ひっつきむし(独断と偏見による)

だいたいゲームの感想です

「彼は波の音がする 彼女は雨の音がする」大千秋楽に行きました

23日は「彼は波の音がする 彼女は雨の音がする」の大千秋楽でした。私は彼→彼女→彼で3回。今回チケットを買ったきっかけとしては言わずもがな武田くんの存在で、武田くんがキャラメルに出るなら躊躇する理由などないと思いまして、結果としても楽しく通わせていただきました。ありがたいことです。個人的にはどんなに役者が好きでも、面白くない・興味がわかない舞台や映画には何回も行く気はしないんですよ。でも全然武田航平ファンってわけじゃないんだから(半ギレ)

めっちゃ個人的な考えの話なんですけど、にわかなりに平成ライダーは一応全て目を通しまして、その中でも紅音也はめちゃくちゃ推せるし、音也は武田くんじゃなきゃあんなに魅力的じゃないだろうと思うし、NU版TRUMPのイチオシは武田アレンだし、メロスも京都公演マチソワしたし、流れで有頂天家族のDVDも買ったし、今回も3回チケット取ったしじっくり定点観測したけど別にファンじゃないから!(ミサワ顔) 自分の中でファンの定義とは「一番好き」、もしくは「ある程度応援し続けた歴がある」なのでファンじゃないんですよ…。今は一時的にハマっている状態だとしか言えないんだよ。でも一言挨拶を聞いているときのやたらリアクションのでかい武田くんには萌えた。これ面白い話だってわかったら顔隠して笑うのめっちゃかわいいと思いました。

まあ結局何が言いたいって、キバと音也と武田くんが好きで、だから今回変身ポーズを披露してくれたのが嬉しいんですよねって話なんですけど。昨日もやってくれたらしいですが、「僕は昔氣志團に憧れていてね、綾小路翔の真似をしていたんだ」的なところが氣志團→ヒーロー、綾小路翔仮面ライダーになってて、音也イクサの変身ポーズしてくれました。すげーテンション上がった。こういうお遊びほんと嬉しいですね。いつまでも愛してくれてるんだなと思えると嬉しい。「もうちょっと練習した方がいいんじゃないですか?」なんて無慈悲なツッコミも好きです箕島さん。キバと言えば今年のいつだか、瀬戸くんがキバに対して「若い頃の俺じゃん」ってパチメンにリプライしてたときはわ、若い頃か…と思いましたけど。まだまだ若くて可愛いのに。そういえばついでですが、再来年はキバ10周年なので4人揃って何かやってくれたらいいな。最近の流れで見ればBDを発売はあるとして、座談会にキャスト勢揃い…があると信じてるっていうかオダギリジョーとか要潤呼べたんだしいけそう(楽観視)

 

話を戻すと本編の方はネタがわかってるとあちこち切なくて、1回目では別に泣かなかったところで泣きそうになってしまったり、泣けたところが余計に泣けたり。「彼」の方だけ見ると、最後で岩代ってなんだったんだ、こいつ白浜さんが好きだったのかよみたいなところがあるんですが(「彼女」へのフリとも言う)、もう「彼女」を経由して戻ってくるとね。「彼女」でもこのシーンありましたけど、今日の岩代くんは私の見た中では一番泣きそうな感じに見えました。というか登場人物が泣いてるとわりとこっちも泣くよね。今日は、というか今日も串本にもらい泣きしすぎましたね。有田の前に串本が出てきたあたりからすでにアァ…ってなってました。

大千秋楽ということで一言あいさつ、客席から退場などもあり、福澤さんが近くにそれなりの間とどまってくれて興奮しました。これはちょっと自慢せざるを得ない。次回公演は10月の「嵐になるまで待って」ということですが、これちょっと行くかどうか悩み中なんですよね。行かないつもりだったのにあらすじ読んでたら面白そうだなと思えてきちゃって。直前まで待って予定とお金と席がいけそうな感じだったら行こうかな…。

演劇集団キャラメルボックス「彼女は雨の音がする」

 

18日の「彼は波の音がする」に続いて、20日は「彼女は雨の音がする」の方を観てきました。マジでびっくりしたんですけど、隣に座ってたのが普通に大学の友達だったんですよね。前説の途中でチラッと横見たら友達で死ぬほどビビった。肩つついたら向こうもめちゃくちゃビビってました。超小声で「後で…後で話そう!!」って言われた。お互い隣の客の顔とか見ないもんだよね…。ビビられたことにさらにビビって、しばらく無駄に動悸がおさまりませんでした。ほんと何を示し合わせたわけでもないのに、偶然ってあるもんですよね。回がかぶるだけならまだわかるんですけど。

 

「彼女~」は「彼~」のストーリー、及びその裏側で起きていたことをヒロインの視点で描いたもの。ゲストは武田航平のみ。どちらかだけでも楽しめる、ということにはなっていると思うのですが、やっぱり両方観てみると両方観たほうがいい!という気持ちになってしまいますね。まんまと思惑にアレされてるね(語彙力)。私の感想としては、むしろ「彼女~」の方が好きかも?と思ったんですが、「彼女~」だけでは厳しいというか、アルタイルの存在を補完できないため、ちょっとサイドストーリー的な印象を受けました。「彼~」の方がどちらかだけ観るには向いているでしょう。

少なくとも「彼女~」を単体で観るなら「彼」視点のあらすじを把握するくらいはしておいた方がいいかも。「彼女~」の方だけだと、いろいろと不思議なことがあったけど、あれは一体どういうことだったのか?とどうしても気になってしまうと思います。まあ実際はヒロインの推測というか信じたことはイコール真実なので、謎解き的なものまで期待してしまうと肩透かしかもですが。たぶん「彼~」だけか、両方観るという人が大半だと思うので、「彼女~」を先に観た・単体で観たという人の感想が知りたい…。

 

以下、ネタバレのためたたみます。

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演劇集団キャラメルボックス「彼は波の音がする」を観た

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昨日からブリーゼで公演中の「彼は波の音がする 彼女は雨の音がする」の「彼は波の音がする」の方を観ました。まだまだキャラメルボックス初心者だもんで初日のチケットがそんな割引に使えるなんて知らなかった…そしてもうチケットを取る余地がないわ。まあ全てユースチケットで取ってるので幸いにもそんなに変わらないんですが。

ブリーゼに行ったのはTRUMPぶり4回目(TRUMP3回行っただけ)。前の方のブロックだったのでどれくらい埋まってるかとかはあまり見なかったんですが、開場が早いせいなのかなんなのか物販が全く混雑しておらず、ちょっとパンフレット買うの芋りまし た。ええ。キャラメルボックスだとあからさまに劇団スタッフですって感じの方が売っておられるので、人がいないとちょっとドキドキしてしまうんですよね。人間として認識されたくないコミュ障の心。なんだろう、もっと混めよ物販。オリエンタルとかだと狭いところに人がドチャッと並んでてイライラするんですが、広いところに人がいないともう…ドキドキしちゃう。私を見ないで(CV小田さくら)。

 

「彼は波の音がする」と「彼女は雨の音がする」は二本立て公演で、一組の男女の物語をそれぞれ男側から・女側から描いたものです。ゲストに福澤朗武田航平。あらすじなどはこちら。


観終わった直後は「いい話だったな~」くらいの気持ちだったんですが、なんだか今になって人が生きるとか死ぬってどういうことなんだろう?と哲学的な思いを馳せております。以下ネタバレ。いきなりオチの話からなのでほんとに注意。

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2015年版「TRUMP」のDVDが届いた!

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やっとDVDを手に入れたぞ! 届いたのも見たのも数日前ですが。このメッセージ、4パターンくらいあってどれもニヤニヤできる感じなんですが、なんなのこのフォント?

DVD(の発売)についてあえて不満点から書かせていただきますと、

  • (延期したにも関わらず)予約開始前、DVDについて公式がほとんど喋らなかった上、一般流通しない情報がなぜか末満さんから出てくる
  • 振り込み・発送の通知がない
  • 予約した人にDVDが届く日にち・順番がガバガバ(少なくとも予約順ではない)
  • 通常再生しかないメニューがディスクを入れただけで毎回表示される
  • チャプターメニューがない(チャプター自体はあり)
  • 本編ディスクが分かれている

特に安くないお金を払っているのにちゃんと振り込めているかどうか、ちゃんと届くかどうか知ることができなかったのは非常に困りました。あと待たされてるのにDVDの発売についてほとんど情報がなかった点。確か当初の春発売予定も、からの延期もフロム末満さんだったような…。公式は無言でヒロビに発売日載ってたりしたのはなんだったんだ。延期しますっていうのは言ってほしかったナ~☆ 発売しないのかと思ってちょっとドキドキしたよね。全体的にもしかして客舐めてんのか?な対応で笑えました。

 逆に良かったところってもう、予約特典の輪廻夜想の歌詞カードがとってもありがたいことと、ポスカが8枚とも超絶作画なところくらいかな!? 特に武田クラウスの美しさが極まってて興奮します。この辺のビジュアル、パンフやポスターと違って明るめなのでお衣装が綺麗な青で写ってるのも好き。

編集についてはほしいところでアップが来てくれたりとそれなりに良い印象なんですが、Rで某キャラが死ぬところ映ってないのってなんなの? 演出自体なかったこととかないですよね? あとディスク分割してるわりにまあ高画質~!って感じでもないのもちょっとな…。ディスク交換って手間だし気持ちも途切れるし合間にテレビの映像とか見ちゃうと萎える。照明が暗めだったり真っ赤だったりなので綺麗に映せないのはある程度仕方ないところもあると思いますが。むしろ頑張ってこれなら逆に感謝するレベル。終盤引きだと顔が飛んじゃってて全然見えないよ! ブルーレイでくれ!

まあなんだかんだ言いつつ大興奮で観させていただいてますけどね!! 本当に輪廻夜想が好きで、あのキャスパレを早く見たい早く見たいと思って過ごしていたので、もうキャスパレ始まった段階で若干涙目になるキモさを披露しております。でもやっぱり生で見るのに比べると引き込まれないなあとも思ったり。普通に仕方ないんですけどね。あの呑まれる感を思い出して懐かしむこの頃です。あとせっかく歌詞カードがついていたので自分で歌って遊んでいます。楽しい。息継ぎはできない。

地味に楽しみだった日替わりネタの部分は個人的にお気に入りだったカミテシモテカミテシモテは東京→大阪で進化していたんだなあとか謎の発見があって楽しいです。絶対に笑わないラファエロのアップ連発も笑いを誘う。Rの教養のあるお話や必殺技は、真宙くんやっぱり喋るの苦手だなあという感じですね。あんなに堂々と演じられているのに自分の言葉で喋らされると急にグダグダになるのって、芸能に縁のない人間からするとちょっと不思議です。スタオベ要求はグダグダさと無駄な謙虚さも笑えるし拍手で改めてダメージを喰らうしょまジェリコ様もナイスすぎる。あと早乙女ソフィが流れを元に戻す強引さというか「ッウル!!!」みたいな感じもなんだか面白くて、一連の流れがめちゃくちゃ好きです。

さしあたっての感想はそんな感じですかね。また改めてDステ版と比較検討とかしてみたい。ひとまずは飽きるまでDVDを流しながら繭期にドップリしてきたいと思います。ほんとDVDちゃんと出てくれてよかった~!

キャラメルボックス featuring D-BOYS 「また逢おうと竜馬は言った」

また逢おうと竜馬は言った (CARAMEL LIBRARY)

また逢おうと竜馬は言った (CARAMEL LIBRARY)

今回はキャラメルボックスD-BOYSのコラボで、D-BOYSから陳内将三津谷亮山田悠介前山剛久の四人がキャラメルボックスの「また逢おうと竜馬は言った」に参加という企画ですね。私はキャラメルボックス初めてだったので知るにあたって良いきっかけになったという感じです。さすが何回もやられている作品だけあって最高に面白かった! 2時間ほどの演目ですが、もう2時間も経ったのかというか、たった2時間だったのかというか、とにかく密度がすごかった。ストーリーもちょっと謎解き要素(?)があったり、次々展開していく感じが面白かったです。

昨日6月18日の神戸公演では、昼がWhite(三津谷亮主演)、夜がBlack(陳内将主演)でしたが、マチソワで観られるのがこの日だけだったのでこの日に。しかし東京公演でもマチソワであったのは1日だけだったみたいですし、やっぱり役者(というか主演)の負担が大きい演目なんでしょうかね。みっちゃんが声潰してて本当に気の毒だった。昼はまだ岡本できてたんですがもう夜が声全く出てなくて。

以下はこまごまと感想です。D-BOYSからの4人に偏りまくりです。

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今すぐショタに目覚めて「私の少年」を読め、いや読んでください

私の少年(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

私の少年(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

 

漫画の広告をクリックするのも基本的にはなんだか癪だし、試し読みでよさそうでも買うなんて悔しい気がする派です。でもどうしても惚れてしまうときってあります。まさにこのパターンでした。

主人公の聡子30歳と、夜の公園で出会った美しい少年・真修12歳。たった一人でサッカーの練習をする真修に、最初はなりゆき的にサッカーを教えることになり、次第に真修と家族の関係の不自然さにも気付き、真修のサッカーチームのレギュラーテストまでだったはずの二人の交流は続いていくことに…的なお話。

いやもともとショタ好きなんですが、どっちかと言うと女性向けなショタというか美少年派で、おねショタって男性向けでしょ?って気もしていました。そんな私にハマる漫画なので、そういう感じな人にとてもオススメです。マイルドに新たな扉開いた気がする。

でもおねショタ要素と同じくらいかそれ以上か、とにかくアピールしたいのが絵の美しさ、真修の美しさです。もう本当に綺麗。すごくすごく綺麗です。とにかく見てくれ。見てもらえればわかる!真修の美しさがわかる!ネットの試し読みでいいから!試し読みでもちゃんと真修を聡子が初めて目にするシーンが入ってるから!

そもそもすごく絵が綺麗で、主人公の聡子も美人だし、元カレの椎川はイケメンだし、真修のクラスメイトの菜緒ちゃんもとてもかわいいんですよね。特に黒髪の書き込み方がすごく好みです。でもやっぱり真修は超美少年で最も美しい存在で、その美しさや感情が強調されるシーンのひとつひとつの本当にハッとするほど綺麗なこと。可愛いなあと思わされる場面もけっこうあるんですけど、やっぱり綺麗に綺麗に描かれているところには負ける。あーほんと、ほんと真修が綺麗なところをどうか見てください…。(ダイマ)

 でもビジュアル的な面を置いといてもいろいろと微妙な年齢で、何かと元カレに振り回されてしまう聡子と、家族とうまくいかない様子の真修とがお互いに響きあって、救いになっていく姿がすごくいいんですよね。真修と菜緒ちゃんの交流も同じく。たぶん真修はわかりやすい虐待とはいかなくてもたぶんネグレクトくらいの扱いは受けていて、でもなのか、だからこそなのか、とても純粋で美しい男の子。ここからそんな真修と聡子がどうなってしまうのか、本当に恋愛まで発展したらちょっと違うような気もしつつ、でもくっついてほしいなという気持ちもありつつな感じです。

舞台「闇狩人」に行ってきた

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原作がそもそも1987年~90年に連載された漫画ということなのですが、良くも悪くもというか、良いも悪いもなく全力で古臭いなあというのがまず感想(現代の技術プロジェクションマッピングが駆使されているにも関わらず)。もはやこれがやりたくて原作選んだんじゃねーのレベルで、クオリティは高かったしストーリーも悪くなかったと思うのですが、私は最初から最後まで笑いを堪えるのに必死でした。けなしてるんじゃないんですよ。ただ私が悪いんですよ。私には真面目に観られなかっただけだから…。

年代設定的には連載当時、昭和の終わり頃。法では裁かれない悪を裁く男たち、闇狩人がいた…的なやつですね。もうここから悪い意味でニヤニヤしてしまいます。すみません。メインの登場人物としてポスターの五人が紹介されているのは知っていたのですが、この五人が殺し合う感じなのかなと思ってたらそんなことはなかったですね。普通に丸山敦史くん演じる皇静馬がラスボスで他はなんとなく仲間的なやつでしたね。裏の仕事的な雰囲気出しまくってるわりに闇狩人同士って仲いいんだなって思いました。少年漫画だからかな。

舞台演出も大掛かりに動いたりプロジェクションマッピングが凝っていたり面白かったですし、ストーリーもえっと思わされる(いい意味で)ところがあったりして飽きませんでした。売りの殺陣も盛り沢山でかっこよかったですし、終盤ではそれぞれに多対一の見せ場を用意してくれていたのが特に嬉しいところですね。

ネタバレ感想は一応たたみます。だいぶ茶化してるのですみません。

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ミュージカル「1789」に行ってきた

フランス発フランス革命フレンチロックなミュージカル、1789を観てきました。やっぱり元々が最近の作品(2012年)なだけあってか、オシャレで現代的な音楽やダンス、プロジェクションマッピングなんかが使われていて格好良かったです。あとベルサイユのセットが豪華な感じで好き。

私が観に行ったのはロナン=加藤和樹、オランプ=夢咲ねね、マリー=凰稀かなめ(敬称略)の回で、加藤くんと夢咲さんと子役の2人が千秋楽ということでした。話題になってるから行ってみるか、くらいの極めて気軽な感じで行ったので(日程的には都合がつきそうな日を選んだだけ)、行ってみたら千秋楽の挨拶始まってびっくりしましたね!(アホ)

フランス革命というメジャーな題材でしかもフランス発ということもあり、こいつは誰で最終的にどうなる的な説明がほぼ一切なくて、やっぱり時代劇(?)を観るときはちょっとお勉強が要るなと思いました。知ってたら絶対もっと楽しめたろうなあ。アルトワ伯とかたぶん初めて知ったわ。バカがバレますが私のフランス革命知識ってほぼ小学生の時に読んだベルばらとマリー・アントワネットの漫画伝記だけなんですよね…。高校では日本史選択だったし。考えてみたら日本の時代劇でも信長の説明とかしませんもんね。 1789はあくまでロナン(とオランプ)の物語で、歴史がどう進んだかとかみんな知ってるよな!!的な波動を感じました/(^o^)\

とりあえず気になったところから言うと、紗幕に映像を投影し、その前で芝居させつつ後ろでは転換、というのが多用されていたんですが、なぜか2幕からやたら足音が気になってつらかったです。音出ないようにするか音楽かぶせてよぉ! あとサイラモナムール(恋人たちがペアになってダンスとかする歌)のときロベスピエールの彼女が急に出てきたのが気になりすぎて集中できなかったのと、ロナンくんが手のひらクルクルしてた理由がよくわからなかった…なんで急にキレるんだよこいつら悪くないじゃん! むしろ頑張ってたじゃん! ついでに棺の前でイチャつくなよ不謹慎だろ!

好きなところ、よかったところ的にはまず登場人物が仲良くしてるシーンはかわいくってニヤニヤできて好きです。なんと言ってもシャルロットが可愛すぎる! ダントンに抱っこされたり、ロナンとおてて繋いでハケていったり、カテコではおいしいところを可愛くキメたり、もうメロメロでした。有能だし。ルイ=ジョセフも天使のようで可愛かったなあ。オランプもなんていうかぼくのかんがえたさいきょうのヒロインかな?って感じで可愛くて強い人で最高でした。好きです。ツンデレっていいよな。

でも革命家3人組とか仲良しでかわいいなと思ってたのに(ロベスピエール+ロナン+デムーランで肩組んで歌うところが好き)、後からWikipediaとか見たらこいつらこの後仲違いしてリュシル含め全員処刑されるんかいと…。どちらかと言うと知っててその無常を楽しむのが正解だったんでしょうけど白目剥きそうでした。

ラマールたち3人組もコミカルで好きなんですが、3部会のパペットからの操り人形演出がめちゃくちゃ好きです。あとラストの退場の仕方が好きすぎる。

ほかはアルトワ伯かなあ。お耽美で美しい出で立ちから繰り出される如何ともしがたい小物&ナルシシストっぷりがグッド。イリュージョンできるし。オランプモテモテすぎない?と思ったんですが、元々はあの歌ラマールの担当だったんですね。マリーも話が進むにつれていい人化していったりしてましたが(白いドレスが美しかった)、オリジナル版ではあんなキャラじゃないらしいしオリジナル→宝塚でかなり改変されてるっぽいですね。実際比べて観てないので良し悪しは知りませんが。

総合的には、歌・ダンス・演出・キャラ立ち・美術は素晴らしかったし好きだけど心情の描写・変化には突っ込みどころを感じる、1幕の方が好き(2幕でテンション下がった)という感じ。ちょっと一言添えてくれれば自然なのに…と思うところが多かったので残念でした。でも再演があれば観に行きたいかな。

森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

 

先日「詭弁・走れメロス」を観に行ったのをきっかけに原作の「新釈走れメロス」に目を通ししたのですが、浅学のため「新釈走れメロス」に収録された短編のパロディ元を山月記走れメロスしか読んだことがなく(教科書に載ってた)、読破をひとまず断念して森見と言えばこれっぽいなという一冊、一緒に買った夜は短し歩けよ乙女を読んでみました。走れメロスともリンクしてると聞いたので。

メロスを観ていても思ったんですが、やっぱり文章がとても好きですね。どうして今まで読もうとしていなかったのかというと、まあ言ってしまえばメジャーなものにあまり興味がないからなんですよね。そりゃ「夜は短し~」とか「有頂天家族」とか「四畳半神話大系」とか、森見さんが売れっ子なのは知っていましたが、だからこそ手が出ずにここまで来たわけです。世間で人気で誰でも知っているようなものを自分が知らないという状態が嫌いで、かと言って素直に触れてみることもできずマイナー(そこまでマイナーでもない中途半端)に逃げるというアレな人間なので…。

話を戻しますと、森見さんの文章っていうのはすごく面白いなと思います。難しげな熟語がポンポン飛び出したり、時に文語調でありつつも軽妙でお洒落で楽しくて、なんというか一言で表すなら芝居がかってるんですよね。だからこそメロスもああいう形での舞台化が合うのか。あんな風に声に出して読みたくなります。

「夜は短し~」は「私」(先輩)とヒロインの「黒髪の乙女」が交互に一人称で語るという形式を取っており、しばしば不思議な出来事に巻き込まれる二人の一年間を描いた恋愛小説。「黒髪の乙女」の非現実的な可愛らしさとちょっと変わった感性もたまりませんし、そんな彼女を「とってもいい子」くらいに受け容れられるフワッとしてユーモラスな人々ばかりの摩訶不思議な作品世界自体が面白く、私としては非常に好みです。

走れメロス」の芽野と芹名が属している詭弁論部、そして芹名と桃色ブリーフ事件も間接的に登場していてニヤニヤしたんですが、「夜は短し~」の登場人物は森見さんの他の作品にも多く登場しているということで、これが沼への誘いなのね、という気分です。そして悪いことに私はそういうタイプの作家さんが大好きです…。リンクしてたりとかスターシステムとか。ということでしばらく森見作品を読み倒す予定です。

京都にて「青春音楽活劇 『詭弁・走れメロス』」をキメる

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)

 

私は正直言って、なんでもかんでも「キメる」などという昨今の風潮は嫌いなのです。しかしあえて言おう、「詭弁・走れメロス」をキメてきた!と!

「ヤクをキメる」などと言いますが、まず私はネットスラングとしての「キメる」とは、その「ヤクをキメ」たときのような多幸感などに包まれるような何かを摂ることであると理解しております。今回観てきた「青春音楽活劇『詭弁・走れメロス』」とは、太宰治の「走れメロス」を元ネタに森見登美彦が書いた「新釈 走れメロス」を原作とした舞台でして、これがまさに「キメてきた」と言いたくなるようなそれは楽しいものだったのです。

「キメる」と言われるようなものは多くの場合「いいぞ病」と密接にリンクしており、「いいぞ病」とはそれを人に勧めるにあたって「いいぞ」としか言えなくなってしまう症状のことであります。「上手く言えないけど上手く言えないくらいこれはいいものなんだよ」という気持ちを表す言葉こそ「いいぞ」(たぶん)。

でもって、「詭弁・走れメロス」はいいぞ

主人公の芽野史郎(武田航平)は「走れメロス」のメロスにあたるキャラクターであり、その友・芹名雄一(中村優一)はセリヌンティウスに相当します。ふたりの所属する部活・「詭弁論部」が部室を奪われ廃部の危機に晒され、その不当性を訴える芽野に「まあそこまで言うなら明日の日没、学園祭のフィナーレをブリーフ一丁で『美しく青きドナウ』を踊りきり飾ることができたら部室は返してやろうじゃないか」と部室を奪った図書館警察の長官(市川しんぺー)に言われ、「やってやろうじゃないか、ただし姉の結婚式があるので(大嘘)出席したい、人質として親友の芹名を置いていく」として実際は満喫にこもったり、嘘に気付いてなんとか桃色ブリーフで踊らせんとする長官の追っ手から逃走したりするというストーリーです。

 このお芝居の特筆すべき点は、「原作の地の文まで台詞になっている」こと。「○○は××した」のような地の文を役者が台詞として話すのです。これは本当に説明するより見てほしい!という部分で、早口なんだけど早口すぎない語り口、語り手が変わっても一切途切れることのない滑らかさ、テンションの高さ大げささなんかが相まって、それはもうすごいスピード感を生み出していました。シーンにもよりますが、一定のリズムというかテンポがあって、最初から最後までその勢いなんですね。突然担ぎあげられてドワーッと運ばれてそのままゴール!みたいな感じで(意味不明)、これが「すごい」「楽しい」「いいぞ」としか言えなくなる原因の大部分を占めています。とにかく勢いがものすごい。

 そしてそれだけじゃないのが小道具などの取り回し。「どっからか出てきてどっかに消える」んです。マジで。

そこを見ようとするとセットの後ろの方から取り出したり、袖に投げたりしているのがわかるんですが、逆に言えばそうしないと流れの中でいつの間にか出てきていつの間にか消えるようにしか思われないのです。一定の、そして速いスピードの流れがあって、それが止まったり澱んだりしないんですね。「音楽的」とでも言えばいいのか。かつ、常にどこかに注目させられてしまうので、小道具がどこから出てきてどこに行くのかなんて気にしている暇がないのです。どれだけ計算や段取りがあってそれをどれだけ稽古してきたんだろう?と思ってしまうくらいでした。

 途中歌やダンスのシーンも入るのですが、逃走シーンなんかはこういう感じの現代アート的なダンスかマイムのパフォーマンスありそうだなあ(無知)なんて考えるような優雅(笑わせに来てる)なものだったりして、やたら主演・芽野史郎役の武田航平くんがリフトされまくっているのが印象的でした。台詞のあるシーンとは違ってスローモーション的な表現であることが多かったからでしょうか。思ったらそういう風に緩急がついていたんですね。そう言えばものすごい勢いだったと感じさせながらも飽きない・疲れないのはそういうからくりだったのかもしかして!

 ネタバレなしで語れるのはこれくらいなのですが、本当にこれまでになく舞台演劇含むパフォーマンスとは関わる全ての人の作品なのだと感じさせられるようなものが「詭弁・走れメロス」でした。初演もできれば観てみたいので(今回は一部キャストを変更しての再演)、どうかこれを機にDVD再販してくれますように!

 

以下、ネタバレあり萌えありでの感想など。

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