんアンクって属性的に三浦くんじゃなくても好きなキャラクターなんですけど、三浦くんじゃなかったらこんなに好きじゃないんですよ。

とはいえ知ったのがわりと最近ということもあり、オーズ以外の作品はほとんど知らず。

でもやっぱり今回で、三浦くんいいなと思ったのははずれじゃなかったなと思いました。

各シーンのお芝居自体の良さはもちろんなんですが、作中でけっこうポンポンと時間が経過していく中での武島直貴という人物の変化について。

最初は高校3年生として登場する直貴は優しくて少しふわふわした感じの男の子。

それが兄の起こした事件を気に心を閉ざすようになり、次いで大学生になり充実した生活を送り、そこから夢を諦めて就職し、結婚し父親になる。

時間が飛ぶたびに直貴は変化していくのですが、この変わりぶりがすごかった。

時間の止まった刑務所の中にいる兄・剛志をはじめ、通して登場し続ける他の人物はあまり変化のない中で、直貴だけはどんどん変わっていく存在です。

ちゃんと変わっているのに武島直貴であることは変わらず、説得力があって、本当に同じ人の10年をなぞっているかのようでした。

あんななよい儚い男の子が、たった2時間後くらいには家族を守ろうと戦っていて、それがストンとおさまる。

むしろ観ている途中は全然気にならず、後になってから気付いてりょん君すげえ!と思った、それくらい違和感がないんですよね。

時間の経過に合わせて衣装が変わるのですが、最後に大人になってからの衣装であるワイシャツに大学時代のジャケットを合わせてあのステージに立っていたのがとても感慨深かった。

なんか人が生きてるところを観てきたなあ、というのが感想。

三浦くんって私は儚げな人だなと思うのですが(どぎつい格好してても)、歌にしてもそういう儚さや弱々しさと、出すところではガッツリ重く出してくるところの差もすごかった。

剛志役の吉原さんは、もうさすが四季にレミゼに…という感じで、こんな小さいところでそういう人を観られるもんなんだなと(無知)。

もうなんか、感動的な展開じゃなくても歌ってるだけで涙が出てくるというか。

あと腰痛めてる演技が痛そうすぎて痛い系の話が苦手な私はちょっとつらかったですw

殺人のシーンでは敏江役・五十嵐さんの演技や音響効果も相まって、もうこっちもパニックになりそうなくらい。

あとは最後の手紙リプライズとか…でも3人で歌ってるところ聞き取れなかったのでDVDには歌詞カードをつけてください…。

他の男性キャストさんでは貴文・忠夫などを演じられた上野さんが気になりました。

貴文のソロ曲「負け犬」なんて大好きだし、忠夫の演技も好きだし。

女性キャストさんはみなさん素晴らしかった。

五十嵐さん・和田さんは経験豊富な方なんだなというのが何も知らなくてもよくわかりましたし、もっと一貫したキャラクターとしてのお芝居が観てみたくなりました。

「人殺しの家族」が好きで、歌はもちろんなんですがダンスがいいですよね、直貴の追い詰められぶりが(脱線)。

礒部さんはアニメ声でプリキュアのOP歌ってるお姉さんという認識だったので、あんなパワフルな歌をうたわれる方なんだなあと驚き。

朝美のソロでガッツリ一曲、ただただ見惚れてしまって。一目惚れしたであろう直貴の気持ちもわかろうというもの。

北側さん演じる由実子はとても強くて眩しい女性。

諦めないで、と歌う「これは俺の人生」、本当にこのミュージカルで一番好きです。

陳腐な表現ですが心に響く、ガツンとくる、自然に涙が出る、そんな感じ。

まっすぐな言葉がまっすぐ届いてくるような歌であり歌唱だったと思います。

本当に由実子のまっすぐさを北川さんはまっすぐ伝えて表現してくれて、もう語彙がないんですが本当に涙。

観ながらこれ難しすぎんだろと、自分だったらどうするんだと考えてしまうようなテーマでしたが、これを上手く着地させられているのはすごい。

原作はもちろんですが、このミュージカルを作った全ての人のお仕事ですよね。

そういう重たいことをただ晒して生きれば報われるなどということはなくて、そういう周りのことや自分の生き方を考えていかなくてはいけなくて。

綺麗事や正論は通らない、イマジンにうたわれるような世界ではない、そんな中でどうしていくべきなのか。

様々な考え方の人が登場し、直貴の考え方というのはそのときどきで変わっていくわけですが、そういう正解のない、自分の中で折り合いをつけていくしかない問題なんだろうな。

逃げないで向き合うこと、自己満足にならないこと、どこかで終わらせてやること、彼らの辿り着いた答えをそんな風に言ってしまうのは簡単ですが。

どんなものかなと思っていたオリジナルミュージカルですが、初めに観に行ったのがこれでよかった。

時間がすごく短く感じて、ボロボロ涙が出て、あといい意味で疲れたのでもう眠いです(22時前)。

とりあえず原作を買ってきたので余韻がなくなったら読もうと思います。