ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「舞台 少年ヨルハVer1.0」の感想

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遠い未来。突如襲来したエイリアンと、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」によって地球を侵略された人類は、月に逃れていた。地球を奪還するため、人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。衛星軌道上に存在する人類の防衛拠点からは、新たに男性アンドロイドだけで編成された「ヨルハ実験M部隊」を投入する事になる。

戦場での活躍を誓い、血気に逸る者……訪れる未来に怯え、不安を抱える者……彼らに課せられた本当の「任務」とは――。知る者も、知らぬ者にも、選択を迫られるその時が今まさに訪れようとしていた。

パンフレット<STORY>より

少年ヨルハ、千秋楽おめでとうございました。お疲れ様でした。

今回は実際観劇にも行きましたが、ニコ生でも千秋楽を観ました。ブルーレイにはニコ生の映像が入るんでしょうか? あと今回も前ナレ後ナレとありましたが、ぜひ前ナレだけでもブルーレイに収録してほしいです。ていうかブルーレイ出るっていいよね…。コンサートもブルーレイで出してくれているとは言え、舞台作品としてはやっぱり希少ですもん。ありがてえ。

少年ヨルハ、まずネタバレのないところから行くと、やっぱりお衣装が素晴らしかった。みんなほんとに目隠ししてるんですよね。聞いてはいたけど実際見るとスゲ~!!ヨルハ~!!って感じだった。わりと前列で観られたのですが、メッシュなのわからなかったなあ。実際けっこう視界が制限されていたらしくて、なんというか作品ファンとしては頭の下がる思いでございます。

ゴーグルと言えば、9割以上目を隠して演技させたというのは正直驚きでした。一部に至ってはカテコでしか顔が見られないんですよね。そこまでずっと目隠ししてるとは思わなかった。目隠し状態でもキャラを立てたり感情の伝わる演技って大変だっただろうなあ。

それに黒レザーで固めたお衣装の格好いいこと。ゴーグルもそうですが、本当にゲームのキャラが飛び出してきたような感じで感動的でした。あと公式もゴリゴリ推していたお膝…。実際は生脚出してたのは半分くらいなんですが、それにしてもお膝。半ズボンにソックスガーターはやばい。脚フェチになってしまう。あんよかわいい…。

 

ネタバレはたたみます。

 

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映画「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」の感想

 やってきました冬映画。今年はビルド・エグゼイドに加え、オーズ・フォーゼ・鎧武・ゴーストが本人出演のもと復活です。公開からまだ間がないですが、本当に評判がいいですね。そして実際観てもめちゃくちゃ良かった。

オーズ組の舞台挨拶も観られましたし、オーズが好きでよかったです。終わってからハマったので、まさか今年になってオーズが復活して、オーズのキャストとしての二人を生で見られるなんてこの上ない幸せでした。ありがとうオーズ。

ストーリーも面白く、各キャラ・ライダーにバランスよくガッツリ見せ場があり、理由なき大量の爆発、バイクアクション、レジェンド作品のアレンジBGM、各種先行登場などなど盛りだくさんで楽しかったです。映像面でも面白いところがたくさんあって見ているだけでも楽しい。異常にCG大盛りだったように感じたんですが、いつもの春映画がどうもなさそう?なのでその分予算が振られてたりする…のか? ビルド的には今週放送の14話と来週の15話の間のストーリーなので今週観に行くのがベストマッチです。

その辺で言うと、時系列面での摺り合わせが丁寧にされていたのも印象的でした。新ライダーも含めてかなり明確にこのタイミング(もしくはここ以降)、という設定があるんですよね。正直レジェンド勢はご都合的に出されるかなと思っていたところがあったんですが、実際にはしっかりと各作品の時系列や設定を拾ってくれていたのがとても嬉しかった。良くも悪くも二次創作的な雰囲気のある映画なのですが、それだけこだわりと愛情をもって丁寧に作ってくれたんだなと感じました。こういう丁寧さを視聴者は求めてたんだよ…。

 

以下はネタバレありです。

 

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「NieR Music Concert Blu-ray≪人形達ノ記憶≫」の感想

チケットが全公演全席ソールドアウトし、大好評のうちに幕を降ろした「NieR」シリーズのコンサート『人形達ノ記憶』―
映像化を望む多くの声にお応えし、2017年5月5日によみうりホールで開催された千秋楽公演をBlu-rayに収録。

生演奏・生歌による至高のNieR音楽、さらに各公演で内容の異なったNieR:Automataの世界観を表現する朗読劇パートを全公演分収録。
感動のイベントの空気をそのままお届けいたします。

NieR Music Concert Blu-ray ≪人形達ノ記憶≫ NieR Music Concert | SQUARE ENIX

ニーアオートマタの日本ゲーム大賞2017最優秀賞受賞、おめでとうございます! ファンとしてとても嬉しいです。これからの展開にも期待しています!

コンサートは公演から約5ヶ月、長かったような短かったような。ともかく念願のBD発売でございます。実際の公演では台本付きチケットは手に入らなかったのですが(大阪公演に行きました)、今回はバッチリ台本付きバージョンを入手できました。BDの初回特典には、5月5日夜公演「フェアウェル」の上演版台本、台湾公演の台本が収録されています。しかしメニュー画面かPCでの読み込みで全公演の台本を閲覧できるので、どちらかと言うとマストバイではなくコレクターアイテムという感じ。ブックレットにはセトリの他、主要スタッフ陣とキャストからのコメントが載っていますが、若干ネタバレしているので「フェアウェル」初見なら後回しにすべきかと。

また、メニュー画面から朗読劇のシナリオを選択することで各公演を再現することができる仕様です。数曲ごとに朗読劇が挟まる構成でしたが、この朗読劇部分を差し替えて再生できます。台湾公演は楽曲のセトリも一部異なりますが、その辺も完全再現。各公演の上演前・終演後の影ナレまでしっかり入っていますし、映像収録のない朗読劇もゲーム中のノベルパート風に作ってくれています。まさに至れり尽くせり。

影ナレと映像収録のない朗読劇は改めてアフレコしてくれたみたいです。単純に聞きたかったのもありますが、新情報が多すぎたのでちゃんとチェックできて一安心。ネタバレ見て、まさかこれをちゃんと知れないのかと思って絶望してましたもん。こんど「プロメテウスの火」も小説「短イ話」に再収録されるようですし、そういうところをちゃんとしてくれるのはとてもありがたいですね。

 

大阪公演の話なんですが、前回のコンサートには行けなかったので、まず生での演奏・歌を聴けることに涙目になり、実際聴いて・バックの映像を見て感動で泣き、朗読劇が地獄すぎて泣き、泣きすぎてグロッキーになるという有様でした。楽しかったな。アンケートにはドラマCD出してくれって書いておきました。

アレンジでしっとりめになっている曲が多いのはバンドの構成上(ギター・ピアノ・弦楽四重奏・ボーカル+録音)の都合でしょうか。コーラス系の曲は軒並みストリングスに差し替えていたり、打楽器抜きであったり、特に「終ワリノ音」「追悼」なんかはかなり違う雰囲気で、サントラと聴き比べると更に楽しいです(こなみ)。個人的には「砂塵ノ記憶」でギタービビらせまくってるのが面白かっこよくて好き。

カメラワークなど映像の編集も凝った感じで見応えがあります。「双極ノ悪夢」「砂塵ノ記憶」「美シキ歌」あたりの盛り上がる曲が特にかっこいい感じでよいです。元々のバックスクリーンの映像や照明の演出の素晴らしさと相まって雰囲気がすごい。もちろん現場では生だからこその良さがあるんですけど、ブルーレイではこういう風に映像作品としても楽しめるものになっていて楽しい。歌姫の横からのアップなんて客席からじゃ見られませんもんね。このサイドからのライトに照らされる横顔という画がまた半端なく素敵でサイコー。

 

以下は朗読劇のネタバレありで感想です。朗読劇あまり関係ないこともグダグダと。

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舞台「グランギニョル」を観ました


特権階級である名門貴族の家督者であり、吸血種の統治機関《血盟議会》の若手議員でもあるダリ・デリコ。

ダリはある日、上司ヨハネスより停職処分を受ける。ダリが遂行した異教団殲滅作戦の際に、保護されたスーという《人間の女》が身籠った赤子が、ダリの子であるという疑惑が議会にリークされたからだ。もしそのことが明るみとなれば、それは吸血種と人間種の間で締結された《不可侵条約》に違反する行為であり、将来を嘱望されていたダリの失脚に繋がりかねなかった。 だが、停職中であるはずのダリは、ヨハネスよりある事件を秘密裏に捜査することを命じられる。それは、各地で発生していた《繭期少年少女失踪事件》の真相を解明せよというものであった。ダリは、任務補佐官に任命された下級議員マルコと、護衛 兼 合同捜査官として派遣されたヴァンパイアハンター歌麿と春林らと捜査チームを結成し、事件を追うこととなる。

事件を追う中で、《黒薔薇館》という闇の社交倶楽部が捜査線上に浮かびあがる。その黒薔薇館の会員の中に、ダリの同期議員であるゲルハルトの姿があった。またダリたちはその社交倶楽部で、不老不死を研究するバルラハという男と、ダミアンという謎の人物と接触する。ダミアンは、歌麿と春林が長年追っている、多くの猟奇的事件を裏で糸引いていると目される吸血種だった。またバルラハの傍には、アンリ、キキ、オズという三人の吸血種の少年少女たちが付き従っていた。三人は、失踪者リストに掲載されている吸血種たちであった。

一方、教団の残党から命を狙われるスーは、デリコ家の屋敷に匿われていた。だが、人間である彼女は屋敷の使用人たちから嫌悪され、不遇の扱いを受ける。その彼女を庇ったのは、ダリの妻であるフリーダであった。スーとフリーダは、次第に心を通わせていく。しかし、スーを身籠らせたダリのスクープを追う新聞記者ジャックがフリーダに近づく。

混迷する人間関係、血盟議会という巨大組織との対峙、陰謀渦巻く黒薔薇館、そして吸血種の間で伝承される原初の吸血種《TRUMP》の不死伝説──事件を解き明かした先で、ダリがたどりつく真実とは?

大千秋楽おめでとうございました、お疲れ様でした。

今回の「グランギニョル」は、TRUMP、LILIUM、SPECTERと続いてきたTRUMPシリーズの4作目(短編「二輪咲き」も入れれば5作目)です。個人的にはLILIUMとSPECTERはなんだかんだ言ってもTRUMP観てからでしょ派だったのですが、このグランギニョルに限っては初見が羨ましい。記憶を消してグランギニョルから観たいです。どんだけ絶望できるんだよと思うと羨ましすぎる。やはりシリーズ初見だと少し理解がおっつかない的な意見も見かけはしましたが(人によるっぽい)、個人的には十分初見でも楽しめるのではないかなと思いますし、何よりこれから過去作を観る人に対する仕打ちがあまりにもあんまりなので、次から人に布教するときはグランギニョルから貸すことにしました。反応を見たすぎるので犠牲になってもらいます。というわけでシリーズ初見の方にもオススメなのがグランギニョル! 早くDVD出ないかな!

以下、過去作含めてネタバレです。あとめちゃくちゃ長い。

 

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【備忘録】先月読んだまんが

5月は漫画に対するモチベーションが謎に高まり、けっこう買いました。ネタバレちょっとあります

 

宝石の国(7) (アフタヌーンKC)

宝石の国(7) (アフタヌーンKC)

アニメ化おめでとうございます! 最近はキャスティングの妄想で忙しく、村瀬歩宮田幸季あたりの男性声優に出てほしいなと思っています。見た目と声が全然合ってない感じがいいなあ。ダイヤとか男の人がいい。イエローおにいさま厨なので誰がきても彼のキャスティングには文句つける予定です☆ミ うそです。

アニメでこのあたりまでやるのかわかりませんが、もしそうなったらフォスの声優は変わるのか否か。変えたら名作扱いされそう。しかしラピスの顔と髪型が非常にかわいいのでアッサリ断髪されたのには遺憾の意。しかし接合シーンえろい。美しい。

展開的には第二部、あるいは最終章開幕といったところでしょうか。非常に続きが気になるヒキ。まあ主人公ですからフォスのある程度の無事は信じてよいとしても、これまで失われてきた彼らは今どうしているのか・そして向こうの世界はどうなっているのか・月人や先生の正体にも少なからず迫る…となると本当に盛り沢山です。8巻は来年1月あたりになるんでしょうか、となるとアニメは1クールだったら終わってるな。

 

やっと買った。前作のPandoraHeartsはめちゃくちゃファンだったんですが、完結で一種燃え尽き、なかなか手が出せずにいたんですよね。今作はスチームパンク×吸血鬼もので既刊3巻。表紙は額縁で縛っていくっぽい。ストーリーも安定して面白いのですがぶっちゃけエロ本。パンドラでも絵柄が変化すると共にキャラクターの体格がリアル寄りになっていい意味でガッシリし、おっぱいや肩のラインには素晴らしいものがあったのですが、また開放してきましたね…。キャラデザや人間関係により性癖を感じます。7割くらいのページでうわエロって思ってる。あと黒髪の描き込みがめちゃくちゃ細かくなってて最高です。ジャンヌとドミではドミちゃんのがタイプ。

 

MAMA(6) (BUNCH COMICS)

MAMA(6) (BUNCH COMICS)

 こっちもやっと買った。なぜか4巻まで買って止まってました。今更ですが完結おめでとうございます。良い漫画でした。しかし丁寧な作品だと思っていただけに、レビのくだりの謎の駆け足感と唐突さが引っかかります。何かあったんだろうか。

イーノクのエピソード・天使の証左は全体でも一番好きです。これまで一歩引いていた感のあったイーノクの心のうち。「天使」とは、これまで「天使」になっていった彼らはなんだったのか、という疑問へのひとつの回答。一人の男の子の人生の物語としても、天使にまつわる物語の一つのまとめとしても、素晴らしいものだと思います。こういう風に終わりへ丁寧に歩いていく姿っていうのは、どうしてこんなに美しいんだろうか。ミカが救われてくれたのにもホッとしました。

そしてガブリエルが生き延びてくれてよかった。彼は天使になるべきでないというのは最初から見えていたことですけど、そうなると天使になった彼らを否定するような展開になりかねないのではとも思っていて、だけどイーノクが認めてくれた。イーノクがすべてをありのまま認めて尊んで、そして救ってくれた。彼は「そこにいていい」と認めてくれたし、居場所がなければ与えてくれたり、あるいは居心地良くいられるように苦しみを取り除いてくれた。だから彼らはこれからも生きていけるし、明日のことを考えられるんですよね。時間が癒やしてくれる傷もある、だから逃げたっていいということを提示してくれたのも好きです。

 

 話題作ですね。バズったときから気になっていたのでこれもやっと買った部類。絵が本当に緻密で美しく、コマ割りや構図も凝っていて面白いです。魔法にまつわる設定も作り込まれているので全体的に丁寧な印象。女子みんなかわいいし(アガットちゃんかわいすぎ)、主人公・ココの師匠、キーフリーさんがめちゃくちゃイケメガネ。すげーエロいインナー着てんなと思った。で、一瞬キーフリー×ココかと思ったんですが、ココがくっつくんだとしたらタータの方ですかね。一目惚れっぽいと読める描写あったし。お話的にはわりと壮大になりそうで、2巻以降が楽しみです。

 

銃座のウルナ 1 (ビームコミックス)

銃座のウルナ 1 (ビームコミックス)

既刊の3巻まで読みました。架空戦記系。あえて言うならナウシカっぽい雰囲気かも。骨太というのだろうか、面白いです。エログロあり。とは言え線も素朴ですし女性の描写は健康的(オブラート)といった感じなのでエロ期待するとアレかも。でもエロい。おなかとか。特に見張り台でのシーンがお気に入りです。そんな恋に落ちてるってわけでもないけど戦場のなんやかんやでヤッちゃうよみたいなところがいい。戦場にある人びとの妙にカラッとした感じも。

トーリーはもちろん雰囲気で魅せるタイプの漫画でもあり、そういう意味では主人公・ウルナの回想、故郷の描き方がとても好きです。詩的で美しくて。雪深い土地が舞台なのですが、特有の静けさを感じさせるところも良いし、民族の文化の設定・描写もしっかりしていてツボです。3巻で第一章終わりという感じで、たぶん次巻から場所を移るんですが、どんな土地描写になるのかなー。

 

少年の残響(1) (シリウスKC)

少年の残響(1) (シリウスKC)

 ショタコンだから買ってみたんですけど、一言でまとめると「男版ガンスリ」にしかなってないのが残念。ひとつひとつの要素や描写はいいんですけど(カルルの話がとても好き)、まあガンスリですね。キャラクターにしてもジョゼ、ヘンリエッタ、アンジェリカ、クラエス(かトリエラ)っぽいと簡単に当てはめられてしまうのがちょっとな。なんていうか細かい点はもちろん違うんですが、子供の暗殺者と銃、教師・パートナー的な立ち位置の慕われまくりな大人、寮生活、洗脳・記憶の改竄と大枠としてガンスリ視せざるを得ない。それにしても歌要素は多少扱いが軽く感じるのでもっと取り上げてほしいところ。というかギムナジウム推しするほどギムナジウムものっぽい雰囲気じゃなかったのも個人的に若干アレです。とりあえず次の巻は買う。

 

 大今良時の新作。タイトルロゴは切り絵作家の大橋忍によるもので、公式でDLとかできるみたいです。聲の形でも島田めちゃめちゃかわいいな(顔が)と思っていたので、あの手の髪の毛がふわふわ柔らかそうな男の子が主人公とかマジサイコーじゃんと思って買いました(ショタコンの感想)。たしょう系統は違いますがトゥイードルディも超かわいいし大今良時は最高だな。マジな話、柔らかく緻密な筆致や微妙な表情の描写がとても好きな作家さんです。

本作は聲の形とは打って変わってハイ・ファンタジー。神的な外側の存在によって舞台となる世界に投げ入れられた、ひとつの「球」の物語です。生命ですらない、何者でもなかった存在が自己を得て、未来を選択していくお話。でも、そういう本題的なところはまず置いといて、いいから1話を読んでほしい漫画です。80ページもあって(週刊誌の作品です)ひとつの読み切りとしても完成しているのでとにかく読み応えがあるし、これが刺されば間違いないのでとにかく1話を読んでほしい。

Patch stage Vol.10「羽生蓮太郎」を観ました

 

www.west-patch.com

昭和45年。 大阪万博が開幕し、ビートルズ解散し、力石徹の葬儀が執り行われ、アポロ13号が地球に帰還し、植村直己が日本人で初めてエベレスト登頂に成功し、三島由紀夫陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を図り、それでも「未来」がまだ「希望」と同じ意味を持っていた時代。
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」を下敷きに、激動の昭和時代を生きた青年たちの姿を描く≪浪花節シェイクスピア≫が誕生する。昭和大阪、「浪花坂」という架空の下町に生きる彼らは、少年時代に別れを告げ、未来になにを見るのか?
劇団Patch記念すべき第10回公演は、久々の外部客演なしでお届けする昭和の青春物語。

生活としていろいろあったりなかったりしないわけでもなかったのですが、書きたいことが溜まりまくった結果、書く書くと言いつつ逆にブログめんどい状態に陥っていたことを告白しつつお詫び申し上げます。途中まで書いてだいぶ放置していたので文章中テンションに温度差がみられる可能性もあります。すみません。

というか下書きを寝かせていた間にいろいろと発表ありましたねぱっちさん。次回本公演決定&東京公演おめでとうございます。楽しみにしています。

個人的な前置きみたいなものは前の記事を見ていただくこととしまして、今回も行ってきました。羽生蓮太郎、略してハブレン。いつものABCホールではなく、インディペンデントシアター2ndでの公演です。

こちらの劇場に行くのは初めてだったんですが、舞台や客席は公演ごとに自由に配置されるみたいですね。ハブレンは二面でこんな感じ(実際はもっと椅子が置かれていましたが)。

逆に(?)三面でのお芝居は一度観たことがあったんですが二面は初めて。回ごとに座る位置を変えてみたのですが、色々な視点から観られて面白かったです。

さて、「羽生蓮太郎」はシェイクスピアの「ハムレット」を下敷きとした昭和のお話です。ハムレットをよく知らなくてもあらすじは作中でそれとなく説明が入りますし、ハブレン自体もひとつの物語としてしっかりできているので大丈夫。人物の対応(と役者の名前)も冒頭で紹介してくれる親切設計でした。ハブレン→ハムレット→ハブレンが一番たっぷり楽しめるかも。

とはいえやはり「ハムレット」ありきの劇ということで、岩波の文庫を読んで臨みました。たしょう脱線しますが、これが面白かったんですよね。単純にマイナーな知識から聖句の引用、キリスト教や当時の価値観・文化背景に基づく台詞、スラングや比喩、解釈の分かれる部分などなど、補注が行き届いていて知識ゼロからでも非常に快適でした。訳も最近のもので読みやすいですし、1000円と文庫としてはちょっとお高めですがオススメです。あと「私シェイクスピアとか読んじゃってる…格調高い…」みたいな気分になれます(´>ω∂`)

で、ハムレットを読んでみるとそういう当時の価値観やキリスト教的な発言・思考が多いので、これを昭和に変換するってどんな感じかしらと思っていたのですが、ハブレンは単純な「昭和版ハムレット」とかではないですね。単純に登場人物やストーリーを移し替えると言ったものではない。インスパイアとか本歌取りの方が近いでしょうか。

ここから少々ネタバレ。「羽生蓮太郎」はおそらく多分にメタ的な演劇である(批評家気取り)。「ハムレット」でありながら「ハムレット」に言及する的なやつ。最初は大まかにハムレットの筋をなぞりながら進行していきますが、中盤で演劇「ハムレット」が作中に登場してきます(ハムレットの劇中劇のシーンにあたる)。そこで彼らは「ハムレット」の登場人物である自分たちに言わば気付き、物語は確実に別の方向へ転がり始める。

これがすごくメタだなと思うんですね。羽生蓮太郎くんはハムレットである自分を、この物語(一連の出来事)を意識する。末満さんの演劇はもともとメタ発言・役者ネタなどを入れる方ではありますが、それにしてもハブレンは笑いの要素にしてもそれらや、いわゆる第四の壁を破ったり、演劇そのもの(見えない扉、兼役など)をネタにしたシーンがとても多いです。だからハブレンはメタい。「ハムレット」も劇中劇を用いるメタ的な要素を持つ作品なので、そこを意識しているのでしょうか。ところで「タ」がゲシュタルト崩壊してきたしメタの意味が合ってるかどうか不安になってきました

「羽生蓮太郎」は感情移入して物語を楽しむことも、ちょっと引いて構造を楽しむこともできる、一粒で何度もおいしいお芝居だと思います。あとはもちろん昭和の雰囲気ですね。ストーリーや登場人物の変換具合だとか、原作の台詞をチラッと引用していたり、明らかにあの台詞が元になってるなとわかるものがあったりとか、そういう方向でも楽しい。ハブレン、とても好きな作品です。自分内ぱっちランキングかなりの上位。「演劇を楽しむ」という点では一番かも。二面舞台かつ舞台の位置が低め(というか床)だったのでDVDにどんな風に映っているのか気になりますが、早くまた観たいものです。

 以下はメンバーや登場人物についてなど。たたみます。

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映画「夜は短し歩けよ乙女」を観ました

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
 

特典を絶対にゲットしたかったので公開初日に特攻してきました。書簡形式の掌編後日談(1週目は先輩から乙女へ、2週目は乙女から先輩へ)で、色々な意味でニヤリとできるので気になる方はぜひ劇場へ。まあ正直言って週替わり特典も話題の芸能人起用もアレルギーなんですが、出来が素晴らしいので何も言えないんですよね。ちょっと悔しい。以下若干ネタバレかもなので気になる人は注意してください。

正直「先輩」役が星野源に決まったときは少なからず気落ちしましたし、批判の意見も見られましたが、「芸能人を起用したら台無しになる」というのは今作については全くの杞憂と言ってよいでしょう。声優としての不慣れさや拙さみたいなものは当たり前と言うべきか感じられるのですが、棒読みとかではないですし、むしろそういった部分が不器用で意固地で空回りな「先輩」らしくもあって、とても「星野源演じる『先輩』」でした。

一番怖かったのは浅沼晋太郎の「私」に寄せた結果なんか微妙になってるパターンだったんですけど(PVの時点で大丈夫そうだったけど)、そもそも淡々としたところのあった四畳半とは全体のテンションがかなり違いますし、アフレコでも「全くの別人だから違っていい」「感情を出して」と指示されたとのこと。ロバート秋山も全然気にならなかったっていうか歌うまいの知らなくてビビった。エエ声でよかったです。芸人さんは声優仕事でもさほど浮かない人が多い印象。

原作に小津の謎という縦軸の要素を加えた「四畳半神話大系」もそうでしたが、本編の方は大幅なアレンジで新しい物語として作り変え、ある種別物でありながらちゃんと「夜は短し歩けよ乙女」でもあるという感じ。湯浅・上田コンビは本当に素晴らしいですね。四畳半神話大系と絡ませているのもファン的には面白い、というか小津。小津なのにちっちゃくてカワイイ。吉野さんの長台詞は必聴です。あと城ヶ崎先輩(役の人)がちゃっかりCV諏訪部だったり。吉野・諏訪部両氏は森見アニメ皆勤ですね。ところどころ関連ワードが画面に仕込まれているのもニヤリとできるポイントでした。

最もアレンジされていたのは「秋」パート、原作3章の学園祭の部分ですね。ここはかなり展開が異なっていたりするので、原作のモチーフを期待してるとちょっとがっかりな部分もあるかも。ですが、アレンジ後のお話も面白かったですし、「偏屈王」の劇中劇を再現するにあたってのミュージカルという手法も楽しめました。なにせ新妻聖子さんを起用するガチっぷり。言うまでもなく素晴らしい歌声でした。紀子さん、原作とはイメージや役割が違いますが美人さんでかわいらしくて好きです。乙女も花澤さんボイスがぴったりでめちゃめちゃかわいい。緋鯉を背負う姿が超キュート。

キャラクターで言うと扱いが大きく変わっていたのは学園祭事務局長でしょうか。原作では事務局長自身の心情とか人物像はほとんど描かれないのですが、映画ではかなりキャラクターとして膨らませてきた感があります。下手しい一番美人なキャラデザといいCVといいあざとさが否めませんが、こうね、ちょっと好きになってしまうよね…。いかにも怜悧って感じでめちゃくちゃ美しいんだもん。元々「妖艶」とまで言われてるような公式イケメンキャラではありますけど、まつげバッチバチで横顔がほんとに美しい。あと原作では軽く触れるに終わった要素がガッツリ映像化されているのが面白かったです。歌まであるので神谷ファンは絶対に観て(強要)

どのキャラクターも、そして物語そのものも、原作を一度飲み込んでから独自に解釈し、表現し直しているのが映画「夜は短し歩けよ乙女」(アニメ四畳半神話大系も)。それが巧く面白く、よく考えられていることや原作愛を感じさせるから、新鮮でありながら「夜は短し~」として受け入れられるんですよね。有頂天家族が原作再現アニメの極みなら、夜は短し・四畳半は究極によくできた二次創作感すらある。なんなら原作より原案という言葉の方がしっくり来るかも…というのは言いすぎでしょうか。

原作よりも物語を最初から最後まで貫く要素がわかりやすいというか、伏線を張る・回収する要素が付け加えられているのですが、そこがまた気持ちよかったです。伏線がちゃんとしてる・ちょっとしたことがあとから活きてくる映画って観てて快感ですよね。ナカメ作戦と「奇遇ですね」のやり取りなんて本当にグッときました。

終盤の盛り上がり、怒涛のファンタジーぶりから演出がリアル寄りになるのもたまらない。どちらかと言うと映画版では原作で本当に不思議な事が起きていたっぽいようなシーンでも精神世界とか夢とかメタファーだと解釈している感じに思うのですが、こっちまで夢から醒めたような感覚でした。朝の光の眩しさとか静けさが本当にそこにあるような、そんな中でじっくりと描かれる二人のやり取りが大好き。あとガラスで身だしなみをチェックする乙女のひとこまとか。思い出してたら早く2回目観たくなってきました。アジカンの主題歌も余韻に浸れてよかったな~。

森見作品は初見、アニメもほぼ観ないという友だちと一緒に観たのですが、彼女にもたいへん評判が良かったので、どんな人にもオススメできる映画かと。デートムービーなんかにもいいんじゃないかな(喪女のコメントです)。パンフなどを見るに話題の芸能人だから星野さんにオファーがいったわけではないみたいですけど、こういう出来のよいものなら普段つながらないような界隈をつなげてくれるものとしてよいなと思います。まあ星野さんってみくにゃんPだったり諸々あるらしいですけどそういう話ではなく。私もTRUMPから流れ流れてこうして感想書いているわけですし。

そういえば今年やるはずだった有頂天の舞台がダブルブッキングがどうちゃらとかでなくなったらしいけど2期楽しみですね(白目)。とりあえずは原作を読み返して2週目を待ちます、早く乙女の手紙が読みたい。

「NieR : Automata」をクリアしての感想・考察もどき

ニーア オートマタ - PS4

ニーア オートマタ - PS4

 

「これは呪いか。それとも罰か。」

遠い未来。
突如侵略してきた異星人。そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」。圧倒的戦力の前に、人類は地上を追われ月へと逃げ延びていた。
地球を奪還する為に人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。さらに膠着した状況を打破する為、新型アンドロイドである戦闘用歩兵「ヨルハ」部隊を投入する。
人のいない不毛の地で繰り広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦い。やがてそれは知られざる真実の扉を開けてしまう事となる……

今作は 2010年に発売された「NieR : Gestalt/Replicant」の約8000年後を描く続編。わりとやりこんで60時間程度でEエンドまで見ました。

「前作やってなくてもできる」とのことですし、実際そうだと思いますが、逆に前作をやった人には絶対にやってほしい。特にエミールファン。というか前作の核心のネタバレ設定から資料集・ドラマCDの裏設定までサラッと暴露されるので(ストーリーについてはほぼないけど)、そういうのが気になる人はレプゲシュやってからやるべきです。そもそも宇宙人が襲来するってとこから裏設定バレなんですけどね。あとエミールの名前とビジュアルがセットで出てくるのもまあネタバレっちゃネタバレか。

レプリカントのドラマCDのエミールパート(宇宙人襲来)があまりにもギャグだったので、DOD3の資料集で宇宙人襲来が正史になったらしいこと自体驚きだったんですけど、まさかその設定から続編が生まれるとは。発表されたときはマジで宇宙人襲ってくんのかよwwww横尾本気だったのかよwwwwwwって感じだったんですけど、蓋開けてみりゃ普通に真面目でしたね。ちなみに今回も狂気はたっぷり…というか前作は身内にキチいなかったよなあと今更のように思わせてくれました。本当にありがとうございました。もちろんこの戦いに正義はない系のアレとテンションの下がるオチのクエストは健在です。

引き継がれたものと言えばシューティング要素ですけど、前作以上にシューティングさせられまくりというかちょっとシューティング多すぎじゃないですかね…。アクションは楽しいだけにアクションよりシューティングが有効打になる場面がつらかった。気持ちよく殴らせろよ。2Bのアクションは武器の付け替えのバリエーションやモーションのスタイリッシュっぷりなど満足度が高かったです。好き。モーションは待機中なども色々凝っていますし、ステージのグラフィックや音楽も美しいので放置して眺めているだけでも楽しい。崖っぷちなどに立たせると下を覗き込むのが特にかわいくてお気に入りです。

BGMは前作からさらにパワーアップしてきた感じ。曲数ももちろんですが、1曲1曲の曲調変化がすごかったです。前作でもデボルに近づくとBGMに歌声が乗るなどがありましたが、それを更にバリエーション豊富にしてきた感じ。ボーカルやコーラスのオンオフなど、途切れることなく切り替わるのが気持ちよかった。 前作の曲のアレンジもいくつかあって嬉しかったです。でも本当にバリエーション豊富すぎてサントラにどう収録されるのかもはや少し心配なんですよね、チップチューン版とかちゃんと入れてほしいけど3枚組ってくらいだし大丈夫かな。

以下はキャラクター・ストーリーについてなど。本編と、美術記録集についてもネタバレしてるのでご注意ください。

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「ニューダンガンロンパV3」システム面雑感

PSPPSVitaとこれまで携帯機で開発されてきたダンガンロンパの新作はついに据え置きのPS4。Vitaとのマルチでもやはりハード的に新しくはなってますからね! 移植でも画質に感動しましたが、ムービーやイベントのボリュームも増えたような気がしますし、通常の会話シーンや背景CGのアニメーション・情報量も盛り盛りで時代の進歩を感じました。でもメッセージポイント減ってるのはどういうことなの。ここ地味にすごくガッカリポイントなんですよね。「お肉の十代なんだよ」的な迷言が足りてないぞ。あと謎シューティング要素めんどくさいだけだからいらない。

ダンロンの主役・裁判パートはシステム的にかなり刷新されましたが、中でも「偽証」はいろんな意味ですごく面白い。矛盾を暴き真実を追い求めるはずの主人公が「嘘」、の時点でおっと思うし、ささやかですがルート分岐があるというのも良いですよね。コトダマ記憶は犠牲になりましたが偽証の方が考え甲斐があって好きです。とはいえ今作のテーマ「嘘」ありきな感もするので、次回作があるとしてもまた別のシステムに取って代わられることもありそう?

「議論スクラム」はテンポ感も楽しく、横顔がズラッと並ぶ絵面もかっこよくて好き。「嘘をつく」っていうのもそうなんですが、こういう仲間割れ展開とか「パニック議論」の皆が同時に話しちゃう感じってどうして今までなかったんだろうってくらい学級裁判にしっくり来ますね。この辺の新システムはすごく良いと思います。車はスケボーよりつまらなくなっててウケる。スケボーは単純にミスりまくってイライラしたんですが、車はイジワルでも退屈だし簡単すぎるからちょっとなあ。我適切な難易度を所望す。というかこの手のいらない。

いらないというか成長してないと言えば音ゲー(笑)。「理論武装」のいいところはあの一枚絵くらいだよ。せめて音に合わせてボタン押させろって言ってんだろ(半ギレ) さもリズムゲーみたいな顔をしておいて実際音に合わせるとミスるというか合わせるべきBGMがそもそも聞き取りづらいってどうなんでしょうね! 結局今回も目押し安定じゃねえか! 音に合わせてできれば面白いだろうなって思うのに。

 今回はおまけを充実させているのも売り込みポイントみたいですね。「育成計画」でキャラを育て、「絶望のダンジョン」で集めた金でガチャを回してまた育て…というループ。大味ながらけっこう遊べて面白いです。でもすごろくと戦闘の演出は早送りさせてほしかったなあ。「育成計画」では歴代のキャラが平和な世界で絡むイベントがいっぱい見られて楽しいんですがなんかもうつらいです。優しい世界がつらい。こういうのが見たいっていう取り合わせを抑えてくれてて嬉しいですね。

カジノは鮭以外運ゲーすぎるからちょっとなあ。モノリスのイジワルS取るのに何時間使ったことか…。私が取ったときまだトロフィー0.1%だったので嬉しくて記念撮影しちゃいましたよハハハ(アプデ前)。車もモノキッドとモノダムの配置に頼る運ゲーなので時間がかかった。鮭はノーミスでモノダム1・2個取れればS安定するので稼ぎは鮭ですね。鮭と言えば紅鮭団で移植であった各キャラへのショートカットが消えてるのはなんでなんですかね。これほんと不便でイライラした。

システムについてはこんなもんですかね。キャラとかストーリーについてはまた細々と考えたいし書きたい。私はオチについて肯定派というか、なんでみんなそんなに悲観してるの?な希望的観測派というか、なんにしてもダンガンロンパを肯定したい派。考えて納得したい。私はダンガンロンパが大好きだし、その気持ちが壊されたとも思っていません。今作も楽しめたし、次回作があればまた予約して買うでしょう。今はまだ何も決まってないらしいけどとりあえず王馬視点漫画と天海主役スピンオフがほしい。

映画「ドント・ブリーズ」を観ました

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去年末にはなりますが、久しぶりに映画を観に行きました。たぶん前に映画を観たのはライチ☆光クラブ(去年の春)が最後。それくらい映画を観ない人間がなぜ…!?とかいう話では別にないんですけどね。単純に面白そうだったので。あと友達とのノリ。

「ドント・ブリーズ」はジャンルとしてはサスペンスホラーになるのでしょうか。デトロイトに暮らす若者3人組が主人公なのですが、大金を貯め込んでいるらしい盲目の老人の家に強盗に入ったらその爺さんはバカみたいに強い殺人鬼で仲間の1人は瞬殺、サクサク退路を断たれ、老人から逃げ回りながら脱出を図る…というストーリー。

お話的にはそれだけっちゃそれだけなのですが、とにかく緊張感が半端ない。タイトルや画像のように、まさに「息を殺して」老人をやり過ごしたり、銃を乱射する老人からとにかく全力で逃げたり、時には戦ったり、バリエーション豊かな手に汗握るシーンの連続で、最後まで飽きの来ない映画です。面白かった。系統的にはステルス・スニーキング系のホラゲーなんかをイメージしてもらえるとわかりやすいんじゃないかと。

主要な登場人物がクズと異常者しかいないんですが、こっちも緊張感から逃れたくて主人公たちに感情移入してしまうし、それ以上に爺さんが理解不能で気持ち悪いので、観てるともう強盗とかその辺関係なく「頑張れ!頑張れ!」みたいな感じになってきて面白いんですよね。3人組の1人が狭い部屋で爺さんとガチバトルするシーンとか、逃げ切れそうになるシーンとか(何回もあるけど)めちゃめちゃ応援した。

あと老人の飼っている犬がめちゃくちゃ凶暴で、単純にびっくりさせられるわ普通に怖いわで聞いてねえよと思いました。私の見た宣伝とか紹介だと爺さんのことばかりで犬のことなんか一個も書いてなかったよ。犬怖いよ犬。よだれダッラダラだもん。吠え声めっちゃデカいし。

グロ度的には人間がノーマルに射殺されたりボッコボコに殴られたりするくらいで、グロすぎず程よい感じだと思います。首飛んだり内蔵出たりグチャグチャになったりはしないので、よっぽど苦手な人でなければたぶん大丈夫。むしろ一番不快なシーンは全然グロくないです。オチはたぶん気に入らない人もいるだろうな、という感じ。スッキリはしない系ですが個人的にはわりと好きですね。むしろスッキリしないのが良い。予告や紹介を見て面白そうだなと思った方にはとてもオススメな映画です。

 

最後にはなりますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。更新がんばりたいです。