ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「ラストオブアス」の感想

 DL版がセールだったので。超有名なやつですね。おっさんと女の子とゾンビ(超広義)。TPSはなかなかやらないので特に序盤はなかなか進めず、最後までゴリ押し気味だったんですが、私がヘタクソなだけで中級でもけっこう難易度低めなのかな。それこそゴリ押せるし。とはいえDLCまでやってようやく納得行くプレイができるようになった気がします。弓ほんと楽しい。

評価が高いけどなんか賛否両論、みたいな印象だったんですが、実際やってみてこれはいい悪いじゃなくて好き嫌い分かれるだろうなと思いました。システム的にもEDも。戦闘パートと探索パートがはっきり分かれてたり(ステージ制っぽさある)、リスタートが便利すぎたりは緊張感を求める人には不満だろうし、安心感がほしい人やライト層には嬉しいだろうし。それにいわゆる一本道ゲーは嫌う人多いですね。このゲームは特にストーリーやキャラクターの演技重視なので仕方ないと思いますけど。

あとホラゲーって認識だったんですけどそういう方向では全然怖くなかったし、よく見たらジャンルはサバイバルホラーアクションアドベンチャーゲームだった。まとめろよ感はあるんですけど確かに全部盛りでしたね。明るいステージが多いし、人間同士での戦闘もかなり多いしそっちの方が難しいしあんまりホラーではないな。ゴア表現もオフできるみたいだし、何かと極度に苦手な人でなければ余裕そうです。ステルスに緊張はしまくりましたが。

ストーリーの方はやはりあれだけ評価も高いだけあって、期待以上でとても楽しめました。キモは主人公ジョエルとヒロインのエリーの交流にあるわけですが、エリーがまたかわいいというか、どんどん好きにさせてくれるんですよね。昔の世界の名残への子供っぽいリアクションだったり、頑張ってる・気を張ってる感だったり、徐々にジョエルに気を許し、信頼していく様子だったりがどんどん愛おしく思わせてくる。そこがジョエルとシンクロできるので、ジョエル自身の変化や結末に向けての流れも自然に感じられてよかったです。

話の流れ的には旅する中で同行者が交代していくタイプですね。このサブキャラや彼らの物語もとてもよかった。ジョエルとエリーの閉じた関係に終わらず、サブキャラを通して作品世界を表現し、常に二人の間にも変化を与え続けるのでストーリーに広がりがあり、長めの尺ながらマンネリ感がないのが好きです。いろんな意味でお気に入りはデビッド。

 

ダラダラした感じのやつはたたみます。あまりまとまってません。

 

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「音楽劇ヨルハ Ver1.2」の感想

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 遠い未来。突如襲来したエイリアンと、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」によって地球を侵略された人類は、月に逃れていた。地球を奪還するため、人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。膠着した戦況を打破するべく、衛星軌道上に存在する人類の防衛拠点からは、新型の女性アンドロイドだけで編成された実験部隊「ヨルハ」を投入する事になる。

地上で戦い続けるレジスタンス部隊との邂逅……立ちはだかる数多の敵と罠……過酷な戦いの中、司令部が「ヨルハ」に託した新たな可能性とは――。

新しき者と旧き者。それぞれが僅かな希望を抱き、機械生命体との決死の戦いに挑むのだった。

パンフレット<STORY>より

 千秋楽おめでとうございました。先週の「少年ヨルハ」と合わせて一段落ついた感じですね。こっちとしても二週連続遠征でけっこうしんどかったのですが、それ以上に充実してハッピーでした。ニーア大好きだなって思いました(作文)。

「音楽劇」もビジュアル的な完成度が非常に高く、舞台上やパンフレットの彼女たちを見てるだけでも幸せになれます。楽しい。「少年」ではゲームと同じで黒手袋で統一ですが、「音楽劇」のヨルハたちは白手袋で華やかですね。「少年」と同様、パンフレットに軽く衣装設定が載っているのですが、こだわりポイントとかそれぞれのキャラクターに合わせてるところとかがわかっていいですね。にしてもみんなかわいくて綺麗でかっこよかった。

あとはやっぱり「音楽劇」なので音楽が最高でした。エミさんと河野さんのお歌、そして生演奏をこんなに早くまた堪能できるとはここまで恵まれてていいのかレベル。オートマタ(とレプゲシュ)の曲だけでなく、DOD3の曲までけっこう突っ込んできたのはちょっとびっくりでしたが。音楽+ダンスでの表現がとても好きです。めっちゃエモい。

プロジェクションマッピングやスクリーンを使ったダイナミックな演出もとてもかっこよかったです。なんか既視感あるなーと思ったらこれユニバだわ~とかつぶやいてたら河野さんが同じようなこと言ってて笑った。ちょっと3Dメガネほしかったよね。逆にそういう演出に頼らない殺陣もバッチリ充実していて非常に満足度が高かったです。特にラストが大好き。

「少年」もスクリーンなど使っていましたが、あちらは基本的にスタンダードなアプローチ(たぶん)だった一方、「音楽劇」は演技!殺陣!歌!ダンス!映像!な感じで、ヨコオさんがなんかのインタビューで言ってた「幕の内弁当」っていうのがまさにそれだなと思いました。演劇と言うよりはショーみたいな。めちゃくちゃ楽しかったです。

 

ネタバレはたたみます。

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柿喰う客2018年本公演「俺を縛れ!」の感想

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黒歴史的娯楽大作が10年の時を超え堂々復活!
荒唐無稽!笑止千万!茶番チャンバラ時代劇、ここに解禁!

幕府の大御所・徳川吉宗が大往生を遂げたことをきっかけに、悪名高き将軍・徳川家重は奇妙な難題を諸大名に突きつける!
横暴な幕府にも、心を削り身を削り一途な忠義を貫き通すのは「三度の飯より主君が命」を信条とする弱小田舎大名・瀬戸際切羽詰丸!
その過激な滅私奉公は、やがて天下を揺るがす大騒動に発展する!?

柿喰う客

千秋楽おめでとうございました。

こちらも東京で少年ヨルハとともに観てきたのですが、もう本当に面白かった! お腹痛くなるまで笑いました。特に百人斬りのくだりとか笑いすぎてしんどかった。

相変わらずのテンポの良さが気持ちよかったし、特にギャグベースな感じで8割9割笑ってたんじゃないかと思うんですけど、その反面で実際はかなり狂気的な展開だったり(どシリアスに描いたらホラーになりそう)、締めのテーマ的な部分にしてもゾッとさせられたりして、なんというか一言でまとめるとやっぱりすごく面白かったんですよね。こういうの大好き。

ゾッとしたと言えば主人公・瀬戸際切羽詰丸の永島さん。もうほんとに途中から目がヤバいんですよね。完全にイってた。アフトでも永島さんが言ってらっしゃったんですが、何も考えないことの怖さってあるよなって感じでした。切羽詰丸も途中まではどうしようどうしようって考えてるんですけど、どっちに転んでも裏切りになる状況だったりサックサク話が進んでいったりするものだから考えるのをやめちゃうんですよね。ただの裏切りマシーンになってしまった姿は恐ろしかった。

切羽詰丸が操り人形だとすれば操っていた方は軍兵衛ですよね。神永さんってもちろんかっこいいんですけど、どっか胡散臭い顔しててピッタリだなって思いました(作文)。切羽詰丸と一体化したように掛け合うシーンがすごく印象的です。わりとこいつだけ何も痛い目を見ることなく、かと言って特別何か得たわけでもなく終わってるのがまた気持ち悪い。単なる人間というよりは、どこか悪魔めいた存在に感じました。

あと今回はひとつ宮下さん目当てなところあったんですけど(遊戯王好きだから)、なんというか脳に焼き付きましたね。濃いわ。ざくろも真面目になって考えてみればものすごく波乱万丈な人生送ってるんですけど濃すぎるわ。再放送で「ミルクでももらおうか」とかほざいてる遊星さん見た翌日だぞみたいなとこある。でもめちゃくちゃなのにちょっとキュートに思えるところもあったりしてもう何がなんだか。

柿喰う客のお芝居を見るのももう何度目かになるんですけど、やっぱり面白くて楽しかったです。好きだなー。

「舞台 少年ヨルハVer1.0」の感想

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遠い未来。突如襲来したエイリアンと、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」によって地球を侵略された人類は、月に逃れていた。地球を奪還するため、人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。衛星軌道上に存在する人類の防衛拠点からは、新たに男性アンドロイドだけで編成された「ヨルハ実験M部隊」を投入する事になる。

戦場での活躍を誓い、血気に逸る者……訪れる未来に怯え、不安を抱える者……彼らに課せられた本当の「任務」とは――。知る者も、知らぬ者にも、選択を迫られるその時が今まさに訪れようとしていた。

パンフレット<STORY>より

少年ヨルハ、千秋楽おめでとうございました。お疲れ様でした。

今回は実際観劇にも行きましたが、ニコ生でも千秋楽を観ました。ブルーレイにはニコ生の映像が入るんでしょうか? あと今回も前ナレ後ナレとありましたが、ぜひ前ナレだけでもブルーレイに収録してほしいです。ていうかブルーレイ出るっていいよね…。コンサートもブルーレイで出してくれているとは言え、舞台作品としてはやっぱり希少ですもん。ありがてえ。

少年ヨルハ、まずネタバレのないところから行くと、やっぱりお衣装が素晴らしかった。みんなほんとに目隠ししてるんですよね。聞いてはいたけど実際見るとスゲ~!!ヨルハ~!!って感じだった。わりと前列で観られたのですが、メッシュなのわからなかったなあ。実際けっこう視界が制限されていたらしくて、なんというか作品ファンとしては頭の下がる思いでございます。

ゴーグルと言えば、9割以上目を隠して演技させたというのは正直驚きでした。一部に至ってはカテコでしか顔が見られないんですよね。そこまでずっと目隠ししてるとは思わなかった。目隠し状態でもキャラを立てたり感情の伝わる演技って大変だっただろうなあ。

それに黒レザーで固めたお衣装の格好いいこと。ゴーグルもそうですが、本当にゲームのキャラが飛び出してきたような感じで感動的でした。あと公式もゴリゴリ推していたお膝…。実際は生脚出してたのは半分くらいなんですが、それにしてもお膝。半ズボンにソックスガーターはやばい。脚フェチになってしまう。あんよかわいい…。

 

ネタバレはたたみます。

 

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映画「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」の感想

 やってきました冬映画。今年はビルド・エグゼイドに加え、オーズ・フォーゼ・鎧武・ゴーストが本人出演のもと復活です。公開からまだ間がないですが、本当に評判がいいですね。そして実際観てもめちゃくちゃ良かった。

オーズ組の舞台挨拶も観られましたし、オーズが好きでよかったです。終わってからハマったので、まさか今年になってオーズが復活して、オーズのキャストとしての二人を生で見られるなんてこの上ない幸せでした。ありがとうオーズ。

ストーリーも面白く、各キャラ・ライダーにバランスよくガッツリ見せ場があり、理由なき大量の爆発、バイクアクション、レジェンド作品のアレンジBGM、各種先行登場などなど盛りだくさんで楽しかったです。映像面でも面白いところがたくさんあって見ているだけでも楽しい。異常にCG大盛りだったように感じたんですが、いつもの春映画がどうもなさそう?なのでその分予算が振られてたりする…のか? ビルド的には今週放送の14話と来週の15話の間のストーリーなので今週観に行くのがベストマッチです。

その辺で言うと、時系列面での摺り合わせが丁寧にされていたのも印象的でした。新ライダーも含めてかなり明確にこのタイミング(もしくはここ以降)、という設定があるんですよね。正直レジェンド勢はご都合的に出されるかなと思っていたところがあったんですが、実際にはしっかりと各作品の時系列や設定を拾ってくれていたのがとても嬉しかった。良くも悪くも二次創作的な雰囲気のある映画なのですが、それだけこだわりと愛情をもって丁寧に作ってくれたんだなと感じました。こういう丁寧さを視聴者は求めてたんだよ…。

 

以下はネタバレありです。

 

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「NieR Music Concert Blu-ray≪人形達ノ記憶≫」の感想

チケットが全公演全席ソールドアウトし、大好評のうちに幕を降ろした「NieR」シリーズのコンサート『人形達ノ記憶』―
映像化を望む多くの声にお応えし、2017年5月5日によみうりホールで開催された千秋楽公演をBlu-rayに収録。

生演奏・生歌による至高のNieR音楽、さらに各公演で内容の異なったNieR:Automataの世界観を表現する朗読劇パートを全公演分収録。
感動のイベントの空気をそのままお届けいたします。

NieR Music Concert Blu-ray ≪人形達ノ記憶≫ NieR Music Concert | SQUARE ENIX

ニーアオートマタの日本ゲーム大賞2017最優秀賞受賞、おめでとうございます! ファンとしてとても嬉しいです。これからの展開にも期待しています!

コンサートは公演から約5ヶ月、長かったような短かったような。ともかく念願のBD発売でございます。実際の公演では台本付きチケットは手に入らなかったのですが(大阪公演に行きました)、今回はバッチリ台本付きバージョンを入手できました。BDの初回特典には、5月5日夜公演「フェアウェル」の上演版台本、台湾公演の台本が収録されています。しかしメニュー画面かPCでの読み込みで全公演の台本を閲覧できるので、どちらかと言うとマストバイではなくコレクターアイテムという感じ。ブックレットにはセトリの他、主要スタッフ陣とキャストからのコメントが載っていますが、若干ネタバレしているので「フェアウェル」初見なら後回しにすべきかと。

また、メニュー画面から朗読劇のシナリオを選択することで各公演を再現することができる仕様です。数曲ごとに朗読劇が挟まる構成でしたが、この朗読劇部分を差し替えて再生できます。台湾公演は楽曲のセトリも一部異なりますが、その辺も完全再現。各公演の上演前・終演後の影ナレまでしっかり入っていますし、映像収録のない朗読劇もゲーム中のノベルパート風に作ってくれています。まさに至れり尽くせり。

影ナレと映像収録のない朗読劇は改めてアフレコしてくれたみたいです。単純に聞きたかったのもありますが、新情報が多すぎたのでちゃんとチェックできて一安心。ネタバレ見て、まさかこれをちゃんと知れないのかと思って絶望してましたもん。こんど「プロメテウスの火」も小説「短イ話」に再収録されるようですし、そういうところをちゃんとしてくれるのはとてもありがたいですね。

 

大阪公演の話なんですが、前回のコンサートには行けなかったので、まず生での演奏・歌を聴けることに涙目になり、実際聴いて・バックの映像を見て感動で泣き、朗読劇が地獄すぎて泣き、泣きすぎてグロッキーになるという有様でした。楽しかったな。アンケートにはドラマCD出してくれって書いておきました。

アレンジでしっとりめになっている曲が多いのはバンドの構成上(ギター・ピアノ・弦楽四重奏・ボーカル+録音)の都合でしょうか。コーラス系の曲は軒並みストリングスに差し替えていたり、打楽器抜きであったり、特に「終ワリノ音」「追悼」なんかはかなり違う雰囲気で、サントラと聴き比べると更に楽しいです(こなみ)。個人的には「砂塵ノ記憶」でギタービビらせまくってるのが面白かっこよくて好き。

カメラワークなど映像の編集も凝った感じで見応えがあります。「双極ノ悪夢」「砂塵ノ記憶」「美シキ歌」あたりの盛り上がる曲が特にかっこいい感じでよいです。元々のバックスクリーンの映像や照明の演出の素晴らしさと相まって雰囲気がすごい。もちろん現場では生だからこその良さがあるんですけど、ブルーレイではこういう風に映像作品としても楽しめるものになっていて楽しい。歌姫の横からのアップなんて客席からじゃ見られませんもんね。このサイドからのライトに照らされる横顔という画がまた半端なく素敵でサイコー。

 

以下は朗読劇のネタバレありで感想です。朗読劇あまり関係ないこともグダグダと。

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舞台「グランギニョル」を観ました


特権階級である名門貴族の家督者であり、吸血種の統治機関《血盟議会》の若手議員でもあるダリ・デリコ。

ダリはある日、上司ヨハネスより停職処分を受ける。ダリが遂行した異教団殲滅作戦の際に、保護されたスーという《人間の女》が身籠った赤子が、ダリの子であるという疑惑が議会にリークされたからだ。もしそのことが明るみとなれば、それは吸血種と人間種の間で締結された《不可侵条約》に違反する行為であり、将来を嘱望されていたダリの失脚に繋がりかねなかった。 だが、停職中であるはずのダリは、ヨハネスよりある事件を秘密裏に捜査することを命じられる。それは、各地で発生していた《繭期少年少女失踪事件》の真相を解明せよというものであった。ダリは、任務補佐官に任命された下級議員マルコと、護衛 兼 合同捜査官として派遣されたヴァンパイアハンター歌麿と春林らと捜査チームを結成し、事件を追うこととなる。

事件を追う中で、《黒薔薇館》という闇の社交倶楽部が捜査線上に浮かびあがる。その黒薔薇館の会員の中に、ダリの同期議員であるゲルハルトの姿があった。またダリたちはその社交倶楽部で、不老不死を研究するバルラハという男と、ダミアンという謎の人物と接触する。ダミアンは、歌麿と春林が長年追っている、多くの猟奇的事件を裏で糸引いていると目される吸血種だった。またバルラハの傍には、アンリ、キキ、オズという三人の吸血種の少年少女たちが付き従っていた。三人は、失踪者リストに掲載されている吸血種たちであった。

一方、教団の残党から命を狙われるスーは、デリコ家の屋敷に匿われていた。だが、人間である彼女は屋敷の使用人たちから嫌悪され、不遇の扱いを受ける。その彼女を庇ったのは、ダリの妻であるフリーダであった。スーとフリーダは、次第に心を通わせていく。しかし、スーを身籠らせたダリのスクープを追う新聞記者ジャックがフリーダに近づく。

混迷する人間関係、血盟議会という巨大組織との対峙、陰謀渦巻く黒薔薇館、そして吸血種の間で伝承される原初の吸血種《TRUMP》の不死伝説──事件を解き明かした先で、ダリがたどりつく真実とは?

大千秋楽おめでとうございました、お疲れ様でした。

今回の「グランギニョル」は、TRUMP、LILIUM、SPECTERと続いてきたTRUMPシリーズの4作目(短編「二輪咲き」も入れれば5作目)です。個人的にはLILIUMとSPECTERはなんだかんだ言ってもTRUMP観てからでしょ派だったのですが、このグランギニョルに限っては初見が羨ましい。記憶を消してグランギニョルから観たいです。どんだけ絶望できるんだよと思うと羨ましすぎる。やはりシリーズ初見だと少し理解がおっつかない的な意見も見かけはしましたが(人によるっぽい)、個人的には十分初見でも楽しめるのではないかなと思いますし、何よりこれから過去作を観る人に対する仕打ちがあまりにもあんまりなので、次から人に布教するときはグランギニョルから貸すことにしました。反応を見たすぎるので犠牲になってもらいます。というわけでシリーズ初見の方にもオススメなのがグランギニョル! 早くDVD出ないかな!

以下、過去作含めてネタバレです。あとめちゃくちゃ長い。

 

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【備忘録】先月読んだまんが

5月は漫画に対するモチベーションが謎に高まり、けっこう買いました。ネタバレちょっとあります

 

宝石の国(7) (アフタヌーンKC)

宝石の国(7) (アフタヌーンKC)

アニメ化おめでとうございます! 最近はキャスティングの妄想で忙しく、村瀬歩宮田幸季あたりの男性声優に出てほしいなと思っています。見た目と声が全然合ってない感じがいいなあ。ダイヤとか男の人がいい。イエローおにいさま厨なので誰がきても彼のキャスティングには文句つける予定です☆ミ うそです。

アニメでこのあたりまでやるのかわかりませんが、もしそうなったらフォスの声優は変わるのか否か。変えたら名作扱いされそう。しかしラピスの顔と髪型が非常にかわいいのでアッサリ断髪されたのには遺憾の意。しかし接合シーンえろい。美しい。

展開的には第二部、あるいは最終章開幕といったところでしょうか。非常に続きが気になるヒキ。まあ主人公ですからフォスのある程度の無事は信じてよいとしても、これまで失われてきた彼らは今どうしているのか・そして向こうの世界はどうなっているのか・月人や先生の正体にも少なからず迫る…となると本当に盛り沢山です。8巻は来年1月あたりになるんでしょうか、となるとアニメは1クールだったら終わってるな。

 

やっと買った。前作のPandoraHeartsはめちゃくちゃファンだったんですが、完結で一種燃え尽き、なかなか手が出せずにいたんですよね。今作はスチームパンク×吸血鬼もので既刊3巻。表紙は額縁で縛っていくっぽい。ストーリーも安定して面白いのですがぶっちゃけエロ本。パンドラでも絵柄が変化すると共にキャラクターの体格がリアル寄りになっていい意味でガッシリし、おっぱいや肩のラインには素晴らしいものがあったのですが、また開放してきましたね…。キャラデザや人間関係により性癖を感じます。7割くらいのページでうわエロって思ってる。あと黒髪の描き込みがめちゃくちゃ細かくなってて最高です。ジャンヌとドミではドミちゃんのがタイプ。

 

MAMA(6) (BUNCH COMICS)

MAMA(6) (BUNCH COMICS)

 こっちもやっと買った。なぜか4巻まで買って止まってました。今更ですが完結おめでとうございます。良い漫画でした。しかし丁寧な作品だと思っていただけに、レビのくだりの謎の駆け足感と唐突さが引っかかります。何かあったんだろうか。

イーノクのエピソード・天使の証左は全体でも一番好きです。これまで一歩引いていた感のあったイーノクの心のうち。「天使」とは、これまで「天使」になっていった彼らはなんだったのか、という疑問へのひとつの回答。一人の男の子の人生の物語としても、天使にまつわる物語の一つのまとめとしても、素晴らしいものだと思います。こういう風に終わりへ丁寧に歩いていく姿っていうのは、どうしてこんなに美しいんだろうか。ミカが救われてくれたのにもホッとしました。

そしてガブリエルが生き延びてくれてよかった。彼は天使になるべきでないというのは最初から見えていたことですけど、そうなると天使になった彼らを否定するような展開になりかねないのではとも思っていて、だけどイーノクが認めてくれた。イーノクがすべてをありのまま認めて尊んで、そして救ってくれた。彼は「そこにいていい」と認めてくれたし、居場所がなければ与えてくれたり、あるいは居心地良くいられるように苦しみを取り除いてくれた。だから彼らはこれからも生きていけるし、明日のことを考えられるんですよね。時間が癒やしてくれる傷もある、だから逃げたっていいということを提示してくれたのも好きです。

 

 話題作ですね。バズったときから気になっていたのでこれもやっと買った部類。絵が本当に緻密で美しく、コマ割りや構図も凝っていて面白いです。魔法にまつわる設定も作り込まれているので全体的に丁寧な印象。女子みんなかわいいし(アガットちゃんかわいすぎ)、主人公・ココの師匠、キーフリーさんがめちゃくちゃイケメガネ。すげーエロいインナー着てんなと思った。で、一瞬キーフリー×ココかと思ったんですが、ココがくっつくんだとしたらタータの方ですかね。一目惚れっぽいと読める描写あったし。お話的にはわりと壮大になりそうで、2巻以降が楽しみです。

 

銃座のウルナ 1 (ビームコミックス)

銃座のウルナ 1 (ビームコミックス)

既刊の3巻まで読みました。架空戦記系。あえて言うならナウシカっぽい雰囲気かも。骨太というのだろうか、面白いです。エログロあり。とは言え線も素朴ですし女性の描写は健康的(オブラート)といった感じなのでエロ期待するとアレかも。でもエロい。おなかとか。特に見張り台でのシーンがお気に入りです。そんな恋に落ちてるってわけでもないけど戦場のなんやかんやでヤッちゃうよみたいなところがいい。戦場にある人びとの妙にカラッとした感じも。

トーリーはもちろん雰囲気で魅せるタイプの漫画でもあり、そういう意味では主人公・ウルナの回想、故郷の描き方がとても好きです。詩的で美しくて。雪深い土地が舞台なのですが、特有の静けさを感じさせるところも良いし、民族の文化の設定・描写もしっかりしていてツボです。3巻で第一章終わりという感じで、たぶん次巻から場所を移るんですが、どんな土地描写になるのかなー。

 

少年の残響(1) (シリウスKC)

少年の残響(1) (シリウスKC)

 ショタコンだから買ってみたんですけど、一言でまとめると「男版ガンスリ」にしかなってないのが残念。ひとつひとつの要素や描写はいいんですけど(カルルの話がとても好き)、まあガンスリですね。キャラクターにしてもジョゼ、ヘンリエッタ、アンジェリカ、クラエス(かトリエラ)っぽいと簡単に当てはめられてしまうのがちょっとな。なんていうか細かい点はもちろん違うんですが、子供の暗殺者と銃、教師・パートナー的な立ち位置の慕われまくりな大人、寮生活、洗脳・記憶の改竄と大枠としてガンスリ視せざるを得ない。それにしても歌要素は多少扱いが軽く感じるのでもっと取り上げてほしいところ。というかギムナジウム推しするほどギムナジウムものっぽい雰囲気じゃなかったのも個人的に若干アレです。とりあえず次の巻は買う。

 

 大今良時の新作。タイトルロゴは切り絵作家の大橋忍によるもので、公式でDLとかできるみたいです。聲の形でも島田めちゃめちゃかわいいな(顔が)と思っていたので、あの手の髪の毛がふわふわ柔らかそうな男の子が主人公とかマジサイコーじゃんと思って買いました(ショタコンの感想)。たしょう系統は違いますがトゥイードルディも超かわいいし大今良時は最高だな。マジな話、柔らかく緻密な筆致や微妙な表情の描写がとても好きな作家さんです。

本作は聲の形とは打って変わってハイ・ファンタジー。神的な外側の存在によって舞台となる世界に投げ入れられた、ひとつの「球」の物語です。生命ですらない、何者でもなかった存在が自己を得て、未来を選択していくお話。でも、そういう本題的なところはまず置いといて、いいから1話を読んでほしい漫画です。80ページもあって(週刊誌の作品です)ひとつの読み切りとしても完成しているのでとにかく読み応えがあるし、これが刺されば間違いないのでとにかく1話を読んでほしい。